次の瞬間、通話はぷつりと切れた。俺は、暗くなった画面に映る自分の顔を呆然と見つめた。今のは何だったんだ。本当に10年後の俺と話していたのか、それとも受験を前に気が張りすぎて、幻でも見たのか。何しろ、由佳とは昔から、二人で明峰大へ行こうと約束していた。俺を裏切るなんて、あり得ない。そう考え込んでいると、いつの間にか後ろに立っていた由佳が、俺の肩を軽く叩いた。「修司、明日が本番なのに、勉強もしないでこんなところで何してるの?明峰大に落ちたって、あとでこっそり泣かないでよね」「誰が泣くか!」俺は思わずむきになって言い返した。目の前のまっすぐで優しい由佳からは、10年後の俺が語ったような裏切り者の姿など、どうしても想像できなかった。やはり試験前で気が張りすぎて、妙な幻でも見たのだろうと思うと、急に自分が馬鹿らしくなった。だが、教室に戻って席に着いた途端、由佳が俺の机にペンケースを置いた。「修司のことだから、まだ何も準備してないと思って。必要なもの、全部入れといたよ。受験票も忘れないでね。明日はこれさえ持ってくれば大丈夫だから。今回は圭吾の分もちゃんと別に用意したんだから、また修司のを分けてあげたりしないでよ!」そう言うと、由佳は同じペンケースをもう一つ、隣の圭吾の机に押し込んだ。俺が黙って見ていると、由佳の笑顔がわずかにこわばった。「修司、どうしたの? さっきから、なんでそんな目で見るの?」「いや、何でもない」俺は首を振り、何でもないふりをした。由佳がいなくなると、私は塾の知り合いを頼り、事務室のマークシート読み取り機を使わせてもらった。すぐにペンケースから鉛筆を1本取り出し、シートを塗りつぶし、機械に通してみる。案の定、何一つ読み取られなかった。残りの1本も試してみたが、結果は同じだった。まさか、本当に読み取れないなんて。由佳は、こんな鉛筆を俺に2本も渡していたのだ。なら、10年後の俺が言っていたことも、全部本当だったのか。由佳と圭吾の席を見ると、二人ともまだ戻っていなかった。二人のペンケースの鉛筆も試してみたが、どちらも普通だった。俺はすぐに、自分の2本を由佳と圭吾の鉛筆とすり替えた。怒りで全身が震えた。今すぐこの鉛筆を由佳に突きつけて、どうしてこ
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