行きたかったけど、行きたくなかった、大学のサークル、同期会。毎年恒例の、忘年会を兼ねたものだ。行きたかったのは、友達に会いたかった。久しぶりの子が沢山いる。行きたくなかったその原因。──彼、翔麿《しょうま》だ。私のハートを木っ端微塵にした男。認めたくなかったけど、私は翔麿をしばらく引きずっていた。服もメイクも髪も整えた。今の私の、最上級変換。美容院に行ったのなんて、昨日よ、昨日!担当美容師の加護さんには「明日同窓会で。マウント合戦になるの見え見えだから、ツヤッツヤで!お願いします!」なんて言ったら、いつもよりめっちゃ気合い入れて最後のセットをしてくれた。加護さん、過去最高に楽しそうだったな。「朝比奈《あさひな》さん、ツヤッツヤのサラッサラ。でもね、向こうは大したイケメンになってないからただ朝比奈さんが無双するだけですよ」って悪い顔で言ってくれた。お茶吹くかと思った。店に到着。集合時間の10分前から近くをうろついて、店のドアを開けたのは5分前。──いた。こちらを見ている。本当はずっと、会いたかった人。ぼろ切れみたいに捨てられて、それでも忘れられなかった人。もうそれは恋愛の情ではなかったのかもしれない。もはや依存や執着だった。
Última atualização : 2026-08-30 Ler mais