Lahat ng Kabanata ng 王太子に転生しましたが、なぜか悪役令嬢に土下座する羽目になりました: Kabanata 11 - Kabanata 20

30 Kabanata

第11話【近いうちは翌営業日】

【書記官 ジュゼッペ視点】「外務卿《がいむきょう》、お呼びでしょうか」 この日の昼下がり、私は外務院《がいむいん》に呼び出された。 どうしたのだろうか。「モンペリエ王宮書記官《おうきゅうしょきかん》、突然ですまない。実は、外交文書《がいこうぶんしょ》がルイッツホーフ公爵家宛《こうしゃくけあて》に送られてね」 ルイッツホーフ家。 我が王国でも有力な公爵家。 その令嬢《れいじょう》であるユリアナは、先日まで王太子《おうたいし》であるレオポルド殿下《でんか》の婚約者《こんやくしゃ》だった。「何か問題があったのでしょうか」 王家から出された国内の公爵《こうしゃく》や侯爵《こうしゃく》宛の外交文書は、外務院を通して出される。 それ自体は問題ない。「ああ。その外交文書は、レオポルド殿下《でんか》から公爵令嬢《こうしゃくれいじょう》のユリアナ嬢|個人《・・》へ届けられていてね」 婚約破棄した関係であるが、何故個人宛に外交文章が。 確かに何か問題が起きている可能性がある。「先程、ルイッツホーフ家使用人のサルチャク・ウール氏より、外交文書から私信《ししん》への取り下げを要請してきた。回答は公爵家の規則《きそく》に則《のっと》って明朝《みょうちょう》までにすると」 外交文書を私信にしてほしい? どういうことなんだ。「封筒は外交文書用だったし、王家の正式な印も押されていた。だから、そのまま送ったんだが」 もしかして間違えたのだろうか。 実物を見ていないので分からないが。「侍女のレーナ・ニコシアが、封筒と印から判断して届けたらしい」 変に質問しないよな。 完璧に形が決まっているなら、信じるだろう。「殿下に状況を確認して、こちらに伝えてほしい」「分かりました」 面倒《めんどう》なことになったな。 だがやらないと。(形式だけが先に走る。それが一番、厄介《やっかい》だ) とりあえず王宮
last updateHuling Na-update : 2026-05-01
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第12話【宰相からの説教】

「講習会《こうしゅうかい》ですが、明日でよろしいでしょうか?」 ユリアナ嬢からの返信を受け取った後、クレア嬢からはそう言われた。「そうだな」 夕方遅くになっているから、クレア嬢も疲れているはず。 また拒絶したら、俺を巻き込んで転生されそうだ。 俺自身も疲れているから、明日で良いな。うん。 そう思って、机の上の書類などを片付けていく。「殿下、デメルジス宰相閣下《さいしょうかっか》がお呼びです」 するとガスペリからそんな伝言が。 宰相から呼ばれるって、何かしたのだろうか。 いや心当たりがあるとすれば、アレ《・・》なんだが。「どういった理由だ?」 ガスペリに問いかける。「それは、今日送った封筒についてのものだと」 返ってきた返事は、やはりそうだった。 流石に呼び出されるよな。 とはいえ、事務ミスの確認だろう。「分かった。下がっていい」 俺は頷《うなづ》いて、彼を出ていかせる。「では、殿下。本日は失礼します」「ああ。明日……頼むな」 クレア嬢も同時に俺の執務室を後にしていた。 苦笑いしながら、彼女を見送った。 そして俺は執務室を出ていって、宰相の執務室へ。「失礼します。レオポルドです」「どうぞ」 執務室には宰相が椅子に座って、仕事をしていた。「座りなさい」 宰相は応接用のソファに座らせる。 机の上には空のカップとポットが。 彼はゆっくりとポットから紅茶を入れて、差し出した。「飲め。喉が渇いていると、人は余計な言葉を使う」 そう言われて、俺は身構《みがまえ》てしまった。 デメルジス宰相は、重要な話をする時に紅茶を用意するから。 俺は恐る恐る飲んでいく。 味は分からなかった。ただ温かさだけが、喉《のど》を通った。 飲み干すくらいには、熱く
last updateHuling Na-update : 2026-05-02
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第13話【今回は完璧だったはずなのに】

 ユリアナ嬢からの返信が届いた次の日。 封筒を間違えた上、宰相《さいしょう》に怒られたので、疲れを感じながら熟睡した。 本当、よく眠れたよ。 という事で、執務室にてクレア嬢の講習会三日目が行われていた。「お二人、本日もご一緒ですね」 侍女のレーナが紅茶のカップを置きながら、そう呟《つぶや》いていた。「講習をしないといけませんから」 はっきりとクレア嬢はそう言い放った。「見学してもよろしいでしょうか?」「君も見るのか?」 レーナがそう問いかけているが、俺達は転生前の知識もあるんだが。 その部分に関しては、大丈夫なのか?「はい、気になりまして」 微笑《ほほえ》みながら、そう話していた。「昨日は誤って、殿下の封筒を外務院《がいむいん》に届けてしまいましたし」 そうだったよな。 彼女に渡していたから、昨日の騒動《そうどう》になったんだっけ。「良いんだ。外交文章用の封筒に入れたからな」 俺が悪いからな。 宛名《あてな》で内務局《ないむきょく》に届けるように判断してくれって、分かるわけないから。「それもありますので」 だから聞きたいんだな。「少々専門的なお話もしますが、よろしいでしょうか?」「問題ありません。質問もしないので、邪魔《じゃま》はしないかと」 クレア嬢はそう訊いていたが、レーナは同意していた。「分かりました」 頷《うなづ》いて、レーナは部屋の端で傍観《ぼうかん》したのだった。「さて、昨日や一昨日の続きといきましょうか」 メモや本を持ちながら、彼女はこの講習会を始めていった。「お願いする」 机には書き取り用の紙が。手にはペンを持つ。 これって、高校生だった時を思い出すな。 まあ、王太子しても俺付きの教師から教えてもらっていたので、同じなんだが。 そう思っていると、クレア嬢は長った
last updateHuling Na-update : 2026-05-03
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第14話【覚悟の始まり】

【ユリアナ視点】 外交文書《謝罪文》を受け取った次の日に、またサルチャクより殿下からの封筒を受け取った。 今回は私信用の封筒に、正式印を使っていない。 間違えていないようね。「完璧な手紙……殿下は本当に変わろうとしているのね」 正しい内容で、非の打ち所がない。 わたくしに対して、考えているのがはっきりと分かる。 丁寧な書き方をしていて、距離を尊重している。「わたくしを傷つけないようにしているのね」 傷つけない文章で、選びもしない文章にしている。 殿下はわたくしのために、考えようとしている。 だけど、逆にわたくしを逆方向から見てしまっているような。「おかしいですわね……」 手紙を読み終えた瞬間、頬に水滴が落ちた。 雨など降っていないのに。 わたくしは、いつの間にか涙を流していた。 今まで殿下のことで泣いたことなどなかったのに。「疲れているのね」 わたくしはこの気持ちを誤魔化した。 そんなの、出来るはずないのに。「返信しないといけませんわね」 一晩経って、わたくしは返信を書くことに決めた。 外交文書に返信した時と違って、何度も読み返して涙が止まりませんでしたから。「まず、手紙に対する返信を」 わたくしは、感情を出さず事務的な返信をする。 今までと違う感じになっていますが、心は入れられなかったから。 入れると涙が出そうになるから。「涙は見せてはいけませんわ」 一枚目を書き終わった後、わたくしの気持ちを伝えるために二枚目を手に取った。 わたくしは涙を流してはいけないと思って、簡単に。『完璧な距離は、誰も傷つけません。そして、誰にも届きません』 それはわたくしの心すらも揺らそうとしていた。 この言葉がそっくりそのまま返ってきているかのように。 封筒に入れた瞬間
last updateHuling Na-update : 2026-05-04
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第15話【変わった証拠、最初の公務】

【ユリアナ視点】 朝、わたくしは食堂で紅茶を飲みながら、窓の外から見える景色を見ていた。 いつも見えている王都の日常が始まろうとしている。「お嬢様、王宮からの報告書です。本日のレオポルド殿下のご予定が書かれております」 サルチャクがやってきて、紙を受け取った。 受け取った紙には、殿下が行う予定の公務が書かれている。 これはわたくしと殿下が一緒に行っているから動けるものですのに、一人で行おうとしている。こなせるわけがない。 孤児院慰問、貴族会議、隣国大使との昼食会、令嬢達との茶会。「殿下が、一人で?」 わたくしはサルチャクに聞き返した。 だってかつてはわたくしが隣にいて、子供達に笑顔を振りまき、貴族に一言で場をまとめ、大使に微笑みかけていた。 それを殿下一人でこなそうとしている。「どうして、こんな急に」 手が震えて、カタカタとカップに入った紅茶の水面が揺れる。(殿下は、わたくしがいなくなってから……本当に変わろうとしているの? それとも、わたくしがいないことで苦労することを、実感しようとしているの?) 一息吐いて自室に戻る。 そして机の中に隠していたスケッチブックを取り出した。 スケッチブックには、公務の合間に描いていた、殿下の横顔が。 「記録として」、言い訳はしていたものの、何度も描いていた。「わたくしも、完璧でいようとして、いつの間にか殿下を追い詰めていたのかもしれませんわね」 少し声が震えながら声を出していた。 頬に熱いものが伝っていく。 それははっきりとした、涙であった。(殿下、頑張ろうとしているのね。でも、そんなに苦労するなんて。わたくしがいなくても、変われるの?)* 次の日、朝の執務室。 机の上には、資料の山が出来上がっていた。「……これ全部、今日中に?」 俺は死んだ目をしながら眺めて、クレア嬢に問
last updateHuling Na-update : 2026-05-05
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第16話【描いた想い、届く前に】

 朝、身体を起こしながら、だるい気持ちでため息を吐く。「はぁ~、眠い」 起きると疲労感が残っていて、二度寝したくなってくる。 昨日の公務による疲労が回復していない。 だが今日も公務があるはず。 なのに、また布団の中で眠りたかった。 身体を起こしたが、また横になろうとしていた。「殿下、おはようございます」 するとレーナが寝室にやってきた。 笑顔を見せていて、俺の疲労を気にしていないかのように。「朝食のご準備が出来ています」「ああ」 弱い声を出しながら、レーナに返事をする。 でも身体は動かない。「遅れますので、お手伝いいたします」「ま、待て」 平然としながら、俺をベッドから下ろそうとする。 ただ、レーナだけの力では難しかったのか、ちょうど歩いていた文官のガスペリに声を掛けた。「ガスペリ様、お手伝いをお願いします」「はぁ、分かりました」 彼は面倒くさそうにしながらも、俺をベッドから引き剥がそうとしていた。 結構な力があるんだな。「お、おい!?」 無理矢理引っ張られ、そのままベッドから出ることに。「結構強いな!?」 文官なのに結構な力があるんだな。 俺はそのまま服を着替えさせられる。 ここまできたら仕方ないので、俺は朝食を取る。「兄さん、ちょっといい?」 食べている間、弟のペテルがやってきた。 王子であるが歳は離れていて、前世における小学生くらいの年齢。 朝食は食べ終わっているみたいだな。「どうした?」「ユリアナ様と婚約破棄してから三週間だけれども、大丈夫なの?」 不安そうな表情で俺を見ている。 ペテルも気にしているんだな。 一昨日、十五件くらい婚約打診が来ているって言われていたからな。「まあ、何とかなるよ」「僕もお嫁さん欲し
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第17話【届いた想い、再会の庭】

「ふぅ」 起きたときに軽く息を吐く。 昨日、ユリアナ嬢の絵を描いた俺は、起きてすぐなのにドキドキしていた。 疲労感は昨日よりも少ない。「殿下、起きられましたか」 寝室には、レーナが来ていた。 侍女だから俺が起きるタイミングでもやってくるんだよな。「ああ」 ベッドから降りると着替える。 その際に、ユリアナ嬢を描いた紙を入れた封筒を胸ポケットに入れ、朝食を。 食べ終わったら、準備を済ませて外へ。「ごきげんよう、殿下」「おはようクレア嬢、これからルイッツホーフ家へ向かう」 廊下を歩いている途中、クレア嬢と出会った。  彼女は執務室へ向かっていて、補助仕事をしようとしていた。「殿下、今日こそ想いが届きますよ」 微笑《ほほえ》みながら、俺を見つめていた。 その表情には、送り出す気持ちだけを感じられた。「公務は視察名目で調整済みです。時間はたっぷり取ってあります」 レーナがそう説明する。 気にしなくて良いって事か。「ありがとう、助かる」 俺は外に停めてある馬車に乗り込んで、ルイッツホーフ家の領地へ。 レーナも一緒に乗っていた。 視察名目なので、形式上はルイッツホーフ公爵領へ行く必要があるから。 数時間掛けて地方にある領地へ。 馬車が揺れる中、胸のポケットには封筒が入ったまま。(昨日描いた絵。完璧じゃないけど、俺の気持ちは込めた。選ばれなくても、今日こそ伝える) 俺はそんな事を考えながら、窓から景色を見ていく。 王都郊外の田園地帯が広がっている。「殿下、まずは領地の視察ですから」「そうだな」 まだまだ時間はたっぷりある、落ち着いていこう。 畑では作物が育てられていて、農作業をしている様子が目に入った。「王太子殿下! ようこそいらっしゃいました!」 村の中心地で降りて、村人から出迎
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第18話【締め付けられる時間、静かな危機】

 ユリアナ嬢に絵を渡した翌日。 窓の外から、朝の日差しが差し込んできた。 熟睡出来たこともあって、目覚めは良かった。 起きてからベッドでずっと横になっていて、昨日のことを思い出し続けていた。 思い出す度に胸が温かくなって、自然と微笑《ほほえ》んでくる。「ユリアナ嬢の涙、少し信じてくれそうだった。あの絵が届いたのなら、俺の想いだって伝わったはずだ」 彼女と再会できて、絵を渡せた。 そして受け取ってくれて、涙を流していた。「でもまだ婚約は取り戻せそうにないな」 ユリアナ嬢は「考えさせてほしい」と言ってきた。 拒絶ではないけれども、二度と捨てられるのは怖いと打ち明けていた。 やはり俺は、一度捨ててしまったことで前例を作ってしまった。 彼女にとっては再び起こる事を危惧しているんだな。「殿下、お目覚めでしょうか」「ああ」 レーナがやってきて、ベッドから降りる。「殿下、昨日は本当によくやりましたね」 準備を済ませて執務室に向かうと、クレア嬢が書類作業をしようとしていた。「受け取ってくれたよ」「でも、婚約問題はまだ解決していませんよ」 そうだったな。 まだ保留状態。 俺は現状、婚約者がいない状況だからな。「陛下から『そろそろ新たな婚約者を』という言葉が出始めています」 レーナが補足するように伝えてきた。(まだ時間はある。でも、いつまでも待ってもらえないのは分かっている) だからこそ、解決させないといけないが。 彼女には彼女の想いがある。「失礼します、本日の書類です」 文官のガスペリが書類を机の上に置いた。「ありがとう」「それと、外務院から婚約打診の手紙が今月だけで、二十五件に増加しております」 結構増えているな。 数日だけで結構増えているな。 このままで大丈夫なのか。「そんな
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第19話【再びの決意、迫る影】

「殿下、こちらの書類を」「ああ」 オリエッタ嬢がやってきてから一週間、俺はこの日も公務を行っていた。 クレア嬢が手伝ってくれていて、大変助かる。 王宮内では、俺がオリエッタ嬢と婚約するっていう風潮《ふうちょう》になってきている。 それに婚約の申し込みも増えてきている。 ただ俺はユリアナ嬢しか考えられない。「殿下、オリエッタ様が殿下に会いたいと」「またなのか」 一週間しか経っていないのに。 だが、会わない理由は無かった。「分かった」 俺は彼女がやってくるのを待つことにした。 クレア嬢はオリエッタ嬢の名前を聞くと、何かを考えている様子だったが。 何も言うことなく、文官室へと移動していた。「一週間ぶりですね、殿下」「ああ、来てくれて嬉しいよ」 やってきたオリエッタ嬢は、一週間前と変わらないままの美しさを出していた。 微笑《ほほえ》みのまま、俺を見つめている。「こちらこそ、お会いできて嬉しいです」 そこから最初は雑談に入っていった。 一応当たり障りのない会話をし続けていく。 だが、途中から婚約の話題に。「それで、新たな婚約者は決まりますでしょうか?」「まだ決めていない」 嘘をついても仕方ないから、正直に伝える。「あら、そうですのね。殿下、私を選んで頂けますでしょうか?」「オリエッタ嬢を」 まるで今日決めてしまえ、と言われているような感じだ。「はい。私を選んでいただければ、国内の安定が図れますわ」「そうだな。君は名門だから」 悪い話じゃない。 風潮からしても、俺がオリエッタ嬢を選ぶような感じになっている。「ユリアナ様のような不安定な縁談より、私の方が良いかと」 彼女のアピールは間違っていないかもしれない。 だが。「まだ決められない」 は
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第20話【婚約という名の猶予】

「私が婚約者になります」 クレア嬢が突然そう言い放った。「どういうことだ」 確かにゲームでは、彼女がヒロインだった。 彼女と結ばれてハッピーエンドになっていたはず。「私は子爵令嬢《ししゃくれいじょう》です。だから、婚約したって問題ありません」「確かにそうかもしれないが」 クレア嬢も貴族令嬢。 婚約者になるのは不可能ではない。 その上で言っているのだろうか。「殿下の幸せのためでしたら、私が犠牲になっても構いません。ですので、ユリアナ様を本気で嫉妬させるんです」 クレア嬢が言っているのは、寝取ったって思われるようなもの。「ユリアナ嬢を嫉妬、だと?」 そんな修羅場をクレア嬢が作り出そうっていうのか。「はい。殿下がユリアナ様ではなく、私を選んだって知れば怒るはずです」「危険すぎるが」 もし所謂《いわゆる》ヤンデレになってしまえば、クレア嬢に危害が及ぶ可能性だってある。「それに殿下が婚約者を選んだって状況でしたら、陛下だって納得するはずです。公表すれば、王室会議も外交も一旦静まります」 確かにそう言えるが。「殿下はユリアナ様を待つことが出来るはずです」 クレア嬢が言っていることには筋が通る。「今週中まででしたら、ユリアナ様の気持ちが変わるのを待つことが出来ません」 時間はほとんどない。 ユリアナ嬢が今週中に気持ちが変わってくれるよりも、タイムリミットが来るのが早いかもしれない。「だが、それでは君が」 最終的に選ばれないことになってしまう。「私は構いません」 はっきりとクレア嬢は断言した。「元々、私はヒロインでしたから」 間違っていない。「殿下が私を選ぶ世界も、きっとあったでしょう」 あったかもしれない。 だがそれは、記憶を取りもどしたことで不可能になった。「でも」
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