心臓をささげてから、新しい人生へ「宿主、本当西園寺月美(さいえんじ つきみ)に心臓を提供するつもりですか?
宿主は攻略者だから、任務が終わるまでは本当に死ぬことはありません。でも、今の体から心臓を失えば、それは死刑宣告と同じですよ。
私はその後、新しい体を探してあげますけど、その間で宿主は苦しい臨死体験を味わうことになります」
西園寺節美(さいえんじ せつみ)は無表情のまま、冷静に答えた。
「わかってる」
深尾廷悟(ふかお ていご)が常にその話題を避けていた。
でも、彼女にはわかっていた。月美を救うには、自分が死ななければならないことを。