Semua Bab 姉vs.義妹は義妹の勝ち?でしょうか?: Bab 11 - Bab 20

21 Bab

11.騎士団員の皆様へ

「ただいま。女将さん」「どうだった?陛下なんて平民のわたしゃ雲の上の人過ぎて実感がないよ」「アハハ。ちゃんと存在する方ですよ。とってもいい方でした。いろいろ許可をいただきました」 いろいろの中にはシアースミス家当主を毒殺しようとした罪をどうするのかという事ももちろん含まれています。あの二人、ヘレナとクリフトン様。 ヘレナはいろいろ欲しがり過ぎだから、煩悩退散で修道院送りが相当だろうという事になった。 クリフトン様は貴族で楽をしたかったのだろうということで、鉱山夫送りとなった。皮肉にも宝石の原石を採掘する鉱山夫。どんなに宝石を採掘しようとも自分のものにはならない。 その日の営業中に私と騎士団長の婚約を騎士団員たちに報告した。「なんだよ~。やっぱり団長、アンジーちゃんを口説いたんじゃないか!」「団長ならアンジーちゃんも幸せになるだろうなぁ」 と、かなりの団員に祝福されたのでよかった。「俺は結婚しても生涯騎士団長だからな!」「あ、それからもう一つ報告」「まさかアンジーちゃん…子供が…」「そんなんじゃないですよ!」 そこは全力で否定させてもらう。殿下の沽券にもかかわる。「私、実は本名アンジェリカ=シアースミスって貴族なんです」「…シアースミスってこないだド派手な結婚式してたよな?」「恥ずかしながら義妹です」「だよなぁ。アンジーちゃんの実の妹だったらショックだわ~」 かくかくしかじかと団員さん達にも説明しました。「マジかよ~」「俺は義弟であんな感じだったら。斬っちゃうかも」「殺人は割に合わないから、ボコるだろうなぁ?」 皆様かなりのお怒りです。「似てないよな~」「アンジーちゃんの方が絶対に美人だ!」「「「「そうだ、そうだ!」」」」 あの~、見た目とかじゃなくてですねぇ。「そんなわけで、陛下ともご相談の上、二人の処分についても話してあるんです。安心してください」「「「「処刑だ!処刑だ‼」」」」 皆さん過激です。気持ちはわかるんですけど。「処刑はダメですよ!」「アンジーちゃんは優しいなぁ」「聖母みたいだ」 とか言われたけど、内心は「処刑は一瞬で罪の意識なんか感じる時間ないじゃない?だったらじわじわと嫌がらせのように永遠と続く処罰の方がいいのよ」と思っていたんだよね。言わないでおこう。  私は既に皇宮にお部屋
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-01
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12.断罪 ①

 ついにヘレナとクリフトン様を断罪する日がやって来た。 私とお父様は、謁見の間の影からこっそりと様子を見ていた。 ヘレナは何かを期待して謁見の間に来たみたい。陞爵とか?うちみたいのがどうやって公爵になるっていうの?「ヘレナ=シアースミス。ならびにクリフトン=マクファイル。面をあげよ」 ヘレナ、なんであんなにキラキラした顔してるの?クリフトン様は顔色悪いわよ?「あー、二人に話をする前にゲストだ。アンジェリカ=シアースミス。シアースミス家当主。ここへ」 私とお父様は呼ばれたので、陛下の御前へ出た。「…おねえさま?生きてたの?お父様も無事みたいで……」 あんなにキラキラしていた顔色が悪くなっていく。「ヘレナ=シアースミス。ならびにクリフトン=マクファイルの罪はシアースミス家当主を毒殺しようとしたことだ。この事はこの城に長く仕えている医者が証明している。当主殿によると、ヘレナ=シアースミスに当主の座を譲る気は全くないという事だ。当主殿を毒殺しようとした際、事が露見しそうになった時、アンジェリカ=シアースミスが次期当主の指名について疑問を盛った時だな。当主殿に会おうとしたという証言も得ている。その際には、「当主殿は感染性の病で臥している」と断っているな。事実は毒で臥せっていたわけだが。そして、アンジェリカ=シアースミスを家から追放した。何か間違っているか?」「恐れながら申し上げますわ。毒殺なんて恐ろしい!我が家の侍医が感染性の病だと言ったのですわ」「ヘレナ。残念だけど、うちには特定の侍医はいないわよ」 なんて顔してるの?陛下の御前よ?貴族の淑女としてあるまじき顔ね。「では、なぜアンジェリカ=シアースミスを家から追放したんだ?それも一文無しで」「それは、私とクリフトン様の新婚ですもの。お姉様は元婚約者として家にいるのはどうかと思ったのです。お姉様が一文無しだったというのは今知りましたわ」 着の身着のままで放り出しておいて?「アンジェリカ=シアースミスは家から追い出された時、カバンの一つも持っていなかったと聞いているが?これは市井の食事処の女将からの証言だ」「陛下ともあろうお方が平民の証言を鵜呑みになさるのですか?」「その食事処の女将がアンジェリカ=シアースミスを保護し、しばらく雇っていた。尚且つ、その食事処は信用がおける。なぜなら、皇宮騎士
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-02
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13.断罪 ②

「あー、二人とも静粛に。ヘレナ=シアースミスはアンジェリカ=シアースミスを排除するために。クリフトン=マクファイルはシアースミス家の当主となるために二人が手を組んで行われたことだという事だな?」「「……」」 ついに二人とも黙ってしまった。「黙っていることは肯定とみなすが、構わないんだな?「「……」」「それでは、ヘレナ=シアースミスへの処罰を申し渡す。どうもヘレナ=シアースミスは欲が深いようなので、修道院に入り身を少しは清めるといい。ちなみにだが、修道院の場所はこの国でも北の方にある。続いて…」「ご慈悲を!」 と、ヘレナは言うけれど甘やかされて育ったんだからもういいだろう?と私は思う。少しは厳しい生活をした方がいいと思う。私がどんな思いでこの数年間生活してきたかを修道院で反省するといい。「ん?ヘレナ=シアースミスに慈悲?甘ったれたことをしてきたから今のような状況になったというのに、慈悲を与えるわけがなかろう」 ヘレナはがっくりと項垂れた。「続いてクリフトン=マクファイルへの処罰だが、クリフトン=マクファイルも同様に欲が多い。鉱山夫として生涯働くといい。特別に宝石の原石を採掘する鉱山夫となる事を命ずる。欲望のままに多くの原石を掘り出してくれ。クリフトン=マクファイルへはまったく還元されないがな」 クリフトン様も項垂れた。「ここでいいことを教えてやろう。アンジェリカ=シアースミスと我が愚息グレイ=オールディントンが婚約した」「どうしておねーちゃんばっかりぃぃぃ」 と、言いながらヘレナは騎士に連行され、恐らく皇城の地下牢へと行ったことだろう。 クリフトン様は「爵位なのか」と呟きながら連行された。「うーん、ヘレナにおねーちゃんばっかりと言われても、私からすれば‘ヘレナばっかり’なんだけどなぁ」 私は地下牢へ連行されるものだと思っていたけど、二人はまだ貴族だという事で、貴族用の牢という名前の皇城の一室へとそれぞれに通された。~ヘレナ視点 うわ~、なにこれ?お姫様待遇? 陛下ってば、皆の前ではあんなこと言ってたけど、実は違うんじゃない? っていうか、おねーちゃんがグレイ様と婚約?あり得ないでしょ? グレイ様と言えば、騎士団長様の第2皇子よね? あの場にいたのかしら? うふふっ、おねーちゃんの婚約者。私のモノにしたいなぁ。~クリフ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-03
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14.囚人となった二人について話し合う

 私は二人が何を考えているかなんかわからないけど(ヘレナは多分グレイ様を狙い始めている)、お父様はヘレナをシアースミス家から勘当した。ヘレナは平民となった。 クリフトン様もマクファイル侯爵家から勘当されたらしく二人は晴れて(?)平民となった。 このことから、二人の牢は貴族用の牢ではなく冷たい石造りで、粗末な食事が運ばれてくるだけの地下牢へと移された。 ヘレナはなんだかそこでも自分は特別でいつかグレイ様が助けてくれるとか言っているらしい。どこまで自分中心なんだろう?グレイ様は忙しくて、ヘレナが移動したことすら知らないというか興味ないわよ。「グレイ様⁉」「グレイ様の従者をしています。カール=ラドンと申します。あ、私の方が身分が上なんですね。グレイ様は忙しいので、お前のような卑しい女のところに来る暇などはない!牢番からの報告でお前が「グレイ様、グレイ様」と煩いという報告を受けたから来たのに過ぎない。自分の立場を思い知れ、平民の卑しい女が!」「貴方のような方をグレイ様が従者にするとは思えないわ。私がグレイ様の妃になったアカツキにはお前のような無礼な従者はクビよ!」「話にならないな。牢番にはお前が修道院に行くまでの辛抱だと伝えておこう」「ということがありましたよ。アンジェリカ様」「なんだか申し訳ないわ。あの子もさっさと修道院で心の洗浄した方がいいわね」「対してクリフトン=マクファイルは事件(?)を悔いているようです。更生の余地があるのはこちらでは?」「そうねぇ、クリフトン様は今の事態になったのはヘレナと組んだせいで、私と婚約者のままならよかったとか思っているんでしょうね。でもね?クリフトン様の問題は婚約者がいながらの浮気という事にもあるのよ。だから、もし私とあのまま結婚していたとしてもクリフトン様は色々不倫なり浮気なり娼館通いなりしていたと思うのよ。それを考えると、更生までの道のりは長いわ」「なるほど。クリフトンは女にだらしないという人間なのですね。悔いているのは今の現状になったからであって結果論ということですか?」「まあそうね。私じゃなくヘレナを選んだからこうなった。みたいな?その上で、ヘレナを選ばなければ順風満帆だったのに…かな?」「選択さえ誤らなければ、人生順風満帆だったのにと思ってると?」「そうよ。でも、クリフトン様はヘレナみたいな感じ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-04
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15.結婚

 あの二人の処罰で結構伸び伸びになってしまいましたが、本日めでたく私は結婚致します。相手は勿論グレイ=オールディントン様♡ 私が着るドレスは採寸から完全にオーダーメイド。「いつもアンジェリカが自分で微調整していたけど、そんなことをしなくてもいいように完全オーダーメイドとする」 と、グレイ様が鼻息も荒くお決めになった。 グレイ様は当日正装の騎士服をお召しになるのだろうけど、それに合うように作るんだろうなぁ。 なーんて思っていたら、当日にビックリ! あんなにヘレナのウェディングドレスを貶していたのに、セパレート。 着てみると、ちっとも下品じゃない。どっちかというと上品。「やっぱり着る人がいいと、違うわ~!」 と、デザイナーさんも大喜び。 オフショルダータイプだけど、背中は出ていないし、手袋は指輪を嵌めることを考慮しつつ、その他はレースで出来てて上品。 スカートはAラインとマーメイドラインの間くらいかな? 体のラインを出しつつも歩きやすいので、私には負担にならずにGOOD! ヴェールは王家に代々伝わっている物らしい。 代々の割にまったく黄ばんでいないところが王家の力だろうか? ヴァージンロードの向こうでグレイ様が待っている。 お父様のエスコートでグレイ様のところまで進む。 ステンドグラスからの色とりどりの光さえも私達を祝福しているかのように感じてしまう。 幸せ♡ 正装のグレイ様はステキで神父様の話は右から左へ通り抜けていった。「やっぱりそのドレス、似合うと思ったんだ。よく似合っている」「グレイ様も今日は一段と素敵です」 等と話していると、神父さんから咳払いされた。すいません、話を聞きます。 二人のファーストキスとなる、誓いのキスもし指輪も交換しました。 王家は大変なのです。 まずはこの格好のまま皇城のバルコニーから手を振る。「大歓声をいただき嬉しいですけど、私明日からあの中で生活するのよ?」「それを言うなら俺もー」 さらに、馬車で大通りを通ります。パレードです。恥ずかしい。「慣れだ慣れ」 と、グレイ様は言うけれど、私はどちらかというと見る側。 また皇城に戻り、バルコニーから手を振る。「喜んでくれるのは嬉しいんだけどね。明日から大丈夫かなぁ?」「なんとかなるんじゃね?」 さらに、国中の貴族はもちろんのこと
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-05
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16.翌朝の出来事

 そういえば、結婚式の警備にはいつも食事に来てくれていた騎士様達がしてくれていたことを思いだした。いつかお礼を言いたいなぁ。 などと思っていると、寝起きで半裸のグレイ様が察したようで「伝えておこうか?」と言ってくれた。「直接言いたいけど、そういう機会ってないのかな?」「アンジェリカは一応王子妃だからなぁ。一日職業体験みたいに女将さんのところで働く…とか?」「そんなことができるんですか?」 私は思わず前のめりになってしまった。「おいおい、そんなんじゃ俺を誘ってるようにしか思えないけど?」 そうだった。ここはベッドの上で、昨日から新婚ホヤホヤだった。「あ、ち…違うんですけど…」 赤面してしまう。昨晩の事を思い出しても顔が紅潮していくのがわかる。「まぁ、楽しみは今夜にとっておくとして、俺は今日も騎士団長として働きに行くことにしますか!」「私はどうしましょう…?」「昨日の疲れが残っているだろうしゆっくりしているといい。お義父様には俺がシアースミス家に婿入りすることを許可してもらわなくちゃなぁ。今はとりあえず皇城にいるけど、これからは二人ともシアースミスの邸で暮らす予定だし」 そうよね。グレイ様は名前に変わりがないけど、私はアンジェリカ=オールディントンになったのよ!それでかつ、シアースミス家の次期当主なのよ! さっさと体調を整えたら次期当主としてシアースミスの邸で生活が出来るようにしたいわね。「あ、そうだ!グレイ様の従者のカールもシアースミスの方に連れて行きたいわ。彼はなかなか有能ね」 グレイ様がなんだか不貞腐れる。「初夜の翌朝に俺以外の男を褒められるのは何だかイライラする」 なんだか可愛らしくて、私は思わず頭を撫でてしまった。髪の毛もしっかりしていて、グレイ様の為人を感じる。「‼‼」「ごめんなさい、嫌かなぁ?なんだかグレイ様が可愛らしいなと思って」 グレイ様に頭を撫でていた手をつかまれて結局組み敷かれてしまった。「全く…。アンジェリカは可愛くて仕方ないなぁ。俺、今日は仕事休もうかな?団員も理解してくれるだろうし」 それはそうでしょうけど、お礼の件とか、女将さんのところで働くことが出来るのかとかはどうしたのよ~~!! 結局解放されたのは三日後でした。 なんでも新婚というのは三日間は部屋に籠るという風習があるとか?ないとか?
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-06
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17.カールの正体

「父上、このままではアンジェリカが混乱します。真実を彼女にも伝えるべきでは?と私は思います」 真実?カールの?「そーだなぁー」「のんきにしている場合ではありません!」「うむ。わかった。カールはなぁ?家名がラドンだろう?つまり、カールはドラゴンなんだよ!」 ‘つまり’の意味がわかりません!「だから不用意に皇宮から外部に出すことには抵抗があるのだが……」「カールはグレイ様の従者です!それ以上でもそれ以下でもありません。もしドラゴンの姿になりたいのであっても、シアースミスの邸の庭ならば十分にスペースがあります!」「う…うむ」「カールを連れて行っても構いませんね?」「あいわかった。グレイよ。アンジェリカ嬢はなかなか強(こわ)い女子みたいだな」「俺が選んだ女性ですからね」 あれ?でも私が皇城に招待された時に迎えに来たりと結構皇城の外に出てるんじゃないかな? グレイ様は人差し指を唇に当てて「シーっ」って言うようなアクションをなさった。グレイ様の独断でしたことなのかな? 陛下は過保護にしてるけど、カールは結構大丈夫っぽい。 当のカールに陛下との討論を話すと、「そうですか。陛下は過保護なんですよね。少し、いやかなり?私の方が年上かと思うんですけどね」 どっから見ても、20代の青年に見えるカールの実年齢を聞いて驚いた。569才。「やだなぁ。これでもドラゴンの中ではヒヨッコの方なんですよ。それでも悪戯にドラゴンの姿になるようなガキではありません。知性は持ち合わせています」 私が出会った人(?)の中で最高齢。でも見た目は完全に青年なんだよなぁ。「アンジェリカ様には私の事を高く評価していただき有難く思います」「本当の事よ。貴方がシアースミスの邸に来てくれたら助かるわ」 カールが照れているようだった。「おい、カール!アンジェリカは俺のアンジェリカだからな!」「重々承知いたしておりますよ。アンジェリカ様のように美しい方に褒められれば、誰だってあのようになるでしょう?」「…全く口の減らない従者だなぁ」「シアースミスの邸へ行った後には、従者兼執事見習いの仕事をしたいと思っております」 それって…グレイ様の従者もするし、執事の見習いもするってこと?かなりハードじゃない?「体力的に大丈夫なの?睡眠時間は足りるの?」「安心してください。そこは、
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-07
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18.アンジーは働くのです! 

 シアースミスの邸へ行く前に、結婚式の警備をしてくれた騎士の皆様たちにお礼を言いたい!だから今日は女将さんのところで働きます。『一日アンジー』みたいな? 明日からはシアースミスの邸で、次期当主としての領主経営のノウハウとか勉強しなきゃね。「これは珍しい!アンジーじゃないかい?結婚おめでとう!遠くから見たけどキレイだったよ~」 女将さんに抱きしめられた。苦しい。力が強いです。「今日は、結婚式の時に警備をして下さった騎士の皆様にお礼を直接言いたくて働きに来ました。前みたいに働かせてください!」 いいかなぁ?「最近は結構忙しくてねぇ。猫の手も借りたいところだったから有難いよ」 早速ランチタイムに続々と騎士様達がいらっしゃった。「うおぅ!団長が言ってた事はマジだったんだな。俺達のアンジーちゃんがここにいる!」「女神降臨!」 なんか凄いことになってる…。「昼間だけど、飲むぞ―‼」「やめておけ」 グレイ様の低い声が店内に響いた。「いつものエールの代わりに炭酸が入っていて、アルコールが入っていない飲み物をこいつらに出してやってくれ」「はいよ!1番から5番テーブルまで炭酸果実酒を。グレイ様、今日は連中の食べた分を驕りかい?」「まさか!騎士は際限なく食べますから、今は侯爵家当主の配偶者という身分です。無駄遣いはできませんよ。もちろん、騎士団長としての給料でも無理です。破産してしまう!」「はははっ、冗談ですよ。普段から来てるから連中の食べっぷりはわかってますって」「あの…結婚式の際には警備をしていただきありがとうございました!ヘレナの結婚式の時にスゴク嫌そうだったから、今回もなんか気に障ることがあったんじゃないかと…」 ヘレナと比べてしまうのは癖みたいなものかなぁ?「今回のは我らが団長と俺達のアンジーちゃんの結婚式。比べるまでもなく、今回の結婚式の方が重要だよ!」「そうそう、重要人物が主役にいるんだぜ?」「アンジーちゃんは超キレーだったしさぁ」 その言葉にグレイ様は反応した。「お前はちゃんと警備の仕事をしてたのか?アンジェリカに見惚れてたんじゃないだろうな?」「団長―、俺達が警備中に一瞬でもアンジーちゃんに見惚れたらダメなんですか?」「警備が仕事だからな!そして…重要なのはここだ!アンジェリカは俺のものだ!」 そこら
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-08
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19.邸の異変

 そしてシアースミスの邸まで行くのは夜も遅くになった。従者としてカールがいたから安全でしたが。 シアースミスの邸で驚いた。 お父様はいた。まぁ、当主だし? 他の使用人は?「なんでも、ヘレナのワガママとか癇癪に耐えかねて辞職していった……」 お父様はどうしてその時にヘレナを責めなかったの?  仕方がないので、生活が出来るように最小限の使用人を皇城から派遣していただき(貴族として恥ずかしい)、そのあと後日面接をすることになった。「まさか実家がこんな事になってるとは思わないわよ!恥ずかしいわ!」 グレイ様が騎士団団長として働いている間にサクサクと新しく使用人を雇ってしまいましょう。 面接当日。 私はカールと二人で面接に当たった。 世の中にはいろいろな人がいるもので…。 働いているうちにグレイ様のお手つきになるかも?なんて考えている人とか、オールディントン家の金庫破りに挑戦しようとしている者とか。 まぁ、悪だくみをしている者は悉くカールに言いくるめられて、退散していったけど。 身分の貴賤に関わりなく面接を受けることが出来ることにするとかなりの人数が集まった。「いやぁねぇ、平民が身分も弁えないでこんなところにいるわよ」 とか言ったどこかの令嬢さんは退場していただいた。 カール曰く、グレイ様のお手つきを期待しているようだ。という事も聞いた。 どこの令嬢さんだろう?家門までハッキリさせて、陛下に奏上しましょうか?グレイ様に言ったら怒るだろうなぁ。「あの…私のような者でも雇っていただけるのでしょうか?」 私にはみすぼらしい姿の平民にしか見えなかったが、カールにはドラゴンの長がわざとしている姿だと分かったようで、カールは跪いて「貴女が望むのならば!」と言った。 私は驚いたので、カールが説明をしてくれた。 彼女はドラゴンの中でも高位の王族と言うべき地位に入る方らしい。「そのような方なら安心で雇うわよ。というか、敬語を使うべきなのかしら?」「私に敬語を使わないで下さい。私の名前はザラと申します」 グレイ様とも相談の上、彼女はカールの婚約者ということにしました。「ザラ様の方が私の10倍は年上なのですがね…」 と、カールは乾いた笑いをしていました。 ザラ以外ですが、どこからかヘレナは罪人としてこの邸からいなくなり、アンジェリカが次期
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-09
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20.

 こうして私とグレイ様はシアースミスの邸で生活をすることが出来るようになった。 グレイ様がいることで、他の貴族からの‘シアースミス’という名前への信頼回復もかなり早くできたと思う。 社交をしていて、ちょっぴり笑ってしまうのは『シアースミスの邸の庭には夜になると二つの山が…』という噂が存在する事だろう。 カールとザラが「夜寝る時に寝ぼけて人の姿からドラゴンの姿に戻ることがないように、予めドラゴンの姿で庭で寝ることにします」と、宣言した結果のウワサが二つの山。 朝になるとキッチリとした執事姿のカールと侍女の格好をしたザラになっているのは凄いと思う。寝坊とかないのか。「結構年を取ったのでそんなことないですよ~」 と、笑われてしまった。そんなもんなのかなぁ? 使用人が戻ってきたことですご~く助かっているのは、シェフのトムが戻て来てくれた事! 全くどうしてヘレナはこのトムを解雇するのを見守ってもかしら?私なら、「待ってよ、私は貴方が作る料理が好きなのよ!」って留めるけどなぁ。不思議。「ヘレナお嬢様はプライドが高くていらっしゃいましたから、そのように縋りつくような行動は自分の矜持に反していたのでは?」 矜持で腹は膨れない!「そうだよな。俺もトムの料理は好きだ」「賄いの料理も美味しいんですよ?」「そうなのか?」 グレイ様……そんなにカール肩をガクガクしなくても、「そうなんですよ」 ザラ様は所作がキレイだなぁ。私よりもキレイだったりするのかしら?「ザラ様、その所作はどこで学ばれたのですか?」「いやですわ。名前は呼び捨てでお願いします。そこはきちんとした主従関係」 でも、年齢が100倍くらい違う気がするのですが、ザラ様の方が年上だし。「私の所作はアンジェリカ様を模倣した物ですよ?手本なんて他にありませんもの」 確かに。教本があるわけでもないし、ザラ様が個人的に所作を学ぶようなマナー講師を雇う機会なんてありませんし、思えばそうですね。「なんだか、恐縮です」 新・シアースミス家となったわけですが、めでたくも私が懐妊しました! グレイ様は騎士団長様ですが、このゴールリード帝国の第2皇子ですからねー、一部屋と言わずに二部屋分かと思われるくらい沢山のお祝いをいただきました。 貴族の嗜みとして、お礼状を書くものです。 懐妊を発表したのが早すぎ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-10
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