共通テストの自己採点結果が出たあの日、私、古谷未来(ふるや みらい)は彼氏の三浦修平(みうら しゅうへい)と、卒業記念旅行の帰りの新幹線に揺られていた。 もちろん、血の繋がらない姉の浅見千佳(あさみ ちか)も一緒だった。 千佳は昔から窓側の席を譲らない。修平は当然のようにその隣に腰を下ろす。 気づけばこの旅の間、一人取り残されているのはいつも私だった。 「僕とちぃちゃん、志望学部のことちょっと話したいんだけど。みぃちゃんはまだ自己採点、微妙な感じでしょ?隣でドラマでも観てて」 車窓の景色が流れていくあいだ、ふたりの笑い声だけが響いて、私の入る隙間はどこにもなかった。 これが、修平が3年前から約束していた卒業記念旅行の「現実」だった。 午前10時、予告されていた通り、各予備校から解答速報が出そろった。 千佳が声を弾ませて修平に抱きつく。 「やったぁー、この判定なら、西京大のどの学部でも狙えるよ!」 修平も笑って答える。 「グループチャット見てよ。親たちがもうお祝いメッセージのラッシュだから」 私はふたりの後ろの席で、それを黙って聞いていた。ふいに、スマホから両親の弾んだ声が聞こえてきた。 「ちぃちゃんも修平も、こんなに取れるなんて!ほんと自慢の子たちよ」 続けて、修平の両親の声も混じった。 うつむいたままスマホを開くと、グループチャットにはやはり招待されていなかった。私を気にかける声は、どこにもなかった。 もういい。あのふたりはもう、これからの人生を選び終えたんだから。 私も、私だけの未来へ、迷わずに進めばいい。……しばらく経つと、修平はようやく私の存在を思い出したようだった。彼は売店で買ってきたスイカジュースの蓋を開け、気を利かせたつもりなのか、千佳の前にそっと置いた。それから、私にはミネラルウォーターを一本差し出した。「何が飲みたいかわからなかったから、水にしといた」千佳がスイカジュースを好きだということは覚えているのに、彼女である私が何を飲みたいかは知らない。鼻の奥がツンと熱くなった。思いがけない好成績に沸き上がっていた喜びも、あっという間にどこかへ消えていった。私は受け取らず、リュックから自分で買ったスイカジュースを取り出した。差し出されたままだった修平
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