契約の条件など必要事項を言い終えたギャレットは放心状態の私と相変わらず無表情なバッカスに「じゃ、5日後」と冷たく言い放ち、私たちを部屋の外へとさっさと追い出した。そして現在。やっと小屋に帰ってきた私は、私に付いてきたバッカスとすでに小屋にいたエドガーと3人で遅めの夕食を食べ終え、アニメ鑑賞の準備をし始めた。エドガーもバッカスもこれから始めようとしているアニメ鑑賞に付き合ってくれるらしい。事情を知っているバッカスは「咲良に協力する」と言い、夕食時に流れでこれまた事情を知ったエドガーは「暇つぶしに付き合ってやる」と言い、2人とも夕食後もここへ残ってくれていた。大変有り難い話だ。1人で長い時間アニメを見続けるよりも誰かとその時間を共有した方が絶対にいい。その方がきっと気が滅入ることもないし、楽しいだろう。アニメ鑑賞の準備も整い、時間も惜しいので私は早速アニメ鑑賞を始めようとした。だがしかしあとは再生ボタンを押すだけだというのに未だにアニメ鑑賞を始めることができないでいた。「あん?俺様が咲良と一緒にソファに座るんだよ」「いや。咲良の隣に座るのは俺だ」エドガーとバッカスによるたった1人分のソファの空席争奪戦が終わらないことによって。どっちでもいいから早く決めて欲しい。アニメ鑑賞を始められない。事の発端はアニメ鑑賞の準備が完了し、私がエドガーとバッカスに言い放ったこの一言だった。「ソファはどう考えても2人しか座れないから、私が座ることは決定として、残りの1人はどっちが座るか決めてね。1人は床ね」 私はそれだけ言うとソファに座った。この一言により、エドガーVSバッカスによる絶対に譲ろうとしないソファ争奪戦が始まったのだ。ソファ争奪戦が始まっておそらく10分は経っているのではないだろうか。どちらも譲る気がない為、終わりが見えない。初めこそ黙って見ていた私だったが流石に口を開くことにした。「はぁ、そんなにソファに座りたいなら譲るよ。2人でどうぞ」「「ダメ!」」これしか解決方法はないだろうと呆れたようにソファから立とうとしたが、それはエドガーとバッカスによって阻止される。2人の意見が合うなんて珍しい。「…」…いやでもこのままではアニメ鑑賞を本当に始められないのだが。「咲良!俺が隣の方がいいよな?」「いや俺だろ」「俺は!お前
최신 업데이트 : 2025-10-04 더 보기