莉愛には、なぜこんな結末になってしまったのか、到底納得がいかなかった。彼女は蒼真を愛していた。ずっと昔、まだ学生だった頃から彼に想いを寄せていた。だが、あの頃の蒼真の瞳には、いつだって結衣の姿しか映っていなかった。少しでも蒼真の気を引きたくて、大学のミスコンに立候補して学内の人気を一身に集めもした。彼が参加するイベントには必ずエントリーして接点を持とうとしたが、結衣の「あなたが必要なの」というたった一言で、蒼真はいとも簡単にイベントをすっぽかした。彼女と結衣が、専攻の試験で服飾モデルを必要とした時のことだ。莉愛は勇気を振り絞り、前もって蒼真に手紙を書き、自分のモデルになってほしいと頼み込んだ。しかし蒼真は、その手紙を読みもせずにゴミ箱へ捨てた。一方で結衣は、試験の直前になってからモデルがいないことに気づいたというのに、蒼真は自身の試験と時間が重なっていたにもかかわらず、自身の追試を申請してまで結衣の頼みを最優先した。莉愛の青春時代は、常に結衣という巨大な陰影に覆われていた。彼女の切々たる恋心は報われぬまま、ただ少しずつ灰を被って朽ちていった。その後、大学を卒業した彼女は、金のためにキャバ嬢として働くようになった。かつて心を奪われた蒼真とは、この先の人生でもう二度と交わることはないと思っていた。しかし運命の悪戯か、やけ酒を煽る彼と偶然の再会を果たした。その日、ひどく落ち込んだ様子の蒼真は、グラスを片手にうわ言のように呟いていた。「すまない、結衣……俺のせいでお前が傷つくなんて。結衣……俺は、どんな顔をしてお前に会えばいいんだ……」蒼真のうわ言から断片的な情報を繋ぎ合わせ、ニュース報道と照らし合わせた結果、莉愛は事情を察した。結衣は蒼真と共に交通事故に巻き込まれ、どうやら彼を庇って深い傷を負ったらしい。そして蒼真は、その重すぎる罪悪感から結衣と顔を合わせられずにいるのだと。莉愛の心の奥底で、ドロドロとした欲望が再び蠢き始めた。この数年、数多くの男たちをあしらってきた彼女には、男という生き物の法則が痛いほどわかっていた。蒼真が結衣から逃避している今こそ、彼の心に入り込む絶好のチャンスだった。そこで彼女は「かつての同窓生」という立場を利用して蒼真の懐に入り込み、「すべてを自分の責任だと思い詰めないで」と優しく慰
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