私たち4人は、同じ施設で育った。成人してからは一緒に家を借り、先に帰宅した人が夕食を作った。誰かが病気になれば、残りの3人が交代で夜通し看病した。航は、ここがこれからの私たちの家になると言ってくれた。引っ越してきた日、毎週日曜日は全員で夕食をとり、誰かが遅くなっても必ず待つと約束した。去年、序のいとこの小春が、それまで世話になっていた親戚の家を追い出され、一時的に空き部屋に居候することになった。小春が初めて残業で夜9時まで帰ってこなかったとき、航は食事を始めようとしなかった。「来たばかりなんだから、帰ってきたときに俺たちが食べ終わってたら可哀想だろ」2回目は小春のスマホの充電が切れて連絡が取れず、帰宅したのは夜11時だった。私たち4人は空腹をお菓子で紛らわせながら、鍋をずっと温めて待っていた。小春は目を潤ませ、帰宅したときに誰かが待っていてくれたことなんて、今まで一度もなかったと言った。ある日曜日、私は学童保育施設で当番をしていた。熱を出した子の保護者から迎えが遅れると連絡があり、私は最後まで付き添うことにした。グループラインには、【少し遅れるけど、9時40分までには帰る】と二度伝えておいた。夜9時38分、私は家のドアを開けた。食卓はすでに片付けられ、シンクには4人分の食器が重ねられていた。小春は申し訳なさそうに言った。「お腹が空きすぎて胃が痛くなっちゃって。航くんが先に食べようって言ってくれたの。怒ってないよね?」航は私の手からバッグを受け取った。「冷蔵庫に卵があるから、うどんでも作ろうか?」「いらない」と私は答えた。すると序が横から口を挟んだ。「寧々は前から帰りが遅いとき、自分でご飯を作ってただろ? だから慣れてると思ってさ」確かに、私は慣れていた。でも先月、小春の帰りが遅くなったときは、大好物のエビをちゃんと取っておいてあげたのに。翌日、大家さんが契約更新について確認しに来た。私は「私は退去します。ほかの人たちがどうするかは、本人たちに確認してください」と伝えた。大家さんが帰ったあと、みんなはダイニングテーブルをもっと大きなものに買い替えようと相談しながら、置き場所の寸法を測り始めた。小春はメジャーをあちこちに当てながら、嬉しそうに言った。「幅180センチの
続きを読む