最初に平静を取り戻したのは、朔臣だった。「見られた以上、もう隠すつもりはない。雛乃はようやく実の家族のもとへ戻れたばかりなんだ。そんな矢先に家族と離れて、遠い北嶺で暮らすのは無理だろ。でも、透花は昔からたくましいし、一人でもどこでだってやっていけるさ」雛乃が目を赤くしながら、朔臣の服を引っ張った。私は泣かなかった。ただ、スクリーンに映ったチャットの履歴を指さした。「偽物の志望校記入用紙を作ったのは誰?」朔臣はあっさり認めた。「俺だ」「『真実か挑戦か』ゲームをやろうって言い出したのは?」雛乃の目がわずかに泳いだ。すると岳がすぐに彼女の前へ出て、庇うように立った。「みんなで考えたことだ。雛乃だけを責めるなよ」私は頷き、もう一度朔臣を見た。「昨日の夜、私と付き合うって言ったのも、計画のうちだった?」朔臣の喉仏が小さく動いた。「お前は遠距離恋愛はしないって言ってただろ。俺が付き合うって言わなきゃ、お前は同意書にサインするわけがなかった」その口調はあまりにも当然のようで、罪悪感などほとんど抱いていないように聞こえた。雛乃は目を潤ませると、突然、理玖の手からスマホを奪い取った。「全部私のせいだから、今から進学先を変える。私が透花と一緒に北嶺へ行くから、みんなは白凪市に残って」四人が同時に彼女を取り囲み、奏多がその手からスマホを取り上げた。「もう合格通知まで届いてるのに、今さら何を変えるんだよ」「でも、透花はどうするの?」雛乃は肩を震わせながら泣いた。「一人であんな遠いところへ行ったら、きっとつらい思いをするよ」朔臣はティッシュを取り出し、彼女の涙を拭ってやった。「透花は昔から自立してる。どこへ行ったってちゃんとやっていけるよ。お前は体も丈夫じゃないし、白凪市を離れて暮らしたこともないんだから、意地になって自分の将来を棒に振るような真似はするな」私は数歩離れたところに立ち、四人が雛乃を慰める姿を眺めていた。――そうか。これが答えだったんだ。北嶺での暮らしが雛乃に向いていないからではない。彼らは雛乃に苦労をさせるのが嫌で、その代わりに私を差し出すことなら平気だった。それだけのことだった。理玖は眼鏡を押し上げ、いつもと変わらない冷静な口調で言った。「透花、確かにやり方は褒められたものじゃなかった。でも
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