お問い合わせ窓口は店の公式LINEだった。 公式LINEから顧客用のLINEへと誘導された。 LINEの担当者とはトントン拍子で話が進んだ。 ネックレスへのリフォーム、プラチナの下取り、鑑定書の作成について相談する形で、 『あのダイヤ、ネックレスにリフォームしようと思う。でも黒瀬家の絡んだダイヤだから、念の為お母さんにも立ち会って欲しい』 母にLINEすると、すぐにOKの返事が来た。 ──その宝飾店は、商業ビルの最上階にあった。 エスカレーターから降りてすぐのその店は、奥で店員さんが作業していたり、接客していたりしていた。 ベテランの空気を纏う女性スタッフと目が合った。 「13時予約の、時國です」 「時國様、お待ちしておりました」 すぐに席に案内された。 この女性スタッフの安藤さんは、ダイヤの指輪を見ると、やはりカラットの大きさに驚いていた。 「指輪の内側に1.52ct.と刻印がありますね。おじいちゃま、当時相当お金を出されたのでは……」 「地下街の宝飾店で買ってました」 母が口を挟んだ。 このダイヤを購入した当時、母は小学生だった。 その宝飾店に母はついて行っていたらしい。 「うーん……浅野屋さんですか?」 「そう!よくわかりましたね」 「その当時で地下街で宝飾店。そしてこのレベルのダイヤを取り扱っているなら浅野屋さんかと」 警戒しているときは無口な傾向のある母。 安藤さんのこのひと言で、すっかり警戒を解いたらしい。 うん、この宝飾店。 当たりっぽい。「今日はお見積もりだけでも……」「いえ、決めます。デザインもこれで大丈夫です」この店の安全性は、母のこの反応で実証済み。引っかかるのは、チェーンのお値段だ。「これだけ大きいダイヤですと……ある程度の強度のあるプラチナのチェーンがよろしいかと」うむむ……。「指輪のプラチナを買取していただくと、どれくらいに……?」「プラチナのチェーン、ダイヤを指輪から外す作業料、鑑定書、ネックレスの加工代……。ここから今日のプラチナ価格で買取致しますと、96,800円ですね」ぐはっ……。プラチナの買取で何とかなるかと思ってたけど……!プラチナのチェーンだけで9万超えるってどういうことよ。泣ける。「他のチェーンだと……」「お手持ちのチェーンでも問題ありません。ただ
Last Updated : 2026-09-06 Read more