妊娠中の妻を見捨てた消防士、後悔の業火火事が起きた時、消防士長の夫は隣の家に飛びこんで、彼の幼馴染を抱きかかえて出てきた。
その後、インタビューで記者が、なぜ妊娠中の妻を先に助けなかったのかと夫に尋ねた。
夫はカメラに向かって、少しも悪びれずにこう言った。
「消防士長として、まず一般市民を助けなければなりません。
身内だからって、特別扱いはできません。公私混同は許されないのです」
その時、夫の幼馴染は彼の腕の中でか弱く震えながら、私に挑発するような視線を向けてきた。
足の間から流れる血を見つめ、私の心は冷えきってしまった。
「直樹、そんなに身内びいきを避けたいのなら、私たち、離婚しよう。
元妻になれば、私もただの一般市民。次はちゃんと、私を先に助けてね」
私は背を向けて救急車に乗り込んだ。今度こそ、もう我慢しない。