Lahat ng Kabanata ng ねえ、5分だけ付き合ってーーNight Side: Kabanata 1 - Kabanata 2

2 Kabanata

1話

夜11時のココア温泉旅館の夜11時。私は、完全に目が冴えていた。せっかく1人で温泉に来たのに。露天風呂には2回入った。夕食では、普段なら頼まない地酒まで飲んだ。ふかふかの布団も敷いてある。あとは気持ちよく眠るだけ。――なのに、眠れない。「こういうところだけ、期待を裏切らないんだよね……」天井に向かって呟いた。旅行先では、だいたい眠れない。枕が違う。時計の音が気になる。廊下を誰かが歩くだけで目を開ける。そのくせ帰りの電車では爆睡する。我ながら面倒くさい。もう一度温泉に行こうかと思ったけれど、3回目はさすがに茹で上がりそうだった。私は浴衣の上に羽織を着て、部屋を出た。1階に小さなラウンジがあったはずだ。水でも飲もう。廊下は静かだった。古い旅館だから、歩くたび床が小さく鳴る。窓の向こうは真っ暗な山。ちょっと怖い。私は自然と早足になった。ラウンジまで来ると、明かりがついていた。そして、「……あ」男の人がいた。チェックインのとき、フロントで見かけた人だ。たぶん従業員。30代くらい。昼間はきちんとジャケットを着ていたのに、今は白いシャツの袖を肘までまくっている。ネクタイもない。シャツの一番上のボタンも外れている。昼間よりずっと無防備に見えた。その人が、ものすごく真剣な顔でコーヒーマシンを見つめていた。私に気づくと、少し気まずそうに笑う。「眠れません?」いきなり当てられた。「なんで分かったんですか」「夜11時に浴衣でラウンジへ来る人は、だいたい眠れない人です」「温泉マニアかもしれません」「それなら大浴場へ行きます」正論だった。「……眠れません」「ですよね」彼はまたコーヒーマシンへ目を戻した。「そちらは?」「戦ってます」「何と?」「これと」マシンの横には、ココアの粉と牛乳。「ココア?」「飲みたくなったんですけど、牛乳の温め方が分からなくて」私は思わず彼を見る。「旅館の人ですよね?」「夜番なんですけど、今日が3日目で」「新人さん」「34歳の新人です」ちょっと笑ってしまった。「笑いましたね」「ごめんなさい」「いいです。自分でも若干面白いので」彼も笑った。「飲みます?」「何を?」「成功するか分からないココア」怪しい。でも、飲みたい。「成功したら」
last updateHuling Na-update : 2026-09-13
Magbasa pa

2話

そのネックレス、外れそうですホテルのバーで、1人でケーキを食べる。32歳になって初めてやってみたけれど、かなりいい。午後10時半。窓の向こうには、雨に濡れた街の灯りが広がっている。私はカウンターの端で、チョコレートケーキをひと口食べた。濃い。甘い。最高。誰にも一口あげなくていい。これだけでも、1人でホテルに泊まった価値がある。今夜は、自分のためだけに取った部屋だった。大きなベッド。夜景。バスタブ。そして、ちょっと高いケーキ。完璧。――だったのだけれど。「それ、かなりおいしいですか?」隣から声がした。見ると、ひとつ席を空けたところに男性が座っていた。30代半ばくらい。黒いシャツ。ジャケットは椅子の背に掛けてある。グラスにはウイスキーらしき琥珀色。「……なんで分かるんですか」「さっきから、食べるたびに目を閉じてるので」恥ずかしい。全然気づいていなかった。「そんなに?」「3回確認しました」「見すぎじゃないですか?」「すみません」彼は笑った。謝る気は、あまりなさそうだった。私はフォークを置く。「そんなに気になるなら頼めばいいじゃないですか」「甘いもの、そんなに得意じゃなくて」「じゃあ見ないでください」「でも、おいしそうに食べる人を見るのは好きです」さらっと言われた。これは、あれだ。ちょっと調子のいい人だ。私は知っている。こういう男性の言葉を真面目に受け取ってはいけない。「普段からそういうこと言ってるんですか?」「何を?」「女性をちょっと喜ばせるようなこと」彼は少し考えた。「今日は初めてです」「今日は?」「普段はもっと感じ悪いです」思わず笑ってしまった。「そこ、普通は否定するところですよ」「嘘つくよりいいかなと思って」そのあと、なぜか少しだけ話した。彼もこのホテルに1人で泊まっているらしい。理由は聞かなかった。私の理由も聞かれなかった。それがよかった。名前も仕事も知らない。好きなケーキと、お酒の好みだけ。こういう会話は楽だ。明日の自分に何も持ち越さなくていい。「もう1個食べようかな」私がケーキのメニューを開くと、「それは止めたほうがいいです」「どうして」「さっき、これで最後って言ってました」「聞いてたんですか」「3回目のひと口のあとに」
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Magbasa pa
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