マルコさんの手が、俺の太ももに触れる。 俺は首を傾げてマルコさんに尋ねた。「あの、マルコさんもだけど貴族ってスキンシップが普通なんですか?」 疑問をぶつけると、マルコさんははっとした顔をした後俺の顔をじっと見て、にやり、と笑う。 なに、その笑顔。ちょっと怖いんですけど?「まあ、うん。そうだよ。だからこう」 と、ふざけた口調で言い、マルコさんは俺の首に腕を絡めてくる。 驚いて俺は声を上げ、危うくグラスを落っことしそうになる。「うわぁ!」「こういうことも普通だよ」 そう言いながら、マルコさんはニヤニヤ笑い、テーブルに手を伸ばす。そしてクッキーを摘まむとそれを俺の口もとに持って来て、「はい」 と、言った。 これは喰えって事か? 俺は戸惑いつつ、唇をゆっくりと開く。薄く開いた唇の隙間にすっとクッキーが挿し込まれ、その唇にマルコさんの指が触れる。 本当にこれ、普通なのか? 不審に思いながら俺はクッキーを食む。チョコチップが入っていて、甘くておいしい。 もごもごとクッキーを食べてると、マルコさんは突然吹き出す。「君相手だと本当、僕も距離感バグっちゃうかも」 なんて言って、すっと離れていく。 距離感バグるってどういうことだ? よくわかんない人だなぁ、と思いつつ、俺はお茶を飲んだ。 マルコさんはクッキーを摘まみ、それを口にした後言った。「大学の休みって長いよねぇ」「そうっすねぇ。妹は宿題があって大変みたいだけど、俺、何にもすることなくて」「せっかくだから旅行してみるのもいいと思うけどねぇ」「旅行かぁ……」 それは心揺れるけど、でもどこかあるのかなって思うと何にも出てくるわけがない。だって、この国の事、あんまり知らねえし。 この間、エドの別荘で山いったしな…… 俺はじっと、窓の方を見つめて言った。「海……」「あぁ、海かぁ。いいねえ、海」「海水浴ってやりますか?」 そう俺が言うと、マルコさんは肩をすくめた。「海で泳ぐまではしないなぁ。子供の頃は海辺で水遊びしたけどねぇ」 そうなんだ。俺、ルカの記憶でも水遊びの記憶はあるけど泳いだ記憶、ないんだよな。ってことは水泳があんまり一般的じゃねえのかな。 俺自身、あんまり海になじみがあるわけじゃないけど、夏だし、海みたいかも。 でもこの辺って海、あるんかな? ちょっと
Last Updated : 2026-01-13 Read more