「ほんと……深月、本気出せばできる子だよね」昼休み。大原理紗もいるかもしれない会社の食堂で、司の部屋に乗り込んだ話と債権回収の話を環と日菜ちゃんにした。「深月先輩……そういうところですよ。だから後輩女子達からのバレンタインチョコが山のように」「すごかったよね。紙袋3つ分だったっけ?」「4つだよ。持ち帰るの大変だった」今年の2月、バレンタイン。どういうわけか私のデスクには、私が席を離れる度にラッピング済みのチョコレートが積まれていた。おじさん達から向けられる視線には、苦笑いと冷たいものが入り混じっていた。「しっかし。一括とは思い切ったよね」「深月先輩にはその権利ありますよ。手持ちが無いならサラ金行くなり、大原さ……っと」環が慌てて日菜ちゃんに向けて人差し指を唇に立てる。「日菜ちゃん。私達、悪いこと何ひとつしてないけど、一応気をつけて」「はあい」日菜ちゃん真っ直ぐだからな。素直で良い子なんだけど、たまに危なっかしい。「……で。深月さん」「どした環」「その、証拠の動画ってさ……」「このスマホの中にございましてよ。クラウド上にもね」「食事中だから動画はちょっと……音声だけ、さ」環の悪い顔。嫌いじゃない。むしろめっちゃ好き。
Terakhir Diperbarui : 2026-09-02 Baca selengkapnya