――どうしてこうなってしまったのだろう? 一体、私の何がいけなかったのだろう? 私はただ、普通に人並みの恋愛がしたかっただけなのに……。 ここは東京・有楽町にある一軒のバー。会社帰りの私――緒方藍は、テーブル席で一組の男女と向き合っていた。 男の方は入間翔太。私と同じ二十七歳で、私とは別の部署だけれど同じ会社に勤めている、私の彼氏だった。 そして女の方は広岡怜。私たちより三つ年下の二十四歳で、ウチの会社の受付嬢だ。何でも役員の娘らしく、コネで入社したのだとか。 そんな二人がどうして私と対峙しているのか、その理由はただ一つ。翔太がよりにもよって、この怜という女と私と二股をかけていたことが分かったからだ。怒り狂った私は会社帰りにこの二人を呼びつけ、決着をつけることにしたのだ。「……ねえ翔太。こうやって呼ばれた理由、あんた分かるよね?」「オレが……お前と怜ちゃんと二股かけてたからだろ?」 そう答えた彼の口調や態度に、反省している様子も悪びれる様子も見当たらない。私は余計に腹が立ってきた。「なぁんだ、ちゃんと分かってるじゃない。あんたさぁ、私に対して少しでも申し訳ないとかそういう気持ちはないわけ?」「なんで翔ちゃんが責められないといけないの? こうなったのは藍さんにも責任あるんじゃ――」「あんたは黙らっしゃい! 今はあんたじゃなくてこの男に訊いてんの」 私は口を挟もうとした怜という小娘を、テーブルを叩くことで怒りをもってシャットアウトした。「……で、どうなのよ? 翔太、あんたもちろん、このままでいいとは思ってないよね?」「オレも……、こうなった原因は藍、お前にもあると思ってる。お前が可愛げのない女だから、オレは怜ちゃんに惹かれたんだよ」「…………はぁっ!?」「お前は総合職だし、俺より仕事できるし給料もいいじゃん。お前みたいな女と付き合ってるせいでな、オレのプライドズタズタなんだよ! だからオレは怜ちゃんとも付き合うことで癒されてんの。それのどこが悪いんだよ?」「いいわけあるかぁ! あんた、いい加減にしなさいよ!? それならなんで私とも付き合い続けてんのよ? さっさと別れてその女とだけ付き合えばよかったじゃん
Zuletzt aktualisiert : 2026-10-10 Mehr lesen