その後の日々、蓮と律は、時折私の仕事場にふらりと現れるようになった。最初は正直、うんざりしていた。何度も何度も、二人を追い出した。だが、彼は仕事の進捗確認のためだと言って、居座り続けた。そのうち、私は気にしなくなった。無視するようになったんだ。蓮は忙しいのか、訪れるたびにスマホで仕事を処理していた。律は、彼のそばでおとなしく座り、騒がず、ひたすら絵を描いていた。ふと目に入る彼の絵のほとんどは私だった。彼を抱きしめている私、彼の手をつないでいる私、一緒に食事をしてはしゃいでいる私……時々、自分が彼に対し冷酷しすぎたのではないかと考えるが、彼が幼い頃に見せたあの嫌悪の表情を思い出すと、また胸がぎゅっと締め付けられた。その後、おそらく会社からの圧力もあってか、蓮は毎日来るのをやめた。代わりに、律が一人でこっそりやってくることが増えた。彼は随分成長し、感受性も強くなってか、自分がママに好かれていないことを理解していた。だからただ静かに座り、私の姿が見られればそれでいいと思っていた。私が仕事場の子猫をからかっていると、彼は羨ましそうに見つめ、首にかけたお守りを手のひらで握りしめた。あのお守りを覚えている。律が一歳の時、高熱が下がらず、ほぼ毎日病院に通い、泣き叫んでいた。私は胸が張り裂ける思いで、近所の山の中にある寺がご利益があると聞き、一歩一礼しながら彼のために祈って授かってきたものだ。その後、お守りを身につけると、彼は奇跡的に回復した。その経験以来、私は律の食事に特に気を遣い、栄養バランスのとれた食事を作り、ジャンクフードを控えさせた。しかし彼はこのことで何度も私に文句を言い、「あれもダメ、これもダメ」と私を責めた。蓮ですら、私が過保護しすぎて、息子の楽しみを奪っていると律のことを庇った。その後、蓮が寧々と遊びに出かけた時、彼女が「お守りをつけていると写真が映えない」と言ったから、律は父親にお守りを外させ、それ以来つけることはなかった。しかし、再び彼がそれをつけているとは。純子は、律の小さな顔に浮かぶ悔しさと悲しみを見て、思わず胸を痛めた。「佳奈さん、二人は必死にあなたを振り向かせようとしているんですよ」私は気にも留めなかった。「人は疲れるものよ。追いかけるのに疲れた
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