บททั้งหมดของ 愛よりもお金をとるのならどうぞご自由に、さようなら: บทที่ 1 - บทที่ 10

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1.突然の婚約破棄と別れ

午後六時四十分、この日、母に同僚で恋人でもある颯(はやて)を紹介するため、待ち合わせ場所の店の前で彼の到着をずっと待っていた。約束の時間まであと二十分。時間に遅れたことがない颯のことだから、もうそろそろ着くはずだ―――――しかし、颯はなかなか姿を見せず、電話をしても繋がらない。メッセージも既読にならないことに胸に嫌な予感が広がる。「佐奈のこと、人生を掛けて幸せにする。だから結婚してください」、あの時くれた誓いの言葉が、心の中でざらついて消えた。そして、待ち合わせに十分過ぎてからようやく颯から電話がかかってきた。「颯、今どこにいる?心配したんだよ。何かあった?」 「ごめん。行けなくなった。」 「どうしたの。具合でも悪い?」 「そうじゃないんだ。佐奈、俺たち今日で終わりにしよう。今までありがとう」 「え?颯?どういうこと?ちゃんと説明して………」ツーツーツーツー颯は、私の話を遮って電話を切った。すぐに掛けなおしたが電話には出ない。電話が切れて数秒後の着信に気がつかないわけがない。その後も颯から折り返しがくることはなかった。(なんで?急に別れるなんてどういうこと?昨日の夜までいつも通りだったじゃない。どういうこと?)母には、急な打ち合わせが入ったと説明して二人だけで食事をした。頭の中では、颯のプロポーズや先ほどの電話の言葉が交互に繰り返されていた。翌日、一睡もできずに頭がボーとする中、会社に行くと辺りが騒々しい。みんな周りを気にしながらひそひそと話をしている。同期に「おはよう」と声をかけると、彼女はすぐに私のところに来て腕を掴み、人がほとんど来ることの無い非常口前の部屋へと直行した。「佐奈、大変なことになったよ。聞いて。総務の七條さんいるでしょ。彼女、実は社長の実の孫娘だったんだって。それを隠して入社してたらしいんだけど、婚約者ともうすぐ結婚するからって、昨夜、残業中に総務部の取締役がうちの部門長に話をしにきたの。」「七條さんが―――?」七條璃子。直接話したことはなかったが、艶々の黒髪で凛とした佇まいが美しく、女優にもなれそうな容姿で有名な人だ。まさかそんな美人が社長の孫娘だったなんて驚いた。しかし、それ以上に驚いたのはこの後だった。「それで婚約者と言うのがね……松田さんなの。二人、社内恋愛していたみたい」(嘘でしょ。松田って颯のこ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-09
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2.誰もいない部屋と豪華なマンション

仕事が終わり、颯のアパートに行ったがまだ帰ってきていないようで部屋の電気は点いていなかった。このままじゃ終われない。二人だけで会って颯の口からしっかりと話を聞きたかった。仕方なくアパートが見える近くのカフェでコーヒーとサンドイッチを食べながら、颯の帰宅を待っていたが、いつまで経っても颯は姿をあらわさない。ホットコーヒーはすっかり冷めきってしまい、時計の針が二十二時を指そうとしていた時に、店員が閉店を告げに来て店から出されてしまった。(もう仕事終わっているはずなのに、もしかして七條さんと一緒なのかな……)朝、颯の腕に手を添えている七條さんの姿を思い出すと胸が切なくて苦しかった。緊張した様子で微笑んでいる颯は、付き合ったばかりの笑顔とそっくりだった。だけど、それは私がこの四年間二股を掛けられていたと認めたくないからそう見えるのかもしれない。外に出ると辺りはすっかり暗くなり夜風が冷たい。颯のアパートをもう一度見て、諦めて家に帰ろうとした時のことだった。私服姿の颯がアパートに向かって歩いてきた。「颯……。」 「佐奈?こんなところで何しているんだ。」 私がいるとは思っていなかった颯は驚いて後ずさりをしたが、すぐに表情を元に戻し昼間話しかけたような冷酷な顔になった。「何って颯と話がしたくて。なんで私服なの?スーツは?会社帰りじゃないの?」 「もうここには住んでいない。それに昼間、璃子以外の女性とは仕事以外の話はしないって言ったのを忘れたのか。こういうことはもうやめてくれ」颯は私の顔を見ようともせずに通り過ぎようとしたので、思わず腕を掴んで引き留めた。「それならちゃんと話してよ。プロポーズされたのに突然別れを告げられて納得できると思うの?」 「気安く触るな。お前には飽きたんだよ。結婚しようだなんてどうかしていた。そう思ったからやめることにしたんだ。」 「何それ……最低」 「そうか。でも璃子はそんな事言わないぞ。璃子は、俺のことを愛してくれている。それに、将来も約束してあの会社の跡継ぎになって欲しいと言われて。何でも分け与えてくれるんだ。」颯は、嘲笑うように乾いた声で「ふっ」と口元を緩めていた。「ああ、そうだ。渡していた合鍵を返してもらえるか。もうこの部屋は引っ越して返却が必要なんだ。社長が今後の璃子との生活のためにマンションを用意してくれたから、
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3.璃子の本性と獲物を狩る目

突然の婚約破棄、新しい恋人は社長令嬢、引越しと目まぐるしく変わっていく颯の日常、そして取り残された私――――家に帰り、ベッドの中に入ったが眠ることが出来ず頭の中に何度も颯が出てくる。もっとも、今は憎しみと悲しみで楽しい気持ちにはなれなかった。(何やっているんだろう。結局、颯は私より将来も社長の座が約束されている七條さんを相手に選んだってことか。恋愛より地位、愛よりお金を選んだんだよね)普段なら気にならない、時計のチクチクチクチクと動く秒針の音がやけに大きく聞こえてくる。規則的で、そして機械的に動く音に、早く切り替えるように急かされているような気分になり胸がざわついた。これからも同じ部門で彼のサポートをするかと思うと嫌気がさす。サポートした先にあるのは颯と璃子の将来、そして会社での新しい役職だ。颯の仕事がうまく行くように、二人で残業して何度も打ち合わせを重ねた。颯が評価されるのが自分の事のように嬉しくて、仕事でもプライベートでも、付き合っていた四年間支え続けてきたつもりだ。「佐奈っ、ありがとう。佐奈のおかげで頑張れる。好きだよ」そう言って、私を抱きながら耳元で囁く颯を見て幸せな気持ちに包まれた。好きな人に好きと言われ、二人で同じ目標に向かい頑張っている時、そして成果として現れた時の達成感は格別でハイタッチをしてギュッと強く抱きしめあっていた。(心が一つになったと感じる瞬間を今まで何度も味わってきたと思ったけれど、颯は違ったのかな。私のうぬぼれなのかな……)電気を消して暗くなった天井を眺めながら、頭に浮かぶのは颯の事ばかりだった。この日も眠れずに長い長い夜を過ごした――――颯と七條さんが付き合っているという噂が流れてから二週間が経った。この日、颯の席に七條さんがやってきた。社内で噂を十分に知れ渡っており、颯のところに業務で全く関りのない七條さんがやってきても驚く者は誰もいない。「颯、ランチ一緒に食べない?」「ごめん。今日は午後一から打ち合わせで外に行く時間はないんだ」「えーつまらないの。いいや、また今度行こうね」私は、聞こえないふりをしてパソコンのモニターに集中して文章を打ち続けていた。「チッ―――――」突然、舌打ちをした時の小さな音が背後から聞こえて動揺が隠せなかった。私の隣の席は、颯。そして座っている颯に話しかけているのは、七條さん
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-09
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4.権力という名の追い打ち

翌日、課長から突然会議室へ来るように呼ばれた。何事かと思い部屋に入ると、ソファに座っている上司は、いつになく表情が硬かった。室内には微かな緊張感が漂っている。「木村さん、急に呼び出して悪いね……話をしなくてはいけないことがあってね」課長はそう言って、慣れない様子でソファを深く腰掛けた。「はい、なんでしょうか」「実は、木村さんに異動の打診が来ているんだ。私も今日の朝、出勤途中に電話を受けたばかりで正直、驚いていてね。可能なら二週間後に異動出来るように体制を整えて欲しいと上から言われたんだ。」「異動ですか!?」突然の出来事に、言葉を失った。だが、数年で異動することはよくあることだし、期の途中で変わるのも珍しいことではない。むしろ、颯と離れることが出来ていいのかもしれない。そう考えると、少し心が軽くなった。「異動先ってどこなんですか?勤務地は本社のままですか?」二週間後の異動なら勤務地は変わらないことが多い。念のため聞いたつもりだったが、課長はとても言いにくそうに視線を外し、下を向いている。「それが……海外なんだ」「え……海外、ですか。」
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-11
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6.さよならはメールで

颯side佐奈が引継ぎを始めて三週間近くが経過した頃、何も聞かされていなかった俺はいつも通り取引先へ商談に行った。商談は手ごたえがあり、久しぶりに気分良く会社に戻ってくると、休憩スペースで会話をしている男性たちの声が壁を隔てて漏れ聞こえてきた。「なあ、海外部門の木村さんって知ってる?」「いや、知らないな。その人がどうしたんだよ?」「何でも急に海外へ行くように言われたらしいぞ。しかもインフラも整備されていない新興国で、決定事項だと圧力まで掛けられたらしい。」「何だよそれ、可愛そう。一度行ったら帰ってこれないことで有名じゃん。そんなところに飛ばされたの?」「いや、それで辞めたらしい。退職理由も自己都合で片付けたらしくて人事の担当が同情していた」「それ異動じゃなくて退職勧告だよな、何したんだろうなその人」「さあ、そこまでは知らないけど普通じゃありえないよな」噂話をしていた男性たちは、コーヒーを飲み終えたようで紙コップを丸めてごみ箱へ捨ててその場を去って行った。俺の頭の中は、その会話で一気に真っ白になり、その場に立ち尽くした。(佐奈が海外……?それに、決定
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-12
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8.栄光の架橋は突如崩れる

颯side「会社の後継者?そして、お孫さんである七條さんと結婚、ですか?」俺が璃子に視線を合わせると、璃子は満面の笑みで静かに微笑んでいる。俺は微笑み返す気分にならず、社長に視線を戻した。「璃子に君の仕事ぶりを聞いてね、どんな人物か知りたくて仕事を色々と任せていたんだ。璃子の言う通り、君は真面目で仕事熱心だし頭の回転も早い。君には期待しているよ」その瞬間、頭を鈍器で殴られたような衝撃が走った。(今までの抜擢は、璃子の助言があってのことだったというのか?)歴代最速で出世できたのは、自分の実力だと信じていた。同期や先輩たちからの嫉妬や羨望も、実力でねじ伏せてきた自信があった。だが、その土台が、璃子の助言という砂の上に築かれていた事を知り、俺のプライドが音を立てて崩れていく音がした。「我が社の後継者として、孫と一緒に会社のために働いてくれないだろうか。私としても、君を信頼して次の世代を任せたいと思っている。」社長の言葉は優しく聞こえたが、それは拒否を許さない絶対的な命令だった。「松田さん、私からもお願いします。私やこの会社、そして何より祖父のためにも力を貸してください」璃子は社長に
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-15
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9.試される二者択一の選択

颯side 「後継者の話は大変ありがたいお話です。しかし、急に結婚と言われて戸惑っている、というのが正直なところです。」俺は必死に冷静さを保ち、素直に気持ちを伝えつつも、相手の出方を見ることにした。「何もすぐにすぐ結婚と言っているわけではない。結婚を前提に付き合って、将来的には結婚をして婿に入って欲しいんだ。」「婿養子ですか……」「親御さんが納得しないようなら、私が直接話をしに行ってもいい。」社長の言葉は、俺に寄り添っているようでいて、拒否の選択肢はないと暗に伝えており強引なものだった。社長の隣に座る璃子は、静かに俺の反応を待っている。「そんな……社長自ら足を運んでくださるなんてとんでもないです。ただ、現在結婚前提に付き合っている人がいまして……」俺は、佐奈の存在を告げてから言葉を濁した。出来ればここで社長が引き下がってくれないかと切に願ったが、ビジネスで勝ち抜いてきたこの男は、そんな簡単に交渉を終わらせる人ではなかった。「そうか、しかし日本の法律では結婚は一人としかできないからな。残念だが、今の人との結婚は諦めてもらうしかないな。」「諦める、ですか」
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-15
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10.佐奈と璃子、二人との出逢い

颯side 頭の中には、佐奈の笑顔が浮かんでいる。佐奈との出会いや璃子と初めて会った日のことを思い出していた。――――佐奈と付き合ったのは、五年前、俺がまだ役職のない平社員の頃だった。「あー英語でのビジネスメールって緊張するんだよな」俺が小さく呟くと、隣の席の木村佐奈が覗き込んで文章を見てきた。「松田さん、この表現なんですが現地では違うニュアンスに捉えられることもあり避けた方がいいかもしれません。単語もこちらの方がビジネス向きかと……」俺のことをサポートしてくれる後輩だったが、ビジネス向けの英会話や文書作成は佐奈の方が遥かに優れていた。それからは、先方に送る前に事前に佐奈にチェックしてもらうようになり、お礼に食事に誘ったのがきっかけで仲良くなっていった。一緒に働いていればお互いの性格も大体わかる。佐奈はどんなに忙しくても温和で、俺の苦悩や弱さを誰よりも理解してくれる。その包容力に惹かれていき、とんとん拍子で付き合うことになった。そして、付き合って四年目になる先日の交際記念日に俺からプロポーズをし、お互いの両親にも挨拶へ行こうと思っていた矢先の事だった――――――総務部の七
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-10-16
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