『盲目』という言葉がタイトルに入っている作品で真っ先に思い浮かぶのは、ノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴの『白い闇』(原題:Ensaio sobre a Cegueira)だ。この作品は、突如として人々が「白い闇」に覆われる謎の流行病を描いた寓話的な小説で、文明社会の脆さを鋭く抉り出す。
特に印象的なのは、視覚を失った人々が混乱の中で本能的な生存競争に陥る描写だ。目が見えなくても、人間の本質は変わらない——むしろ逆境でこそ露わになる弱さや強さを、詩的な文体で掘り下げている。ラストシーンの余韻が何日も頭から離れなかった。