禁欲系男子の解毒剤、お断りします!あの冷徹な男が薬を盛られたその夜――
私は身を差し出すことなど決してせず、警察にセクハラの被害を通報した。
そして、彼のスキャンダル写真が競売にかけられるのを、ただ静かに見届けた。
彼が拘留されている間に、私はさっさと婚約を破棄し、彼の世界から跡形もなく姿を消すことを選んだ。
前世では自ら身を捧げたというのに、彼は私が仕組んだ罠だと決めつけた。二十年もの間憎しみ続け、娘にさえ「パパ」と呼ばせようとしなかった。
そして、私が一生をかけて溺愛したその娘は、すべての罪を私に押しつけたのだ。
「あんたさえいなければ、パパは香奈おばさんと別れなかったのに。私たちの人生をめちゃくちゃにしたのは、全部あんたのせいよ!」
死後でさえ、娘は私の墓を暴き、あの二人を幸せな夫婦として合葬した。
私の遺灰は、犬の餌に混ぜて無造作に捨てられた。
ならば――人生をやり直せるというのなら、今度こそ彼らの望み通りにしてあげましょう――