Semua Bab 家の為に姉の身代わりとなった生贄婚、堅物不器用な旦那様は私を溺愛したいらしい: Bab 11

11 Bab

ふさわしさ

 羊屋に注文した服が届けばすぐにお披露目会が始まった。 注目されることに慣れていない惠ではあったが、今は羞恥の感情が強いらしく俯き加減だったが。「おー! 似合ってるっすよ! 惠さんっ!」「そ、そうでしょうか? いえ、こちらの着物はとても素敵なのですが、えぇと」「いやいや! 惠さんの綺麗な黒髪に白が映えるっす! オヤジのセンスとはとても――」「俺のセンスがどうした?」 思わずというよりはあえてだろう。 日向の言葉にしっかりと真人は反応して。「後で来い」「か、勘弁っすよオヤジ! だってほら、テンションあがるっすよこの惠さんを見たらっ! オヤジもそうでしょう!?」「否定せん。よく似合っている。だがそれとこれとは話が別だ」「ひえぇ……うぅ、小指でいいっすか?」「いらん」 日向と真人のやり取りに男衆が笑が、空気に合わせてそうしているだけで内心では驚き一色だった。 誰よりも先に当主である真人が惠を認めた。 その事実に驚いているのだ、それは日向にしても同じく。(オヤジ……いいんすか?) 意図を掴めないというわけではない。 それなり以上に長い付き合いだ、外側だけでも辰巳家の人間と示す必要性はあったのだから、こうして服を仕立て与えることに異論はない。 無いが、これは真人からの合図としても受け取れるのだ。 各自、惠に対しての態度を改めて考えてみろと言った合図として。(……これから、っすね) 判断を急がされたとは思わないが、これからは警戒と共に、受け入れるという方向性を常に考えるべきだろう。 そんなことを日向や男衆が考えている中、惠は確かめるように。「ほ、本当に似合っていますか? 旦那様」「ああ。つまらんことで嘘は言わん。本当によく似合っている」「ほんとう、に?」「くどいな。それともこれで俺の隣を歩くに相応しいとでも言えばいいか? むしろ俺のほうが負けてそうで悪い気がするが」 真顔で真人は言う。 その様子と、周りがひとまずの覚悟を決め始めたタイミングで。「……素敵な服をありがとうございます、旦那様。大事に、します」「そうしてくれ。だが、大事にしすぎるな。いつでも新しいものくらい、用意する」 ぎゅっと胸元で手を握り、惠は小さく安堵するように息を零した。 こういった場面でどういう態度を取るべきかを惠は知らない。 笑えばいい
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-07-20
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