皆に守られるように私は出産をすることが出来ました。 性別は…女児です。名前はアニエス。「アンジェリカ様のように美しく聡明な方に育っていただきたいものです」 と、ザラは言っていたのですが数年後のアニエスはグレイ様を見て育ったためでしょうか?「おんなきしになるの!」 と、やる気いっぱいです。 グレイ様としては、淑女的にしてほしいのと、騎士団に憧れてくれて嬉しいのとなんだか複雑な気分みたいです。「アンジェリカ」「はいなんでしょう?」 久しぶりにじーっと見つめられたので照れます。「あのな?俺、男の子も欲しい……」 確かに、オールディントン家を継ぐ子は必要ですね。この家名、思いっきり王家ですから跡継ぎに遠縁から養子とか安易なことはできませんもんね。 とはいえ、神のみぞというやつでは?と思うのですが? その後私はまたもや懐妊し、礼状を書くことになり、グレイ様念願の男児を出産致しました。 この子の名前はベリルス。 ベリルスは幼いながらもチェスの名手で、わずか3才だというのに私では相手になりません。 そんな時にザラ様がベリルスの相手をしてくれて、とっても助かります。「ザラー、なんでそんなにチェスがつよいんだ?」「年の功ですか?長生きしてますからね、うふふ」 本当に長生きしてるんだよなぁ。チェスの必勝法みたいなものも知ってそう。「あ、でも実はチェスはカールの方が強いんですよ?」「ほんとう?」 ベリルス、喜び過ぎだよ~。カールは今はグレイ様の従者として騎士団に行ってるかな? 団長も書類仕事が多いみたいでその補佐みたいな仕事をしているってグレイ様から聞きました。「ははうえ!カールはどこ?」「カールは父上の仕事場に一緒に行きましたよ。一緒に帰ってくるから、夕飯くらいかなぁ?」 夕飯後の時間にじっくりチェスをするような時間はないでしょう。「カールとのチェスは父上が仕事がお休みの時にしなさい。あと、カールにチェスの相手をして下さいってお願いしないとダメよ」 うちの子は良い子に育っているようで、夕飯の後にカールにお願いをしていました。 アニエスは史上初の女性皇宮騎士団長となりました。ベリルスは幼い頃からザラ様とチェスをしていただけの事はあって、領地経営が凄く上手。先の見通しもできるので、領民からの信頼も篤いのです。 そんなオール
Terakhir Diperbarui : 2025-09-11 Baca selengkapnya