บททั้งหมดของ あなたの「愛してる」なんてもういらない: บทที่ 141 - บทที่ 150

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141話

「──なん、そんな……」 俺は、谷島の言葉に唖然として言葉が詰まってしまう。 そんな事をしたやつが、いるのか? しかも、茉莉花さんのチームにいるチーム長が勤めていた前職場に? 「まあ、現場の記録を見て……俺がそう考えただけで、真実かどうかは分からない。だが、取ってつけたような供述や検証写真……杜撰過ぎる。……考えたくはないが、当時こちら側の人間に金を握らせて……殺人を交通事故で処理させた……そう考えるのが妥当だろう」 「ちょ、ちょっと待ってくれ……。そんな事を俺に話してしまって大丈夫なのか!?」 「……俺の考えを口にしてるだけだ。本当にそうなのかは調べないと分からない」 「調べようがあるのか?」 「……どうだろうな。加害者は既に死亡しているし、被害者も──」 そこで言葉を切った谷島は、ちらりと俺に視線を向ける。 どこか言いにくそうに目を伏せたあと、口を開いた。 「……被害者は、今も意識不明だ」 その言葉を聞いて、俺は言葉を失う。 加害者が死んでいて、被害者も、意識不明状態……?それじゃあ、話を聞くにも聞きようがない。 どう、この事件を調べるって言うんだ。 俺がそう思っていると、谷島が突然この事件とは無関係の事を聞いてきた。 「憧れの君の実家は、人に恨まれてはいないか?」 「──は?」 茉莉花さんの家……? 藤堂家が……?なぜ急に藤堂の事を。 俺の疑問が顔に出ていたんだろう。 谷島は真剣な表情のまま、もう一度同じ事を口にした。 「藤堂家は、人に恨まれてはいないか?」 「茉莉花さんの、家が……?どうして、そんな事……」 嫌な予感がどんどん膨れ上がる。 藤堂家が、人から恨まれていないか? どうしてそんな事を聞いてくる。 それに、被害者が今も意識不明のままって……。 ふ、と俺の頭に眠ったままの茉莉花さんのお母様の姿が思い浮かぶ。 いや、そんなはずは。 だが、だからこそ谷島は藤堂家が恨まれていないか、と聞いてきたのか? 意識不明の被害者って言うのは──。 「被害者は、藤堂羽累。お前が長年焦がれていた憧れの君の母親だよ……」 ガツン、と頭を殴られたような衝撃が走る。 何で。 どうして。 茉莉花さんのお母様が。 「だから、聞いたんだ。藤堂は人に……他家に恨まれていないか、って……。法に触れる事をやらかし
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142話

「こんな話……とてもじゃないが、茉莉花さんに話せない……」 今日、谷島との話が終わったら。 茉莉花さんに電話をして、話した内容を共有しようと思ってた。 だけど、とてもじゃないが今の話を茉莉花さんに話すなんて、出来るわけがない。 谷島も、俺の考えには同意なのだろう。 こくりと頷いた。 「ああ。被害者家族に話すのはまだやめておいた方がいい。……憶測で、苦しめるのは良くない。話すのははっきりとしてから、だな」 「そう……だよな」 「ああ。この件は、俺も協力する。親父に聞けば、何か分かるかもしれない。少し時間をくれ。だけど、小鳥遊。お前は下手にこの件に首を突っ込むなよ」 「ああ、分かったよ。俺だって命は惜しい。下手に動かないさ」 「ああ、そうしてくれ。この件で分かった事があればすぐに連絡する」 谷島の言葉に、俺は「頼んだ」と返す。 それからの俺たちは、食事を終え、その料亭を後にした。 駐車場でそれぞれ運転代行を呼び、その場で別れた。 代行が車を運転している中、俺は後部座席で今日谷島と話した内容を頭の中で整理する。 交通事故の被害者は、茉莉花さんのお母様だった。 そして、お母様を轢いたのは、茉莉花さんの会社にいる同じチームの人間が勤めていた、以前の職場の同僚。 そして、その元同僚は逮捕後、何らかの理由で死亡している。 それに──どうやら、茉莉花さんの会社にいる、同じチームの人間はその事実を知っていた、ようだ。 そして、その件が原因で前職をクビになった……? しかも、転職活動にまで手を回されていた? だが、茉莉花さんの家、藤堂家が経営するこの会社には、手を回す事が出来なかった。 と、すると事件を隠したかった人間は、茉莉花
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143話

スマホの向こうから、苓さんの低くて艶のある声が耳に届いた。 「こんばんは、苓さん」 軽くカーディガンを羽織り、窓際まで歩いて行く。 窓からは雲がかかり、朧月が幻想的で、ついつい私は窓に手を添えた。 もしかしたら、苓さんも今空を見ているかもしれない──。 同じように、こんな風景を見ていたら、と考える。 私がそんな事を考えていると、苓さんがふと言葉を発した。 「そうなんですね?いえ、気にしないでください苓さん。少しでも手がかりが掴めれば、と思っただけなので……」 そこまで話して、私は今日会社で志木チーム長が口にした言葉を思い出し、慌てて言葉を続けた。 「そ、そうだ苓さん……!今日、志木チーム長が言ってたんですが、その同僚さん……既に亡くなっているそうです……」 「ええ、そうなんです。それに、これ以上の事を志木チーム長に聞くのも……多分難しいと思います。昔の事を、思い出したくないような様子で」 そこで私たちの会話が気まずげに途切れてしまう。 何か、他の話題を。 そう考えた時、私は苓さんに伝えなければいけない事を思い出した。 「そっ、そうだ苓さん……!あのっ、すみません……父に、私たちがお付き合いをしている事がバレてしまいました……」 苓さんの驚いたような声が聞こえる。 ぎょっとしたような苓さんの声なんて、殆ど聞いた事がなくって。
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144話

あれから、数日。 会社で志木チーム長と会っても、あの時の事は話題には上がらない。 仕事の打ち合わせをして、無駄な会話を徹底的に避けている志木チーム長に、私は彼に悪い事をしてしまったと後悔していた。 これ以上は、志木チーム長にあの件について話を聞く事は難しそう……。 そう考えつつ、日々仕事をこなしていると、そんなある日。 廊下を歩いているとお父様に声をかけられた。 「藤堂本部長」 「社長、何かご用ですか?」 お父様の傍には、あの日助けてくれた秘書の上尾さんがいて、彼は軽く私に頭を下げてくれた。 そんな彼に私も笑みを浮かべ、軽く頭を下げて返す。 「今日、取引先と打ち合わせがある。取引先の中には小鳥遊建設の小鳥遊部長もいる。彼が打ち合わせの後に何も予定が無ければ食事に誘おうと思っているんだが……。本部長の今日の予定はどうだ?」 「──!本日、急ぎの案件はございません。ご一緒いたします」 「そうか。なら、和食の料亭を手配してもらってもいいか?」 「かしこまりました、社長」 廊下での立ち話。 廊下には、他の社員の目もある。 だから普段のような砕けた口調では話せないけど、お父様の言う食事とは、先日言っていた件だろう。 私はさっと頭の中で良さそうな料亭をいくつかピックアップして、すぐに予約を取ろうと考えた。 「じゃあ、頼んだぞ。また連絡する」 「かしこまりました」 お父様が去って行くのを、頭を下げて見送る。 今日、苓さんがこの会社に来るんだ。 そう考えると、この後の仕事にも普段よりやる気が満ちてきて、現金なものね、と私は内心くすりと笑った。 夕方。 私の本部長室の扉をノックする音が聞こえた。 チームの誰かだろうか。 そう思い、私は扉に向かって声をかける。 「どうぞ」 「──失礼します、茉莉花さん」 「……苓さんっ!?」 てっきりこの会社の誰かだろうと思っていたけど、扉を開けて姿を見せた苓さんに、私は思わずデスクから立ち上がった。 扉を閉め、歩いてくる苓さんに私もデスクから離れ、苓さんに近付く。 「今日、うちの会社に来られていたんですね?」 「ええ。カフェ事業の打ち合わせです。使用する資材や内装に関しての話を少し」 「もうお仕事は終わったんですか?」 「はい。藤堂社長が、茉莉花さんの部屋で待っていてくれればい
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145話

夕方。 仕事を終えた私たちは、和食の料亭に場所を移動した。 お父様は急な来客対応が入ってしまったらしく、謝罪と共に後から合流する旨の連絡をもらった。 苓さんの運転する車で料亭にやって来た私たち。 料亭の駐車場で車を降りた私の目に、ある車が飛び込んで来た──。 「──ぁ」 「茉莉花さん?」 突然立ち止まった私に、隣を歩いていた苓さんが不思議そうに視線を向けてくる。 どうしよう、こんな場所でまさか御影さんの車をみかけるなんて──。 しかも、普段利用している会社への通勤に使っている車じゃなくて、完全な私用車。 それを使っているって事は、恐らく涼子もいる。 お店が被ってしまうとは。 お店の中は広いとは言え、もし鉢合わせたら気まずい思いをするのは明白。 それに、この後お父様も来る。 お父様は確実に嫌な気持ちになるだろう。 「苓さん」 私は苓さんに向き直り、御影さんの車がある事を伝える事にした。 「……御影さんの車があるんです。恐らく、速水涼子も一緒だと、思います」 「……本当ですか?」 御影さんと、涼子の名前を聞いた瞬間、苓さんの視線が鋭い物に変わる。 苓さんは、以前私が御影さんに怪我をさせられてしまった事を怒ってくれた。 だからその時の事を思い出し、それと同時に怒りの感情も思い出したのかもしれない。 「どうしましょうか。お店を変えますか?」 「でも……この後お父様も来られるんですよね?彼らと会っても、ただの顔見知り程度ですから軽く挨拶をして済ませればいいのでは……?」 「苓さんは、嫌な気持ちになりませんか?」 「彼が茉莉花さんに近付いて来ようとしたら、俺が守りますから大丈夫ですよ。嫌な気持ちにはならないです。でも、茉莉花さんが嫌な気持ちになるなら、店を変えましょう」 私の事を心配してくれる苓さん。 私が嫌な気持ちになるなら、とお店を変更してもいいと言ってくれる苓さんの優しさに、私は自然と笑みを浮かべた。 「いえ、私も今はもう気にしてません。御影さんに会っても、何とも思いません。私には、大好きな人がもういますから」 そう話しつつ、最後の方は自分の顔が熱くなっていくのが分かる。 きっと今、私の頬は薄っすらと赤く染まっているだろう。 その証拠に、私がそっと苓さんから顔を逸らしたのに、苓さんは嬉しそうににこにこと満面
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146話

「……茉莉花と、小鳥遊がどうしてここに?」 御影さんの低い声が響く。 その声に反応したのだろう。それまで店員に体を向けていた涼子が、はっとしたような表情を浮かべ、御影さんに視線を向けた後、私にそろそろと顔を向ける。 そして、怯えたようにか細く私の名前を呼んだ。 「と、藤堂さん……」 涼子は、私から姿を隠すように御影さんの背に隠れ、まるで縋るように御影さんのスーツの裾を握った。 じっとりとした視線が、私に絡み付く。 誰からの視線、だなんて分かりきっている。 この視線を向けているのは、御影さんだ。 どうして、こんな視線を向けられなくちゃいけないのか。 理由は分からないけど、私は繋いだ苓さんの手をくいっと引っ張り、足を進める。 それまで涼子の対応をしていた店員が、慌てたように私に顔を向け、そして私を見た瞬間はっと表情を変える。 「お待たせしてしまい、申し訳ございません藤堂様。お席にご案内いたします」 「はい、お願いします」 こくり、と私は店員に頷く。 そのまま歩いて行き、御影さんと涼子の隣を通り過ぎようとした。 ちらり、と視線だけを彼らに向けると、御影さんと涼子の他にも男性が3人いて。 その男性達は年齢も彼らより上で、仕事関係の人達だろうというのが分かった。 接待か何かでこのお店にやってきたのだろう。 それなのに、広めの部屋が空いておらず、店側に広い部屋を用意して欲しいと話していたのだろうと予測する。 こういったお店は、事前に予約しておかなくちゃ駄目なのに。 御影さん、だったらきっと秘書に予約させていただろうから、今回のホストは涼子だったのだろう。 その証拠に、御影さんも、他の男性3人
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147話

譲ってください、ならまだしも「譲ってくれますよね?」とそれが当然と言うように宣う涼子に、空いた口が塞がらない。 本気で呆れると、言葉も出てこないのね、と私は新しい発見に感動すら覚えてしまう。 だけど、涼子自身は私がうんともすんとも言わないのが気に食わなかったのか、少しばかりむっと眉を寄せ、頬を膨らませた。 そして少し離れた場所にいた御影さんに助けを求めるように話しかける。 「ど、どうしよう直寛……。藤堂さんが私を無視するわ……酷い……」 御影さんは、はぁと小さく溜息をつくと私と苓さんに向かって足を踏み出した。 近付いてくる御影さんに、苓さんがさっと私の前に体を割り込ませ、立ち塞がってくれる。 「──俺は茉莉花に用がある。君は関係ないからどけ」 「関係ない訳がないだろう?俺は茉莉花さんと一緒に店に来たんだ。彼女と一緒に食事をするのも俺。……その席を使うのは俺も含まれている。寧ろ、ここで関係の無い人は御影専務とそちらの速水さんだと思うが?」 苓さんが冷たい表情と声で淡々と話す。 御影さんよりも苓さんの方が身長が高いからか、とても威圧感があって。 いつも優しくて、穏やかな面しか見ていなかったから、苓さんの背後にいる私にもその威圧感は伝わってきて、苓さんの冷たい態度に少しだけ気圧される。 だけど、苓さんは私を安心させるためだろうか。 後ろにいる私の手をそっと優しく握ってくれて──。 私はほっと息を吐き出すと、きゅっと苓さんの手を握り返した。 苓さんと私が手を握った所が見えたのだろう。 御影さんは不愉快そうに眉を顰め、口を開いた。 「どうせお前たち2人だけの食事だろう。こちらは重要な案件で来店した。今度詫びはするから譲ってくれ、茉莉花」 それが当然である、と言う態度の御影さんに、私もイライラが募ってくる。 早く席に向かいたいのに。 店員もおろおろとしていて、これ以上は店にも迷惑がかかってしまう。 私は苓さんの隣に進み出て、御影さんを真っ直ぐ見上げた。 「そもそも、重要な案件ならばどうして事前に予約を取らなかったのです?そちらの落ち度なのに、どうして私たちが譲らなくちゃならないんですか」 そして、私は横にいる苓さんを見上げて「行きましょう」と話しかける。 御影さんにちらり、と視線を向けて言葉を続ける。 「それに、私たち2人じ
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148話

「と、藤堂社長!?」 「どうしてここに……!」 御影さんと涼子と一緒にいた他の男性3人が、お父様の姿を見て驚いたように声を上げる。 そして、その3人は真っ先にお父様に近付き挨拶をした。 「お久しぶりです、藤堂社長」 「こちらでお会いしたのも何かのご縁!もしよろしければ少しお話でも……」 「我々は、食事がキャンセルになってしまったのですが、もしよろしければご一緒に──……」 お父様と知り合いなのだろうか?だけど、お父様はその3人に軽く頷いただけで、私と苓さんそして御影さんと涼子に順々に視線を向けたあと、不機嫌そうに眉を寄せた。 「茉莉花、何があった。もしかして、怪我をしたのか──?」 「お父様、騒がしくて申し訳ございません。お店に入った時に話しかけられてしまって……。でもその話はもう済んだので、席に向かおうとしたんです」 私の説明に、お父様は心配そうに私の足元に視線を向けた後、険しい表情で苓さんに告げる。 「……小鳥遊くん。席に着いたら詳しく説明をしてもらっていいか?一旦茉莉花の怪我の処置をしよう」 「かしこまりました。すみません、俺が傍にいたのに茉莉花さんに怪我をさせてしまいました」 「君のせいではないんだろう。茉莉花、お前ももっと周囲に注意を払いなさい」 「はい、すみませんお父様。それに苓さんも、支えてくれてありがとうございます」 私たち3人の会話に、御影さんも、涼子も、そして彼らの客である男性3人も置いてけぼりになった状態で、ぽかんとしている。 私を支えてくれている苓さん、そして反対側にはお父様が心配するように私に寄り添い、そのまま彼らを無視して店の奥に入って行こうとしたところで。 唖然としていた中で、御影さんが最初にはっと気持ちを切り替えて口を開いた。 「と、藤堂社長……!ど、どう
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-12-24
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149話

だけど、そんな中。 涼子がよろよろとその場に立ち上がり、御影さんに向かって話し出す。 「直寛……私の準備が不十分で、あなたに恥をかかせてごめんなさい……。今日お呼びした御三方も、もう帰宅したいようだし……私たちも帰りましょう……。後日、御三方にはしっかり私からお詫びをするわ……。それより……さっき藤堂さんに踏まれてしまった足が……どうしましょう、どんどん腫れてきてしまってるみたい……」 「……痛みは?」 「大丈夫よ、藤堂さんもわざとじゃないもの。それは分かってる……」 これみよがしに涼子の良く通る声がその場に響く。 お父様が私にちらり、と視線を向けたのが分かった。 だけど、私はこれ以上彼らと関わり合いたくない。 だから私はお父様に向かって軽く首を横に振って答えた。 それだけである程度の事を察してくれたのだろう。 お父様は席に案内しようとしていた店員に声をかけた。 「あちらのお嬢さんが怪我をしたようだ。医者を手配してやってくれ」 「かしこまりました、藤堂様」 苓さんに支えられながら、私はお父様と店員が話している内容にこっそりと息を吐き出す。 本来なら、御影さんが1番に対応すべきことだ。 私はちらり、と背後の御影さんと涼子の様子を伺う。 御影さんは、涼子を支えてはいるけれどじっと私を見つめ続けていて。 その視線がどこか熱を孕んでいるような気がして、ぞわりと背筋が震えた。 「茉莉花さん?大丈夫ですか?」 「──苓さん。はい、大丈夫です。ありがとうございます」 心配してくれる苓さんに向かって私が笑いかけると、御影さんからの視線が更に鋭く、強くなった気がする。 苓さんもその視線には気づいているのだろう。 不愉快そうに眉を顰め、私を御影さんの視線から遮るようにしてくれた。 「──今更、あの男はいったい何なんだ……」 ぽつり、と零れた苓さんの言葉に、私に何とも言えない不安感を覚えた──。 ◇ 去って行く茉莉花と、苓。そして茉莉花の父親、藤堂馨熾(とうどう けいし)の姿を、御影はじっと見つめ続けていた。 彼は一応涼子に手を貸してはいるが、その視線は涼子には向かわず、自分に対して微塵も興味を示さない茉莉花にじっとりと定まっている。 御影は、もやもやとした言いようのない不快な感情を持て余していた。 何と表現すればいいのか分か
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-12-24
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150話

「──うぅっ、痛っ、痛いわ直寛っ」 「……っ、すまない、大丈夫か涼子」 涼子ががくり、と膝から崩れ落ち、支えていた御影はその振動ではっと我に返り、涼子に視線を移す。 そして涼子の足元を確認して、眉を顰めた。 涼子の足の甲は、痛々しいほど真っ赤に腫れ、膝には薄っすらと血すら滲んでいる。 御影はさっとその場に片膝を着くと、涼子のパンプスを脱がし、自分の膝の上に置かせて傷の状態を確認した。 茉莉花が履いていた高いヒール。 それがちょうど涼子の足の甲に刺さってしまったのだろう。 御影はそう考え、背後で手持ち無沙汰にしている取引予定だった中小企業の役員3人に、顔を向けた。 「──申し訳ない。ホストが怪我をしてしまった。会食はまたの機会にしてもらってもいいだろうか」 「御影専務、それは、勿論大丈夫です」 「はい、またぜひ、次の機会に……!」 「速水さん、お大事になさってください」 では、我々はここで、とそそくさと店を出て行く3人を見送った御影は、溜息を1つつくと涼子を抱き上げた。 「藤堂社長が、さっき医者を手配すると言ってくれていた。その厚意に甘えよう」 「分かったわ……。今日は私のせいでごめんなさい、直寛……」 「涼子が謝る必要は無い」 いつも通り、御影の言葉は優しい。 だけど、涼子は御影の声にいつもの温もりと、心配が滲んでいない事に瞬時に気がついた。 「……藤堂さんと会えば、こうなるって分かってたのに……私ったら、どうしてもあの方達と一緒に食事を、ってそればかりに頭がいっぱいで……すっかり忘れていたわ……」 「……今回は不幸な事故だろう。茉莉花も足を捻っていた」 御影の言葉を聞き、涼子は悔しそうに唇を噛み締める。
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