遠距離恋愛の末、七年間付き合った彼と別れた元日のことだった。
国際遠距離恋愛にきっぱり終止符を打つため、彼氏の篠原蒼生(しのはら あおい)は、十数時間のフライトで帰ってくる。
その時、なんとなくスマホをスクロールしていた私の目に、ある掲示板のスレッドタイトルが飛び込んできた。
【愛って、距離を乗り越えられるのか?】
一番「いいね」がついているコメントは以下のようだった。
【乗り越えられないな。
国際遠距離恋愛なんて、会うたびに何万キロも移動しなきゃならないし、片道で平気で十数時間もかかる。
やっと会えたと思っても、すぐにまた別れの時が来る。そこから先は、また長くて終わりの見えない離れ離れの日々だ。
どれだけ熱烈な愛だって、その十数時間の移動と待ち時間ですり減って、消えていくんだよ。
もうすぐ彼女とは998回目の再会になる。飛行機を降りたら、そろそろ、この関係を真剣に見直そうと思ってる】
読み進めるうちに、胸の奥がギュッと締め付けられた。
蒼生にこのスレをシェアして、「わかるかも」なんて感慨深げに語り合おうとした、ちょうどその時。
彼が離陸前に送ってきたメッセージが、画面にポップアップで表示された。
【ひな、これが俺たちの998回目の再会だね。
着いたら、話したいことがあるんだ】