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All Chapters of 復讐クエスト: Chapter 51 - Chapter 60

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復讐クエスト2 / LV2 勇者コウダイ 03

 「驚いて大声出しちゃってごめんね。一旦整理しよう」 ふさがれた手を退けてもらうようにお願いして、僕は背筋を伸ばした。ランチ用に注文したホワイトソースのパスタを頬張り、咀嚼して珈琲と共に流し込む。今の話が衝撃すぎて、うまいはずのパスタの味がぜんぜんわからなかった。「――つまり、葛野さんとの仲を疑われて、加藤さんにやっかまれて、ありもしないデータ消去を武田さんのせいにされたってことだよね?」「はい。おっしゃるとおりです」「なにそれ…アホらし。でも、巻き込まれた方はとんだ迷惑だよね」「そうなんです…。女性の方がマーケティング課で続かないのって、絶対加藤さんが原因ですよ。仕事で厳しいのならともかく、勝手な憶測で仲を疑って…ほんとに酷いです…」「僕が掛け合ってみてもいい?」「そんなことできるのですか?」「加藤さんを攻めるんじゃなくて、葛野さんの方を狙うんだ」 というわけで味のしなかったランチを速攻で終わらせ、その足で葛野さんの下へ。「葛野さん、少しよろしいでしょうか」 営業一課で忙しくしている彼を休憩室へと呼び出し、事の経緯を伝えた。「…というわけで、加藤さんが武田さんを困らせているので、なんとかしてください」「俺に言われてもなぁ」「付き合っていますよね? 加藤さんと」「付き合う? 冗談はよしてくれ」 あれ? 違うの?(汗) 「加藤さんがあなたと仲良くしている女性社員ばかりに嫌がらせをしているという噂でもちきりですよ。武田さんが泣いて困っていましたから、ここはひとつ、葛野さんの話術でなんとか加藤さんの説得をお願いします」 無理やりだけどお願いしてみた。うまく行くかな…? 不穏な雰囲気なので、戦闘音楽が僕の頭の中で流れた。言うなれば彼はモンスター。やつを説得する僕は勇者・コウダイだ。「コーハイ思いでなによりですねぇ。宇治川君は」 蛇のような嫌味な
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復讐クエスト2 / LV2 勇者コウダイ 04

 有言実行してもらうべく、葛野さんに加藤さんを説得してもらった。口添えのお陰で一連の騒ぎは収まった。どうやら加藤さんの勘違いだったらしい。失われたデータは別の隠しフォルダに入っていたとか。…そんなわけないだろ、と言いたいところだが、証拠がない。うーん、なんとかならないものか。  武田さんは僕の所に飛んで駆けつけてくれた。僕が葛野さんに向かって土下座をしている写真を見せられたらしく、平謝りされた。「私のために、ごめんなさい…」「いいよ、そんなの。それより加藤さんのことは要注意だね」「はい。気を付けます」「作ったデータや原本はできれば別のUSBに保存して隠しておいた方がいいよ。データに関しては社外持ち出し禁止だから、もし保管場所に困ったら預かるよ」「助かります! 宇治川先輩、ほんとうにありがとうございます!」「大丈夫。嫌な奴には負けずに頑張ろうね」「はいっ!」「とにかく加藤さん対策には、葛野さんをうまく使おう。でも彼は、加藤さんと付き合ってないとか言ってたよ」「葛野さんは既婚者ですから、お付き合いについては否定しますよね。でも、加藤さんの方は葛野さんとお付き合いしていると鼻息荒くして言っていましたよ。ただ、その割には婚活パーティーにも行くみたいです」「えっ、どういうこと? 加藤さん、葛野さんと付き合っているんだよね? 婚活パーティーも行くの?」 意味が解らない。いったいどういうつもりなんだろう。  分厚い眼鏡姿で、ザ・お局! という言葉が超お似合いの加藤佳子さんを思い出した。ヘビのように粘着し、舐めまわすような視線を送ってくる彼女のことは、僕も正直言って苦手だ。葛野さんとお似合いだと思う。ヘビ同士。 「…まあ、誰と付き合おうが、独身なら婚活パーティーに行っても問題ないし、いいんじゃないかな。ちょっと…考えられないけど」「ですよね。あ、そろそろ戻りますね」「うん。頑張ってね」「はい!」 武田さんは行ってしまった。元気な子だな。仕事もできるし、できればこの会社でもっと頑張って欲し
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復讐クエスト2 / LV2 勇者コウダイ 05

 細マッチョで坊主頭のマスターが持ってきてくれた生ビールを流し込むと、体内が一気に冷えた。くう~、仕事終わりのいっぱいは格別。ビールうま。「こんばんは、航大さん」 早速紀美さんが金さんを引き連れて現れた。おぉ、これは『なんでも屋』に寄っていたんだな。ちょうどよかった。「紀美さん、連日お呼び立ててしまい申し訳ございません。実はお伝えしたいことがありまして」「はい、なんでしょうか」「この方、紀美さんのご主人ですよね?」 モンスター(紀美さんの夫と思われる人物)の名刺、そして今日許可を取って撮影した彼の写真を見せた。「航大さんのおっしゃる通り、うちの主人です。五代建真で間違いありません」 やっぱりそうだった!「実は今日、ご主人にお会いしました。うちの社内で」「エッ!!??」 紀美さんが驚いているところへ、北都さんがおしぼりをもってやって来た。「なになに~面白そうな話じゃな~い。飲み物、なににする?」「あ…今日はお茶にしておきます。残金が900円しかないので、すぐ帰ります」「紀美さん。一杯くらいお付き合いくださいよ。僕がおごりますから」「いやそんな…申しわけない――」「えーめちゃくちゃ嬉しいですね! 紀美さん、ここは航大さんにおごってもらいましょう! 俺は生大!」 なぜか金さんが生大コールをしてしまった。 えっ、これ、僕が払うの……?(汗)「金ちゃんにおごるなんてコウは言ってないし。自分で払いな」 北都さんの言葉を聞いたマスターが、早速ビールの大ジョッキを持ってきて、伝票ごと金さんの前に置いて行った。 ナイス、マスター!「くそ…航大君が払ってくれると思ったから生大を頼んだのに!!」 金さんはぶちぶち文句を言っている。僕はあなたに「奢る」なんてひとことも言っていませんが!「金ちゃんはお金いっぱいあるでしょ~? ため込まずに使いなよ。
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復讐クエスト2 / LV2 勇者コウダイ 06

  「えー! そんなことできるのですか!?」「はい。最終的に新商品のプレゼンを弊社ですることになると思うので、それまでにエグい映像を用意できればと思います。そのプレゼンで仕掛けをしましょう」「エグい映像…わかりました。夫のモラハラ具合、いっぱい撮影してきます! さきほど金さんのお店でこの商品を買ったので!!」 紀美さんは自慢げに僕の方へ左手に着けたスマートウォッチを見せてくれた。「これで家庭内の悪行はバッチリです。隠しカメラ内蔵なのです!」「へえ。いいですね。僕も欲しいなぁ」 隠しカメラ内蔵なんてめちゃくちゃいいな!「それはいいお考えです。店からすぐ取ってきます!」 金さんはあっという間に大吉から姿を消し、再び物品をいくつか持ってすぐに戻ってきた。「出張なんでも売買屋です。航大さん、さきほどのスマートウォッチ、こちらです」 どうやら紀美さんと同じタイプのようだ。「いいですね」「はい。5万円になります」「ごまっ…!?」 そんなに値段するの!!??  エッ。紀美さん、いったいどうやって買ったんだろう!!??  確か貧乏エンジニアだったはず…!「ちょっと待ってください。私はこの商品、5000円で買いました。航大さんにも同じ値段にしてください!」「ちょ、ちょっと紀美さん! 値段を言わないでくださいよっ」金さんが焦っている。「お客を見て値段を変えるなんておかしいです! 私たちは仲間なんですから! ね? 航大さんも同じ値段にしてください!!」「…わかりました。今回だけ…特別価格でお売りしましょう」 5千円のものを5万円で僕に売りつけようとするなんて…!  金さんは悪徳業者だな!  仲間じゃなかったらぜったい付き合わない人!  「紀美さん、ありがとうございます。お小遣い少ないので、助かります」「いえっ! 持つべきものは仲間ですから!!」 嬉しい認識だ。僕も紀美さんのことは仲間だと思っていますよ~!
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復讐クエスト2 / LV2 勇者コウダイ 07

 「紀美さん、ありがとうございます。一人で家に帰っても居場所もなくて辛いですから、ここで時々愚痴を聞いて下さるとありがたいです。多分僕と妻はもう修復不可能です。彼女は…僕を疎んでいます」「航大さんを疎むなんてひどい…」紀美さんが唇を噛みしめて肩を震わせた。「航大さんのお気持ちはよくわかります。私の夫がそうです。私も給料を取り上げられていて、ATMみたいにしか思われていません。浮気もされて目が覚めました。あんなクズとは一刻も早く別れて幸せになる努力をします!」「紀美さん…」 初めて会った時、きっと素敵な結婚生活を送っているのだと勝手に思っていた。でも、現実は違うんだ。家庭の数だけたくさんのクエストがあり、いいクエストもあれば悪いクエストもあるんだと気づいた。「航大さんも幸せになる権利はあるんですっ! 諦めないでください!! 良かったらご家庭のこと、話していただけませんか?」「ありがとうございます。なんか、そういう風に心配されると…嬉しいものですね」 虐げられ仲間がこんなにも心強いなんて。気持ちがわかるだけに他人事とは思えないんだろうな、お互いに。「そちらのご家庭も大変そうですね。スマートウォッチ以外にもいい商品が揃っていますよ。いかがでしょうか? 妻のモラハラ具合を撮影するのにぴったりです!」 金さんはまだ僕になにか売りつけようと、物品を見せてきた。「いえ、今日はスマートウォッチを購入したのでもういいです。必要な時にまたお願いします。あと、くれぐれも仲間価格でお願いしますね」 便利グッズがいろいろ売っていそうだけれども、牽制しておかなきゃとんでもない金額で売りつけられそうな気がした。 僕は5千円を金さんに支払い、大吉での飲み代を北都さんに支払って店を後にした。 「遅くまで萌絵のことありがとうございました」 麗華の実家へ行き、萌絵を引き取った。不承不承という感じでお義母さんが萌絵を僕に引き渡してくれた。「まったく…遅い時間に迷惑だねッ」「申
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復讐クエスト2 / LV2 勇者コウダイ 08

「わかんない」 萌絵が俯いたと同時に、ぐぅ、と萌絵のお腹が鳴った。「あれ? ご飯食べてないの?」「うん……おばあちゃんのおうち、ごはん、なにもないって」「そりゃ大変だ! ええと……そうだ、ファミレスでも行こうか! ごめんね、気が付かなくて。お腹空いたよね」 大急ぎで近くのファミレスへ向かった。  ちょうど魔法少女キュアキュアのコラボメニューがあり、萌絵はキュアキュアのおまけのヘアゴムがついたお子様ランチを嬉しそうに食べていた。  お腹空かせている孫がいるのに、お義母さんはなにをやってるんだ!「萌絵。これから困ったら、パパに電話しておいで。これ、お金と電話番号。公衆電話少ないと思うから、もし近くに電話がなかったら、交番に行けばおまわりさんが電話を貸してくれるから、おばあちゃんじゃなくてパパに言いなさい。幼稚園から電話をかけてもいいから」「いいの?」「もちろんだよ。萌絵が困ったら、パパも困る。一蓮托生だ」「いちれん…?」「そう。行動や運命を共にすることだ。難しいと思うけど、パパと萌絵はずっと一緒で繋がっているんだ。だから萌絵が困ったら、遠慮なくすぐパパに言うんだよ」「ん」 こくっ、と萌絵が頷いた。「約束だ」「ん」 萌絵の小さな指に自分の指を絡めた。なににも代えがたい尊い存在。僕がしっかりと守ってあげたい。これからもずっと。  そのためには、僕も勇気をもって箱を開けなきゃいけない。 とっくに崩壊しているこの家庭の、パンドラの箱を。  麗華が普段萌絵にどんなことを教え、麗華が僕のことをどう考えているのか、萌絵から聞き出さなきゃ。もしも麗華が僕を心底嫌に思っているなら、離婚も考えた方がいいかもしれない。ただ、父親が親権を取れるとなれば難しいだろう。専業主婦なのに子供を放置し、自分の用事を優先させることを切り取ってネグレクトというのは無理があるだろうから、どういう方法を切り出せばいいだろうか……。  やはり離婚は現実
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復讐クエスト2 / LV3 勇者コウダイ 01

 「麗華! こっちだよ」 目の前が白くなり、頭を鈍器で殴られたような感覚が自分の中で起こった。こめかみがズキズキと音を立てながら痛み、頭が割れそうだ。「正臣(まさおみ)クンの家、ここなの?」 どうして。「いいや。お泊り用」 なんで。「リッチ~♡」 葛野さんと麗華が親密そうに名前を呼び合って、ふたりで一緒にいるんだ――「新居は麗華と一緒に決めるって言っただろ」「も~♡♡ 気が早ーい♡ ATMから搾り取ってる最中だからもう少し待っててぇ♡」 目の前のふたりはいちゃいちゃと絡みつき、僕の心を壊しにかかってくる。 コウダイは瀕死の精神的ダメージを受けた! ライフが残りわずか、コウダイの体調に異変が起き出した!「俺も佳子(よしこ)から引っ張ってる最中♡」 ん? 佳子…?「また新しい女ぁ?」「佳子は会社にいるお局ババだよ。俺が好みらしいから、ミツグちゃんに育成してやった」「えー…それ、大丈夫?」「俺もうファイブスター辞めるし平気だって。目標額貯まったら別のとこ引っ越そう」 は? ファイブスターを辞める? いったいどういうことだ? あの人、営業一課でバリバリやるんじゃなかったのか?「きゃ~~♡」 そんな会話をまき散らしながら、モンスター2匹はマンション内へ消えていった。 …だめだ。頭痛がひどいが、そんなことを言っていられない。 うすうす麗華の様子がおかしいことはわかっていたのに、見ないふりをしていただけのツケが回って来たんだ。 それに、今日の葛野さんの言葉『奥さんによろしく言っておいてくれよなぁ~』って、こっちを馬鹿にした嫌味だったんだ。 僕には守るべきものがある。 萌絵を幸せにできないような伴侶はいらない。 今日だって自分の母親に萌絵を押し付け、しかも萌絵にご飯も食べさせてくれないようなひどい親に、わかっていて預け、あの男と逢引したんだ!!――ぜったいに 許さない!!  軽快なリズムと共に風呂が沸く音がしたので、萌絵を連れて風呂に入った。 娘だから男の僕と入るのは嫌かと思って避けていたが、そんなことは言っていられない。これからはこの子を僕がひとりで守っていくんだ! 萌絵の服を脱がせていると、左の脇腹あたりに青紫色に変色した痣を見つけた。「萌絵、ここ、どうしたの?」「…」 萌絵は怯えたような目
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復讐クエスト2 / LV3 勇者コウダイ 02

  「パパ、なかないで」「ごめん…ごめんな、萌絵……」 嗚咽が漏れた。情けなく萌絵の前で泣いてしまったが、彼女が受けてきた痛みや苦しみを想うと涙をどうしても止めることができなかった。そして、自分の不甲斐なさにも。「だいじょうぶ。もえ、つよーいの。キュアキュアに、なるから!」「そうか。じゃあ、パパも強くなるよ。萌絵を守れる勇者になる」「パパ、かっこいい~!」「萌絵、今までのこと、パパにぜんぶ教えてくれないか。ママにどんなことをされてきたのか。どうして僕のことをATMなんて呼ぶのか」「うん。あのね――」 萌絵の言葉は壮絶だった。  麗華が僕から暴力をふるわれ、困っていると常に聞かされていたらしい。そんなひどい男は父親と認識せずにATMと呼ぶように、と。さらに、僕と仲良くすると家から追い出すとも言われたのだと。  そして萌絵が粗相をしたら、必ずお腹をつねってくるらしい。見えない場所を選んでいる辺り、姑息で卑怯なやり方だ。自分の暴力を隠し、子供に嘘を教え、僕を遠ざけていたのだ。 これは立派な虐待だ!   「辛いこと、いっぱいあったんだね。萌絵が辛い思いをしていること、気が付かなくてごめんね」 萌絵は首を振った。  そして僕は、娘のとどめの一言でさらに泣かされる。 「だってもえ、ほんとは、パパ、だいすきだもん。え~てぃ~えむって、ゆって(いって)、ごめんね」   ※   翌日。早速紀美さんに麗華の浮気現場の動画を送っていただいたお礼も兼ねて大吉酒場へ赴き、彼女に店へ来てもらって今後の身の振り方やこちらの状況、萌絵の報告をしていた時だった。  ガアン、と大きな音が店内に響き、萌絵のことを話していた僕の言葉が遮られた。「実のかわいい娘にそんな酷いことを吹き込むなんて…ッ! ドクズがぁぁぁぁっ!!」 音を立てた主は北都さんだった。紀美さんが店に
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復讐クエスト2 / LV3 勇者コウダイ 03

 「なるほど……! まるでミステリーゲームのようですね!! ぜひやりましょう!」 さすが紀美さんだ。ゲーム仕立てのシナリオは面白い。交換証人なんてわくわくする。「尾行もいいけどさ、手っ取り早く肉体関係を示唆した証拠を突き付けた方が早くない? そしたら相手の有責で即・離婚に持ち込めるよ」 北都さんがとんでもないことを言い出したので、紀美さんが焦っている。「えっ。でも、それ、どうやってそんな肉体関係の証拠なんて…」「だから私の出番ってわけ」 出番?「私がノリの旦那をオトして、バッチリ証拠ゲットするから見てて!」(ばばーん) ええ――――? 超・謎ミッションだぁ――――!! というわけで決まったミッションがこれ。 貧乏エンジニア・ノリミのミッション:麗華の動向の見張り ATM勇者・コウダイのミッション:紀美さんのクズ旦那を北都さんに紹介 必殺仕置き人・ホクトのミッション:クズ旦那を陥落させる・その後クズ嫁を陥落させる なんだこりゃ。 こんなミッション、うまくいくのかな……?(汗)  まあ、やるしかない。  というわけで早速五代建真さんを北都さんの店に連れて行くことになった。 果たしてうまく行くのだろうか――   ミッションが決まった後、僕は金さんと一緒に『なんでも屋』に戻り、見守りカメラなどを買って各部屋に仕掛けた。リビング・寝室・玄関など。気になっていた萌絵への対応を見たかったからだ。2日ほど回しっぱなしにして、動画になったものをゆっくり見た。 まず驚いたのが食事だった。録画した動画で見てみると、キッチンにはめぼしいものはなく、料理の用意をするそぶりもみせない。なにを出しているのかと思ったら全てレンチンの冷凍ご飯やおかず
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復讐クエスト2 / LV3 勇者コウダイ 04

 様々な変化に対応しながら2週間ほどの時が経った。紀美さんはうまく麗華と葛野の逢引を撮影してくれたので、定期的に同じ時間、同じ曜日に逢引しているという証拠は手に入った。しかしこれでは決定的な証拠にならない。あくまでも『浮気をしている可能性がある』というだけ。子育ての相談に乗ってもらっていたとかうまい言いわけをされたら終わりだ。 証拠はまだ少ないが、紀美さん(なかま)のためにそろそろ僕もミッションを遂行しよう。というわけで萌絵のことは僕の両親に任せて―― 「五代さん、お疲れ様です。今夜お時間ありませんか?」  本日、ファイブスターで五代さんと打ち合わせ終了時、『ATM勇者・コウダイのミッション:紀美さんのクズ旦那を北都さんに紹介』を遂行することに。「今夜ですか」「実は、僕の知り合いがやっているバーがあるのですが、巷では絶世の美女バーテンダーと噂されておりまして。僕は知り合いだからわからないのですが、どのくらい美人なのか、五代さんに検証してもらいたいのですよ。お付き合いいただけませんか?」「絶世の美女…ですか」 ごくりと生唾を飲み込む音が聞こえる。紀美さんという伴侶がありながら、絶世の美女と聞くだけで鼻の下が伸びている。こんなやつには天誅だ。北都さん(絶世の美女)に膝蹴りされてへしゃげてしまえ!「五代さんのお墨付きであれば、僕も『絶世の美女がやっているお店』と他の方にも紹介できますので。検証いただけませんか?」「…宇治川さんたってのお願いとあらば、お供いたします」「ぜひよろしくお願いします」 というわけで、大吉酒場の隣のバー大吉の方へ勧誘成功。  なんともあっけない勧誘で拍子抜けだ。もっと血みどろの戦闘…もとい、苦労すると思っていたけれど、まぁいいか。 ――『紀美さんのクズ旦那を北都さんに紹介』ミッションをクリアした! ――賢さが上がった ――話術がうまくなった ――コウダイはレベルが上がった!  ※ 
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