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All Chapters of Shhhhh Castle: Chapter 1 - Chapter 3

3 Chapters

Shhhhh Castle 1

 アイスクリームをつついている。小夜湖の夏の指の温度が銀のスプーンに伝わって硝子のお皿の中で溶けてゆく。瞳を閉じてのどをバニラが通って行く感触を楽しむ。 (はやく…逢いたいわ、月乎) ...アイスと同じぐらいあなたがスキよ。いいえ、アイスクリームよりあなたのを飲みたい。  内気な小夜湖は恋心を月乎に伝えられていない。片想い中だ。 月乎には…彼女が居る。情熱的な小夜湖はその事にはこだわっていない。 ふりむいてほしい…泣く人が居るけど、あたし、えらばれるならついて行く。  インターネットのサークルで小夜湖と月乎は知り合った。音楽好きが集うSNSの集まりだ。月乎の恋人である女性はメンバーではないが、あるオフ会の時に月乎が連れて来た。    小夜湖も月乎も離婚歴があり、成人した子どもがいる。月乎の娘は近くに住んでいるが、小夜湖の息子は県外に住んでいてなかなか会えない。  42才の小夜湖は幼稚な性格のせいか若々しく見られる。一方月乎は49才。月乎も50才前にはとても見えぬ程瑞々しい魅力の持ち主だ。 月乎の彼女は45才だという。地味で冴えない感じだ。 (なんでこんな人が良いんだろ)と内心小夜湖は嫉妬以前に疑問を持ったが、性格美人かもな、などと考えている。  小夜湖と月乎は友だちとして仲が良い。人の中に居てうまく話せない小夜湖にさりげない気遣いをしてくれる月乎。  彼女とは遠距離恋愛らしい。だからこないだは特別にオフ会に連れてきたのかな…?  実は小夜湖と月乎は友として食事にも行く仲だ。住んでいる街もわりと近い。 LINE交換もしていれば、電話番号も互いに知っている。 けれど、月乎に想いを告げられない。小夜湖は先に述べたようこだわりがないので彼女に遠慮などはしていない。けれど…恥ずかしいのだ。 (なんでかな~…あたしって... すでにお友だちだからかしら? 月乎とさ)もうアイスはすっかり食べて、ベッドに寝そべっている小夜湖。  仰向けになりボーっと恋煩いにひたっている。 グループのみんなで撮った写真をベッドサイドに飾っている。その中のどこに月乎が居るかなんて、もうすっかり憶えている。うっとり見つめる小夜湖…ベランダでは風鈴が揺れている。 (お外は暑そう... でも...)でも あたしの躰だって、火照ってるよ。8月のせいじゃ
last updateLast Updated : 2025-10-29
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Shhhhh Castle 2

 小夜湖と月乎は一緒にスーパーに入った。  月乎は焼き肉弁当におにぎり2つと野菜サラダも買った、500mlのノンアル2缶と… 「飲みたいでしょ?」とちょっぴり子どもみたいな顔をしてノンアルを手にしたとき月乎は小夜湖に言った。 「もちろん」と小夜湖はウッキウキで答えた。  それにしてもやっぱり男の人って良く食べるのね~、と小夜湖は月乎のお食事の買いっぷりを見、少しその逞しさになんだか恥じらう心地がした。  ふたりで「なかなかの品ぞろえだよねこの店」だなんて他愛のない話をしつつスーパーを出た。 「あ、小夜湖のマンションって駐車場あんの?」「ううん、ないの。すぐそばにわりとお安いコインパーキングがあるよ」「あ、そうなんだ、じゃあ場所おしえて」「うん!」スマホで地図を見せる小夜湖。 それをみて月乎は「ああ、このスーパーから小夜湖の家ってほんと近かったんだ~」と微笑む。 「じゃあ…あたし自転車で帰るね! どっちが早いかな? 車の月乎に決まってるかキャハ♪」 「そうだね、信号に引っかからなければ早いだろ」と笑顔の月乎。 「じゃあ駐車場で待ってて。あたしマンション前に着いたらすぐ電話するよ!」 「オッケー」  風を切り夕方の道を自転車で帰る。月乎が待ってるだなんて。ドキドキが止まらない。帰途の途中の民家でおばあさんが水を撒いていた。ひんやりした風が素足に心地よい。 (なにかあったらどーしよ! なにかあってほしいな、子どもじゃないもん! …って焦りすぎねフフフ♪)  着いた~。自転車を止めすぐに月乎に電話。月乎はすぐに電話に出た  …そういえば、とその時も思った。小夜湖はこれまで思わないでもなかった。 (あたしと月乎が一緒に過ごしてる時って、月乎の彼女さんから全く連絡がないな…? スマホの電源切ってんのかな? なんだろ...)ふとその時も思った。なんにしても小夜湖にとっては邪魔されたくないからそのうほうが良いの。 「やっぱオレが一番乗りだったな!」「うふふ! ほんとね、迎えに行くよ、月乎」「その必要なーし! オレはここ~!」 見ると駐車場の運転席から月乎が手を振っていた。 「あ、そか、パーキングからマンション見えるんだったね、あたしったら、なんだか落ち着きなくしちゃってるよ、楽しいのよ! 月乎♪」「ほんと? オレもだよ、じゃ降りるね。すぐ行く
last updateLast Updated : 2025-10-29
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Shhhhh Castle 3

「麦茶、美味し~」ひとりごとのように小夜湖。月乎はニッコリして 「うん」そして、話し始めた… 「オレね、サークルやめようと思うんだ」…。  …小夜湖は自分が悪いわけじゃないと判っているのに、なんだか自分のせいで月乎の趣味を奪ってしまった、そんな罪悪感に駆られた。 「月乎…あたし…」「ン? 小夜湖?」「ごめんね、なんだか…」  月乎は小夜湖を筋肉のあるしなやかな左腕で引き寄せた。 「小夜湖が謝ることじゃないよ。オレ自身が、あんまり…。興味を失くしただけ。あそこに費やす時間があるならオレ…小夜湖と居たいよ。」  花が咲くような表情を隠しきれずに「ほんとう?!」と小夜湖。 「うん」 「月乎…死ぬほどスキ」しどけなく小夜湖の口から漏れ出た。  それを聴いて月乎は「小夜湖、マジで死んだりしたら許さないからな!」と強い瞳で見つめ、唇を奪った。  ふたりの唾液の交歓は糸を引きながら続く。 「ベッド…いき…たぃ」小夜湖がやっと伝えた。 「うん」  ふたりは手を繋ぎベッドのそばに立った。向かい合い脱がせ合う。  もうガマンできないとばかりに月乎が紅い小夜湖の上衣をはだけさせた。そして白く華奢な肩をむき出しにさせ、ベビードールの前リボンをほどいた。 ほどく前から小夜湖の敏感な乳首が立っているのはバレてしまっていた。  そして小夜湖の肩ひもをずらす月乎。するりと小夜湖を包んでいたベビードールがおち、食べごろの果物のような躰が露わになった。  小夜湖はその肌を隠すかのように一度月乎の胸にもたれた。そして直後、月乎のTシャツを脱がせた。裏っ返しのままそこに落ちた。  下を見ると、月乎の興奮状態は一目で見て取れた。 「こんなになってる...月乎、あたしの躰、好き?」小悪魔っぽく云ってみた。 「ああ! たまらないよ、小夜湖。意地悪云っちゃだめだよ? 知ってるくせに…」 すると月乎は待ちきれず短パンと濡れてシミの付いたパンツを自ら脱いだ。 小夜湖は月乎にちょっぴり激しくベッドに押し倒された。そこから浴びせられるキスの嵐。唇からつま先まで吸われたり舐められる。耳に口づけられたときは、月乎の荒く熱い吐息が大きく聴こえた。蕩ける! だめ!! 「あぁん、月乎、月乎、あたし恥ずかしいわ、ヘンになっちゃいそう!」  月乎の男の部分はさらに先がぬるぬるしていて
last updateLast Updated : 2025-10-29
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