「ただいま。女将さん」「どうだった?陛下なんて平民のわたしゃ雲の上の人過ぎて実感がないよ」「アハハ。ちゃんと存在する方ですよ。とってもいい方でした。いろいろ許可をいただきました」 いろいろの中にはシアースミス家当主を毒殺しようとした罪をどうするのかという事ももちろん含まれています。あの二人、ヘレナとクリフトン様。 ヘレナはいろいろ欲しがり過ぎだから、煩悩退散で修道院送りが相当だろうという事になった。 クリフトン様は貴族で楽をしたかったのだろうということで、鉱山夫送りとなった。皮肉にも宝石の原石を採掘する鉱山夫。どんなに宝石を採掘しようとも自分のものにはならない。 その日の営業中に私と騎士団長の婚約を騎士団員たちに報告した。「なんだよ~。やっぱり団長、アンジーちゃんを口説いたんじゃないか!」「団長ならアンジーちゃんも幸せになるだろうなぁ」 と、かなりの団員に祝福されたのでよかった。「俺は結婚しても生涯騎士団長だからな!」「あ、それからもう一つ報告」「まさかアンジーちゃん…子供が…」「そんなんじゃないですよ!」 そこは全力で否定させてもらう。殿下の沽券にもかかわる。「私、実は本名アンジェリカ=シアースミスって貴族なんです」「…シアースミスってこないだド派手な結婚式してたよな?」「恥ずかしながら義妹です」「だよなぁ。アンジーちゃんの実の妹だったらショックだわ~」 かくかくしかじかと団員さん達にも説明しました。「マジかよ~」「俺は義弟であんな感じだったら。斬っちゃうかも」「殺人は割に合わないから、ボコるだろうなぁ?」 皆様かなりのお怒りです。「似てないよな~」「アンジーちゃんの方が絶対に美人だ!」「「「「そうだ、そうだ!」」」」 あの~、見た目とかじゃなくてですねぇ。「そんなわけで、陛下ともご相談の上、二人の処分についても話してあるんです。安心してください」「「「「処刑だ!処刑だ‼」」」」 皆さん過激です。気持ちはわかるんですけど。「処刑はダメですよ!」「アンジーちゃんは優しいなぁ」「聖母みたいだ」 とか言われたけど、内心は「処刑は一瞬で罪の意識なんか感じる時間ないじゃない?だったらじわじわと嫌がらせのように永遠と続く処罰の方がいいのよ」と思っていたんだよね。言わないでおこう。 私は既に皇宮にお部屋
Terakhir Diperbarui : 2025-09-01 Baca selengkapnya