帝都大学の合格発表日、神宮寺司(じんぐうじ つかさ)の名前がネット上を席巻した。彼は全科目満点という前代未聞の成績で、見事に帝都大学の首席合格を果たした。各メディアはこの天才高校生をこぞって取り上げ、SNSのトレンドは彼の話題で完全に埋め尽くされた。そんな中、司本人はインスタグラムに満点の成績表と、星野凛(ほしの りん)にキスをしている写真をアップし、こう書き添えていた。【俺の彼女には、最も優秀な人こそがふさわしい】クラスのライングループは通知が鳴り止まなかった。【マジで神宮寺満点じゃん!あいつ人間かよ!】【ヤバい、天才でイケメンで一途とか、設定が完璧すぎる!】【彼氏イケメンすぎ!】【この美男美女カップルは永遠に不滅!一生推す!】祝福のメッセージが飛び交う中、場違いな一言が突然投下された。【凛が羨ましいな。私にはあんな素敵な彼氏を持つ資格なんて、永遠にないもん】白石澪(しらいし みお)だった。この貧しい転校生の発言により、グループラインは数秒間静まり返った。凛が返信しようとした矢先、司が澪に向けて個人間送金で二千万円を振り込み、メッセージを添えたのが見えた。【いつかできるよ】凛はずっと、司がただ優しすぎるだけだと思っていた。雨の日に濡れていた澪に傘を貸したり、彼女の机にこっそり朝食を入れたり、彼女が「羨ましい」とこぼしただけで二千万円も送金してしまったのと同じように。国内最高峰である帝都大学の入試担当者から電話があり、彼が特待生として入学する条件として、もう一人を特別に入学させられる「同伴推薦枠」を与えようと言われるまでは。彼はその枠に、澪の名前を書いたのだ。事後、彼は凛をなだめるように説明した。「凛、澪の家は貧しいんだ。名門である帝大に入らなければ、実家に連れ戻されて無理やり結婚させられてしまう。彼女の方が、君よりもこの枠を必要としているんだ。君も成績が良いんだから、帝大周辺の別の大学を受ければいい。そうすれば、これからもずっと一緒にいられるだろう」彼はすべてを丸く収めたつもりでいたが、ウェブ出願システムの締め切り直前、澪がこっそり凛のアカウントにログインし、彼女の志望校を遥か遠くにある名もなき無名短大に書き換えていたことなど知る由もなかった。帝都大学への夢は砕け散り、まし
Read more