義理の妹・神谷莉奈(かみや りな)は悪戯好きで、傷つくのはいつも私・神谷加奈子(かみや かなこ)だった。去年、彼女と兄・神谷慎之介(かみや しんのすけ)は私を冷凍倉庫に閉じ込め、私は重度の喘息を患った。慎之介は償いたいと、今年は私を洞窟ダイビングに連れて行くと言った。だが莉奈も付いてきて、嫌な笑みを浮かべながら、じっと私を見ていた。嫌な予感がして、私は二人から距離を取るように海へ潜った。けれど水深20メートルに達した時、突然息ができなくなった。私の酸素ボンベのバルブが、莉奈に閉められていたのだ。水中通信機から、莉奈の弾んだ声が聞こえる。「お兄ちゃん、見て!言った通りでしょう?やっぱりお姉ちゃん、すぐ引っかかった!」慎之介は甘い声で応じた。「相変わらずだな。そんな悪戯を思いつくなんて、本当に賢い子だ」私は顔を真っ青にして苦しみながら、予備のバルブを開けようと必死に指を伸ばしたが、泳いできた莉奈にその手を叩き落とされた。彼女は通信機越しに甘えた声で言う。「お兄ちゃん、お姉ちゃんったら、大げさすぎよ。まだ数秒しか経ってないのに、もう苦しいふりしてる!」耳元で、兄の冷たい声が響く。「もう少し我慢しろ。まったく、甘やかされて育ったせいで、その程度も耐えられないのか?みっともないな。莉奈の足元にも及ばないじゃないか!」顔が青紫になり、絶望した目で慎之介を見た。お兄ちゃん、去年の一件のせいで、私の肺はもう元に戻らないって、忘れたの?呼吸はますます苦しくなり、ついに視界が真っ暗になって海底へと沈んでいった。お兄ちゃん、今回の悪戯は、全然笑えない。今回は、本当に死んでしまう。海は、凍えるほど冷たかった。その冷気は骨の奥へと染み込み、去年、冷凍倉庫に閉じ込められた時よりもずっと痛かった。ふわりと、魂が身体から浮き上がる。洞窟の海底には、青ざめている私の身体が砂泥の上に力なく沈んでいた。そこへ、莉奈が泳いできた。彼女はフィンで泥を巻き上げ、私の顔に容赦なく浴びせ、足を伸ばし、私のウェットスーツを思い切り蹴った。「お兄ちゃん見て!お姉ちゃんの今回の演技、すごくない?びくともしない」通信機から彼女の楽しそうな笑い声が流れる。続いて聞こえてきた慎之介の声は、呆れるほど冷たかった。「加奈子、も
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