汚水に浸かったまま3日が過ぎ、私の魂はようやく肉体を離れた。自分の亡骸を確かめる間もなく、まばゆい白い光に包まれた。光が消えたとき、私は自宅に戻っていた。呆然としていると、夫の祐介の声が聞こえた。「いい子だから、言うことを聞いて」私は反射的に声をたどり、寝室へ向かった。祐介が忘れられずにいた相手、相沢芽衣(あいざわ めい)が、私たちのベッドに横たわっていた。祐介は、芽衣の頬を伝う涙を優しく拭っていた。芽衣は傷ついたように唇をかみ、震える声で言った。「ココが祐介にもらった子だからって、あんなひどいことをするなんて……」話すうちに、芽衣の顔はますます悲しげに歪んでいった。そして甘えるように、祐介の胸へ飛び込んだ。「祐介と別れたのは、私たちの縁がそこまでだったから。ずっとこの気持ちを押し殺してきたのに、どうしてあの人は私を許してくれないの?ココは私の命なのに」祐介が芽衣の背中を優しく叩いてなだめる姿に、思わず苦笑が漏れた。床でおとなしく伏せている犬へ目を向けた。3日前、私がうっかりココに触れたときのことだった。ココは何の反応も見せていないのに、芽衣は私の前へ飛び出してきた。そして、死んでしまえとまで罵った。私が言い返すと、芽衣は突然その場に倒れ込んだ。そこへ、ちょうど祐介が戻ってきた。祐介は事情を確かめようともせず、芽衣を助け起こすなり、私の頬を力任せに打った。芽衣は彼の胸にすがりつき、悲しそうに泣いていた。今は星奈さんの顔を見たくない――芽衣がそう言っただけで、祐介は私に出ていけと吐き捨てた。頭を冷やして反省しろ、とも。祐介が電話に出た隙に、芽衣は私をすぐそばのエレベーターへ突き飛ばした。彼は知らなかった。そのエレベーターが、故障で運転を停止していたことを。芽衣は祐介に、私が彼の通話中に腹を立てて帰ったと告げた。立ち去る前に、自分の頬まで打ったのだと嘘をついた。祐介は芽衣が自分で打った頬を、痛ましそうに撫でた。その頃、私の体はものすごい速さで落下していた。そして、汚水が溜まった昇降路の底へ叩きつけられた。助かることも、すぐに死ぬこともできないまま、必死に助けを呼んでいたとき、祐介はもう芽衣を抱いてその場を去っていた。汚水が鼻に入り込んだ瞬間、自分の
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