初めてのデート。 街をブラブラ歩いてからディナーを食べに行くので、今日は、車ではなくタクシーを使った。 ──と言うことは、今日は、りっくんも呑むんだな。楽しみ〜 2人で手を繋いで街を歩くことが出来る喜び。 それだけで、ニコニコしてテンションが上がる。 時々止まっては、お店に入る。 陸人さんは、ニコニコしながら、私を見ている。 ブティックに入ると、 「コレどう?」と、洋服を自分の胸に当ててみると、 「うん、似合ってる」と微笑みながら言う。 「じゃあ、コレは?」と聞くと、 「うん、似合ってる」と微笑む。 「全部似合うわけないじゃない!」と言うと、 「菜月が選ぶ物は、全部似合ってる! 俺が買うよ」と言ってくれるが、特別欲しい物ではないので、 「大丈夫」と言うと、 「迷ってるなら、両方買うか?」と言った。 「ううん」 ──そうじゃない そして、悪戯心で、 「じゃあ、ココからココまで全部買ってもらおうかなあ〜」と笑いながら言うと、 「よし、買おう!」と言う。 「え? 嘘! 冗談よ」と、こちらが焦ると、 「なんなら、店ごと買ってやるぞ」と言う。 「いやいやいやいや、大丈夫だから」と言うと、 笑っている。 この人なら本当に買ってしまいそうで怖い。 きっと私が驚いているのを見て楽しんでいるんだ。 私は、慌てて、 「次行くよ」と言うと、 「ん? 買わないのか?」と言う。 「うん、大丈夫」 コレ以上居たら、お店の人に迷惑がかかると思った。
Last Updated : 2025-11-23 Read more