ビリッビリビリッ 嫌な音がすぐそばでする。 私、聖騎士アルヴァロ・ズッキーニはハラハラしながら周囲に視線をやるが、幸い誰からも注目されていないことにホッとした。 (どうかこのまま事態が納まってくれますように……) けれど、世の中そんなに甘くない。 王家主催の茶会をぶち壊しにやって来た国際指名手配中の黒魔術師は、黒髪金眼の若き国王フェルナン・フォン・イフリートに禍々しい魔力のこもった杖先を向けて叫ぶ。 「国王フェルナン! 貴様を呪い殺してやる! 我が最大の術、受けてみよ!」「よし! 受けて立つ!」 (受けて立たんでいい! こんの体育会系国王……ッ! ) 黒魔術師の前に仁王立ちするフェルナン陛下の姿を見て、私は目玉が飛び出そうになった。 「陛下! 危ない!」 いくら本人が望んだとしても、従者としては主君が呪われるなんてもっての外。黒魔術師の禍々しい術をフェルナン陛下に浴びせるわけにはいかないと、私は無我夢中でフェルナン陛下の前に飛び出し――。 ビリリィッ!! 「うわぁぁぁっ!」 呪いの黒光を身に受けた私は、大きな悲鳴をあげた。 ちぎれてしまったのだ。 手足じゃない。そんなグロい展開じゃない。 ばい〜〜んっっっ!! サラシがちぎれてしまい、隠していた私のたわわな胸が騎士装束のインナーのボタンを弾き飛ばしたのだ。
Last Updated : 2026-08-19 Read more