音楽が叶わない恋の切なさを表現するとき、その旋律は言葉を超えた深みで胸を打つ。『君の名は。』の『なんでもないや』は、時間と距離を越えた想いがピアノの優しい調べに乗って広がる。RADWIMPSの歌声が、出会いと別れの儚さを包み込むように響き渡る。
あるいは『秒速5センチメートル』の『One more time, One more chance』も忘れがたい。山崎まさよしの渋い声が、過ぎ去った時間と取り戻せない瞬間への未練を歌い上げる。電車のドアが閉まる音と共に終わる曲の余韻が、観る者の胸に長く残る。
ゲーム『ファイナルファンタジーX』の『Suteki da ne』も、叶わぬ愛をテーマにした名曲だ。穏やかな波の音から始まるこの曲は、ビサイド島の美しい夕焼けと共に、ユウナとティーダの儚い運命を浮かび上がらせる。旋律が盛り上がるにつれ、押し寄せる感情の波が止めどなく溢れ出す。
曲を聴くとき、いつもまず人物像から音を想像する癖があって、クロエ=反骨心と寂しさが同居するキャラクター像が浮かぶ。だからおすすめの一つ目は、'Life is Strange'のオフィシャル・サウンドトラックに収録されているインディー寄りの楽曲たち。特にSyd Mattersの「To All of You」はクロエの切なさと希望の揺らぎをよく表現していて、何度聴いても胸が締め付けられる。
次にスコア面では、ゲーム内でクロエの出番に多用されるアコースティック主体の短いフレーズ群を追ってみてほしい。ジャンルで言えばフォーク寄りのギターや控えめなストリングスがクロエの繊細さを際立たせるので、シーンごとに流れる短いスコア曲を断片的に聴き比べるだけでも新しい発見がある。僕にとっては、この組み合わせがクロエ像を最も生き生きと感じさせてくれる。最後に、ゲーム外でのカバーやアレンジも侮れないので、ピアノやギターソロのインストアレンジもチェックしてみてほしい。