別れたあと、渉は二人で借りていた部屋に戻り、毎日を抜け殻のように過ごした。望と約束していた未来は、もう存在しない。突然、どこへ向かえばいいのか分からなくなった。煙草と酒で自分を麻痺させるしかなかった。ある日、彼は夢を見た。望がやって来る夢だった。彼女は昔と同じように、酔った彼の額に手を当てて熱を確かめていた。渉は酒を飲むと、いつも熱を出しやすかったから。その感触があまりにもリアルで、渉は思わずその手を掴んだ。ぼんやりと目を開けて、そこには望がいた。彼は笑った。起き上がり、望を抱きしめた。髪から漂う、懐かしい淡い香り。夢はあまりにも幸せだった。このまま永遠に目を覚ましたくない
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