婚約者に裏切られ、親友にも裏切られた私が後に掴んだ幸せは…

婚約者に裏切られ、親友にも裏切られた私が後に掴んだ幸せは…

last updateDernière mise à jour : 2025-12-20
Par:  心優(mihiro)Complété
Langue: Japanese
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菜月(ほったなつき)28歳と、婚約者の中嶋卓人(なかじまたくと)28歳は、同じ会社の同期で、交際3年が過ぎた。1年前に卓人からプロポーズされ同棲中。親への挨拶も済ませて、来月挙式披露宴を行なう。 結婚間近なのに、どうも卓人に違和感を感じている菜月。片時もスマホを離さない。たまたま見てしまったスマホ画面に、怪しいメッセージのやり取り!デートの約束をしているようなので、1人では怖くて大学時代の友達、美緒(みお)に相談。そして、目撃してしまった浮気相手。 その後、美緒に紹介された美緒の会社の上司が社長だと知り驚く。その社長、久慈陸人(くじりくと)さんに助けられ、卓人とは婚約破棄。そして、陸人さんと恋に落ちてしまい、どん底からの大逆転劇へと発展する。

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Chapitre 1

第1話 違和感

「卓人〜! ゴミだけ出して行ってくれる?」

「おお〜分かった! じゃあ俺、先出るわ」

「うん、気をつけてね〜」

「おお」

バタン

ドアが閉まる音に、ぎゅっと胸が締め付けられて切なくなる。

──どうして先に行くかなあ〜

以前は、ずっと一緒に出勤してたのになあ〜

「あ、私も早く支度しなきゃ」

堀田菜月ほったなつき28歳 会社員(商品開発職)

先に玄関から出て行ったのは、

中嶋卓人なかじまたくと28歳 会社員(営業職)

私たちは、同じ会社の同期で、3年前から交際している。

入社当初は、同期の1人という認識しかなかったが、同期会で何度も会ううちに、意気投合したのだ。

2年付き合ってから同棲を始めて1年が過ぎようとしている。

1年前に、ようやく結婚する意思を固めたのか、プロポーズされ、お互いの親への挨拶も済ませ、

来月、婚姻届を提出して結婚式を挙げる。

しかし、結婚間近だというのに、最近、卓人の行動に違和感を覚え始めたのだ。

マリッジブルーなのか?

女性だけでなく結婚前の男性にもあるようだ。

ただの気の迷いかと思っていたが、どうも女の影が見え隠れしている。

そのせいで、私は色々詮索するようになってしまった。

今までなら卓人のスマホは、常にテーブルの上に置きっぱなしで、スマホ画面が見えるように上向きに置いていたのに、わざわざ下を向けて画面が見えないように置くようになった。

それに、最近ではバスルームにも、トイレに行く時もどこへ行くにも片時も肌身離さずポケットに入れて持ち歩くようになっている。

明らかに怪しい行動。

いくら鈍感な私でも気付く。

ある日、卓人がスマホを手に持ったまま、リビングでウトウトし始めた。

その時に、見えてしまったスマホの画面! 誰かとのメッセージのやり取りだ。

最初は、驚いて手が震えたが、それを私は冷静に自分のスマホで写真に撮っていた。

相手は、A会社Mさんという名前にしているようだ。本当かどうかは、分からない。

〈今度は、いつ会える?〉

〈土曜日なら大丈夫よ〉

〈じゃあ、又滑り台のある部屋に行こうな〉

〈また真っ裸で滑る?〉

〈もちろん! 気持ちいいからな 笑〉

と言うやり取り。

──何これ? ラブホテル? 気持ち悪い!

私とは、そんなラブホテルの部屋に行ったことなどない。

──週末に、会うんだ!

と思った。

今まで無頓着だった身なりも急に気にするようになった。特に下着を新調している。私が洗濯しているのだから、嫌でも目にする。

付き合い始めた頃は、そりゃあ少しは、気を使っていたのだと思うが、もう2年も経ち同棲を始めると、徐々に気が緩んで来たのか、部屋では寝癖は当たり前だし、オナラだって平気でするようになった。

そんな気の緩みも私には、全てを見せてくれているのだと嬉しかったのに……

1年前に、ようやくプロポーズ! 親にも紹介してくれて結婚式の日にちも決まったのに……

なのに、突然、変わってしまった。

選ぶ洋服の趣味が変わり、下着まで変わった。

平気で何年物かのゴムが伸びたようなパンツを履いたりしていたくせに、私が言ったせいか急にピチッとしたカラダのラインが分かるブランド物のボクサーパンツに変わった。

わざわざ鏡の前で「履き心地チェック!」とか言って、自分に酔っているようだった。

筋トレを始め少し筋肉もつけ出した。

極め付けは、『男性につけて欲しい香水ランキング1位』になった香水をつけるようになった。

自分の匂いを気にし出したのだ。

私は、その時に、

──あ〜この人、女が居る!

私じゃない誰かとお花畑に居るんだ!

と思ったのだ。

結婚間近なのに……浮気!

もう既に挙式披露宴の準備は、万端。

破談になれば、損害は計り知れない。

まだ、親には言えない。

──どうしよう

ただ遊びのつもりなのだろうか……

気づいてないようだが、ニヤニヤしながらスマホを見ながらメッセージを打っていることもある。

──許せない! 我慢出来ない……

もしかして、マッチングアプリでもしているのだろうか?

私に不満でもあるのだろうか?

なら、もう婚約破棄して、好きな女と一緒になればいいのに……

冷めてきている自分が居る。

でもまだ、今ならやり直せるかも……

淡い期待をしている。

恐らく28歳という年齢だから、彼はまだ良いが、私には後がないと思われているのかもしれない。

だから、バレてもきっと責められないとでも思っているのか?

ただ親にも紹介した手前、後戻りは出来ないと思っているのは、お互いそうなのかもしれない。

なら、遊びなんてやめて欲しい!

だから、いつかは辞めてくれるだろうと、この数ヶ月ずっと我慢して来たが、もう来月結婚するのに、辞めるどころかエスカレートしているように思える。

──もっと早くに、問い詰めれば良かった

認めるのが怖かったんだ。

もしかすると、相手は1人ではなく数人の遊び相手を確保しているのかもしれないとさえ思えて来た。

怖くて1人で確認することが出来ない。

私は、大学からの友達の美緒みおに相談した。

美緒には、結婚が決まってから半年前に彼を紹介している。

すると、

「え? そうなの? じゃあ真相を暴く?」と協力してくれるようだ。

美緒は、女の私たちだけなら出来ることが限られているので、美緒の会社の上司に相談してみる!と言ってくれた。

心強かった。本当は、こんな時どうすれば良いのかも分からないし、怖かったから。

そして、美緒がその会社の上司だという男性を紹介してくれて、協力していただくことになった。

「はじめまして、久慈くじと申します」

「はじめまして、堀田菜月ほったなつきです。お忙しいところ、申し訳ありません。よろしくお願いします」

なかなかのイケメン!

歳は、32歳だと言う。私たちの4歳年上だ。

私は、もちろんお手伝いしていただくと、お金をお支払いするつもりだったので、契約書を交わして欲しいと言ったが、

「そんなのは大丈夫! 俺は、こういうのが許せないから仲裁に入るだけだから」と言われた。

正義感の強い人なんだと思った。それとも、過去に何かあったのだろうか。

──甘えても良いのだろうか……

「ありがとうございます。私達だけだと不安だったので、とても心強いです」

こうして、私は、久慈さんの力を借りて、婚約者の真相を暴くことにした。

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第1話 違和感
「卓人〜! ゴミだけ出して行ってくれる?」 「おお〜分かった! じゃあ俺、先出るわ」 「うん、気をつけてね〜」 「おお」 バタン ドアが閉まる音に、ぎゅっと胸が締め付けられて切なくなる。 ──どうして先に行くかなあ〜 以前は、ずっと一緒に出勤してたのになあ〜 「あ、私も早く支度しなきゃ」 堀田菜月28歳 会社員(商品開発職) 先に玄関から出て行ったのは、 中嶋卓人28歳 会社員(営業職) 私たちは、同じ会社の同期で、3年前から交際している。 入社当初は、同期の1人という認識しかなかったが、同期会で何度も会ううちに、意気投合したのだ。 2年付き合ってから同棲を始めて1年が過ぎようとしている。 1年前に、ようやく結婚する意思を固めたのか、プロポーズされ、お互いの親への挨拶も済ませ、 来月、婚姻届を提出して結婚式を挙げる。 しかし、結婚間近だというのに、最近、卓人の行動に違和感を覚え始めたのだ。 マリッジブルーなのか? 女性だけでなく結婚前の男性にもあるようだ。 ただの気の迷いかと思っていたが、どうも女の影が見え隠れしている。 そのせいで、私は色々詮索するようになってしまった。 今までなら卓人のスマホは、常にテーブルの上に置きっぱなしで、スマホ画面が見えるように上向きに置いていたのに、わざわざ下を向けて画面が見えないように置くようになった。 それに、最近ではバスルームにも、トイレに行く時もどこへ行くにも片時も肌身離さずポケットに入れて持ち歩くようになっている。 明らかに怪しい行動。 いくら鈍感な私でも気付く。 ある日、卓人がスマホを手に持ったまま、リビングでウトウトし始めた。 その時に、見えてしまったスマホの画面! 誰かとのメッセージのやり取りだ。 最初は、驚いて手が震えたが、それを私は冷静に自分のスマホで写真に撮っていた。 相手は、A会社Mさんという名前にしているようだ。本当かどうかは、分からない。 〈今度は、いつ会える?〉 〈土曜日なら大丈夫よ〉 〈じゃあ、又滑り台のある部屋に行こうな〉 〈また真っ裸で滑る?〉 〈もちろん! 気持ちいいからな 笑〉 と言うやり取り。 ──何これ? ラブホテル? 気持ち悪い! 私とは、そんなラブホテルの部屋に行ったことなど
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第2話 真相
最初は美緒も同席して、3人で一緒に話をしていたが、 「もう私抜きで連絡取ってもらっていいから」と言って途中で帰ってしまったので、私は久慈さんと連絡先を交換し、直接連絡を取ることにした。 とりあえず、彼氏のスマホメッセージを撮影していたので、見てもらうことに。 「あ〜コレは……」 「浮気してますよね?」と言うと、 「う〜ん、恐らく! この滑り台のある部屋ってラブホテルのことだろうな」とおっしゃる。 ──やっぱり…… 「こうなったら、証拠の動画を撮るしか……」と、そのメッセージにある日時に、卓人を尾行することにした。 しかし、私が動くとすぐにバレるだろうと、卓人が知らない久慈さんが尾行してくれることになったのだ。 そして、土曜日当日。 美緒は、予定が入っているので、来られないと言うので、 〈分かった! 忙しいのにごめんね。またお願いね〉とメッセージを送った。 土曜日は、基本、卓人も私も仕事はお休み。 2日前の木曜日に、 「あっ俺、土曜日、友達と呑みに行くから晩ご飯は、いらないや」と言われた。 ──!! だよね…… 「そう! 分かった。友達って?」と、一応聞いてみた。 「あ〜大学の時の友達だから、菜月はまだ知らないよな」と言われたので、 「じゃあ、来月の結婚式の日には、会えるね」と言うと、 「あ〜アイツら、どうだったかなあ? 忙しそうだし来れるか分かんないみたいだけどな。だから、土曜日会って来るわ」と、右上を見ながら必死で言葉を探している。 明らかに、嘘だと思った。 右ききの人は、嘘を吐く時、右上を見る! ──嘘に嘘を重ねる 卓人! 1つ嘘を吐くと、また嘘が増えるんだよ それに、もう来月の結婚式は、恐らく無くなるのだろうと、思っていた。 もし、この事実が明るみになれば、きっと私の両親は怒り狂って冷静では居られないと思うから。 久慈さんからも、 「もしもの時の為に、家を出る覚悟と準備だけはしておいてください」と言われた。 更に、夜に呑みに行くと言っていたくせに、当日になって、 「ごめん、朝早くに地方から出て来た奴が居るから、早めに出るわ! 行って来ま〜す」と、卓人は呑気にお昼前に出て行った。 そして…… パタン このドアを閉める音を聞くのも今日が最後になるのかもしれない。 私は、すぐに久慈さんに連絡を入れ
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第3話 終わり
1時間ほどして、私たちはカフェから外に出た。 そこから更に1時間ほどした時、2人がラブホテルから腕を組みながらノコノコと出て来た。 当然、証拠の為、久慈さんが動画撮影を開始してくださった。 そして、私たちは2人の前に現れた。 その時の卓人の顔と言ったら…… 「菜月! どうして?」 慌てて自分の腕に絡ませた美緒の腕を離させている。 でも、美緒は、あっけらかんと、 「バレちゃった」と笑っていた。 その時に、わざとだと思った。 私が卓人を美緒に紹介した半年前から美緒は、私たちを嵌めようとしていたのだとも思った。 ──友達だと思っていたのに…… 「どういうこと?」と卓人に聞いた。 「あ、いや誤解だよ! 話してただけだから」と言った。 往生際が悪い。もう美緒は、バレちゃったと言ったのに…… 「証拠があるから」と言うと、 「何の?」 「卓人がメッセージを開いたまま寝てたから、私は今日の事を知るハメになったんだから!」と言うと、 「いや、だから何もないよ! 話してただけだよ」 と平気で嘘を吐く。 「滑り台のある部屋なんでしょう?」と言うと顔色が変わった。 ──最低だ! 「ラブホから腕を組んで出て来て、話してただけだなんて通りませんよ」と久慈さん。 「え? こちらは?」と久慈さんのことを聞いた。 すると、美緒が、 「ウチの社長よ、私が紹介したの〜」と悪びれることなく言った。 「初めまして、鷺野の会社の代表をしております。久慈と申します」とおっしゃると、 「え? どうして美緒の会社の社長さんが……まさか菜月と付き合ってるんですか?」と言った
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第4話 久慈さんという人
卓人のこと、大好きだった頃もあったのに…… じゃなきゃ結婚なんて決めない。 なのに、もう今は、憎しみしかない。 この数ヶ月間、ずっと不信感しかなかったからだろう。 それが確信になっただけ…… 今頃になって、泣けて来た。 「ウウウッ」 ──悔しい! なんだったんだろう、この3年間 卓人から何度も電話が入っていた。 メッセージも何通も……とりあえず、証拠として、 スクショを撮って、ブロックした! しばらくすると、玄関の鍵を開ける音がして、 「ただいま〜」と、久慈さんが、帰って来られた。 慌てて涙を拭った。 「お帰りなさい! ありがとうございました」と、 玄関まで行くと、 「コレですよね?」と、 「はい! お世話おかけしました」とお礼を言った。 そして、 「美味しそうなシュークリームが売ってたので、おやつにしましょう」とおっしゃったので、驚いた。 「え?」 「ん? お嫌いですか? シュークリーム」と、おっしゃる。 「あ、いえ好きです」と、キョトンとした顔で言うと、 「良かった」と、満面の笑みを浮かべられた。 ──こんなに優しい顔で笑われるんだ と思った。 そう言えば、最初お会いした時から、話題が話題だったものだから、お互い笑顔なんてなかった。 初めて見る笑顔、優しくて爽やかな笑顔なんだ。 こちらも思わず笑顔になれた。 私も久慈さんの前で、初めて笑ったような気がする。 そして、お皿に乗せて出してくださった。 「はい、どうぞ」
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第5話 弁護士事務所へ
『はいはい、そうだね〜ま、どっちでも良いけど、今から来る? それとも明日になっちゃう?』と、おっしゃる山下さん。 「体調大丈夫ですか?」と私に聞いてくださる久慈さん。 「はい、体調は大丈夫です。急いだ方が良いなら」と言うと、 『うん、出来れば……』と、山下さん。 「じゃあ、今から行きますか?」と久慈さんに聞かれ、 「はい、よろしくお願いします」 結局、私は両親に連絡を入れ、今から弁護士事務所で手続きをしてから帰ると連絡を入れた。 母に、『1人で大丈夫?』と聞かれたが、これまでずっとお世話になっている、久慈さんに付き添っていただいて、顧問弁護士さんの事務所へ行くのだから大丈夫と伝えた。 すると、久慈さんが、 「手続きの後、ご実家まで責任を持ってお送りします」と言ってくださったが、 父が『やっぱり心配だから、私たちも今から向かいます!』と言ってくれた。 「分かりました。では、お待ちしております」と、言って住所を教えてくださった久慈さん。 確かに両親からすれば、いきなり娘から破談の話を聞かされ、しかも、知らない男の人と一緒に居る娘が、更に弁護士事務所という場所へ連れて行かれる。 心配しないわけがない。 「すみません、大勢で押し掛けることになってしまって」と言うと、久慈さんは、 「いえ、ご両親が心配されるのは、ごもっともです。配慮が足りず申し訳なかったです」と、逆に謝ってくださった。 「いえ、こちらこそ何から何までお世話になって」と言うと、 「いえ……」と頭を下げておられる。 こんなに素敵な社長さんを困らせた美緒が許せなかった。 ──あれ? どうして私、久慈さんの立場から美緒を見てるんだろう? それ以前に私の婚約者を寝取った最悪な友達だったのに……もう友達でも何でもないけど…… 久慈さん
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第6話 いよいよ
山下さん、久慈さんにお礼を言って、私は両親と共に実家に帰った。 実家を出て、卓人と同棲して1年。 年末年始には、帰って来ていたから、私の部屋は、そのままにしてくれている。 『夕飯が出来るまで部屋で休んだら』と母が言ってくれたので、甘えることに。 まだ、私の部屋には、卓人との思い出がたくさんあった。 私は、ゴミ袋を用意して、卓人との思い出を全て袋に投げ入れた。 涙がポツリ、ポツリ……頬を流れ落ちて行く…… でも、こうして全てを清算することで、涙と一緒に卓人とのことを切り捨てた。 ──バカ野郎! クズ! 私の3年間を返せ! この数ヶ月、私がどんな気持ちで過ごしていたと思ってるの? そんなことを嘆いても今更どうしようもない…… 分かっている! でも、泣くことで、私は全てを終わらせた。 何年分の涙を流しただろう。 ──きっと明日は、目が腫れるだろうな そして、私は、卓人とのことを断ち切り、 美緒とのことも断ち切った。 ──私には、仕事が有る! 心配してくれる家族も居る! 力になってくれる人も居る! だから、大丈夫! 「前を向いて歩こう!」 そう決めた。 そして…… どこから、どう回ったのか? 卓人の父親から実家に電話が入ったようだ。 『息子が大変な事をしでかしまして、誠に申し訳ございません』と謝罪の電話だったようだが、さほど遠い場所に住んでいるわけでもないのに、直接謝罪に来るのかと思いきや、電話で済まそうと、それにも父は、怒っていたが、 『もう一度、考え直して欲しい! たった一度の過ちだから、本人も反省している』との事を言われたようだ。
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第7話 実家へ
──翌朝 久しぶりの実家、 なかなか寝付けなかった。 ほとんど寝ていない。 ダラダラ9時頃まで過ごし、そろそろ起きなきゃと、ボーっと1階へ降りたが、誰も居ない。 〈買い物に行ってくるね〉と、ホワイトボードに、 書かれた母の文字。 「フッ」 ──お母さん変わらないな いつも帰宅の遅い私への連絡は、このホワイトボードだった。 顔を洗って、コーヒーを飲む。 癒される犬と赤ちゃんの動画を見る。 ほっこりした気分になれるから好きなのだ。 洗濯でもしようかと、洗濯機を見ると、既に昨日の分は、洗って干されている。 申し訳ない気持ちと有り難い気持ちになる。 ──着替えて、掃除ぐらいするか 何かしていないと、余計なことを考えてしまうから。 1階は、母が既に掃除機を掛けたのか、ゴミは落ちていない。 ならば拭き掃除をしよう! あちこち拭いて回る。 ──そうだ! 自分の部屋、久しぶりに帰って来たし拭かなきゃ それでも、いつも母が掃除してくれているのか、綺麗が保たれている。 細かいところも拭こうと、掃除に励んでいると…… インターホンが鳴った。 ちょうど2階の窓を開けていたので、下を見ると、卓人と卓人のご両親が居た。 「え?」 ──どうしよう! 私は、思わず窓の下にサッと隠れた。 「ごめんください!」 「菜月! 居るんだろ?」 「すみませ〜ん」 と、3人で呼んでいる。 私は、怖くて息を潜めていた。
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第9話 手料理と告白
ベランダでのティータイムを終え、私は部屋でしばらく荷物の整理をしながら過ごした。 リビングに戻ると、久慈さんがいらっしゃった。 久慈さんと初めて一緒に過ごす夜は…… 「疲れたでしょう? 菜月さん! 苦手な食べ物は、有りますか?」と、聞かれ、 「いえ、特には」と言うと、手料理を作ってくださると言うのだ。 私は、男性にお料理を作ってもらったことなど無く、それだけでとても感動していた。 ビシッと黒いエプロンを着けながら…… 私がそれをマジマジと見てるものだから、 「お恥ずかしい! 手料理と言ってもカレーですよ」と、おっしゃったが、その手際の良さと出来栄えを見て私は驚いたのだ。 何かお手伝いをと、久慈さんに確認しながら、お米を研いでご飯を炊いた。そして、お皿やスプーン、グラスの用意をしただけだ。 「凄い!」 思わず、 「写真撮っても良いですか?」と聞いていた。 「ええ、何だか照れるなあ」と、微笑んでおられる。 夏野菜カレーだ。 茄子、ズッキーニ、パプリカを素揚げして、挽き肉と玉ねぎを炒めて作ったカレーに添えてある。 「オシャレ〜」と、ニコニコしながら、写真を撮る。 そして、2人で 「「いただきます」」 少しスパイスの効いた辛口のカレーだ! 夏にピッタリで、とても美味しい。 「美味しい〜!」と自然に笑みが溢れる。 「良かった」と、ホッとされたようで、久慈さんも食べておられる。 「凄いですね! お料理が出来るなんて」と、思わず言っていた。 「まあ、1人暮らしが長いですからね」と、おっしゃった。 結婚しようと思っていた女性とは、どのくらい一緒に過ごされていたのだろ
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第10話 決着の月曜日
「じゃあ、鍵閉めて、気をつけて行けよ」と、 頭をポンポンされる。 「うん、行ってらっしゃい」 「行って来ます」 チュッと軽くキスをする。 「気をつけてね」と手を振る。 陸人さんは、社長さんだから毎朝、迎えの車が来るようだ。 ──あれ? そう言えば何の会社? 美緒って何の会社に勤めてたっけ? あっ、又イヤな名前を思い出してしまった…… 今夜ゆっくり陸人さんに教えてもらおう。 私は、今日、山下さんの言う通りに、午後からの出勤にした。 卓人が会社側から事情を聞かれて自宅謹慎になるまで、顔を合わせることは出来ないからだ。 山下さんから、 〈おはようございます! 今日は、午後から出勤ですよね?〉と確認メッセージが届いた。 〈おはようございます。はい〉と返すと、 〈お昼までには、郵便が届くはずなので、しばらくそこで我慢していてくださいね〉と…… 〈分かりました〉 お昼まで時間が出来たので、洗濯機を回して、 晩ご飯も作っておくことにした。 陸人さんに、 〈洗濯しちゃったから、クリーニング屋さん、断っておいてね〉と送ると、 〈ありがとう〜〉と、返って来た。 そして、私はふと思った。 〈どこに干すの?〉と聞くと、 〈ベランダには、干せないから乾燥機まで掛けるか浴室乾燥〉と返って来た。 「やっぱ、そうなんだ。高層階だからベランダのない階もあるものね」 〈今日は、遅くなる日?〉と聞くと、 〈いや、今日は、そんなに遅くならないと思う〉 〈分かった! 私もなるべく早く帰るね。晩ご飯作っておくから、要らなきゃ明日でも良いよ〉 〈
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