この質問で思い浮かぶのは、ミュージシャンのコールアンドレスポンスのような関係性だ。『電話に出なかった』というテーマを扱った楽曲は意外と多く、例えばThe Weekndの『Call Out My Name』は、届かない電話の向こう側にいる人への切ない叫びを表現している。彼の楽曲スタイルはダークなR&Bが特徴で、『Blinding Lights』や『Save Your Tears』といったシンセポップ調のヒット曲も持つ。
一方で、Taylor Swiftの『We Are Never Ever Getting Back Together』では、電話越しの別れ話をアップテンポに歌い上げている。彼女の場合、フォークロアへの転向後は『cardigan』や『willow』のような内省的な作品も生み出している。電話というコミュニケーションツールの不在をテーマに据える時、アーティストは往々にして人間関係のすれ違いを音楽で昇華させようとする。
電話をモチーフにした楽曲は、技術の発達と共にその意味合いを変えてきた。1980年代ならば留守番電話の録音が歌詞に登場し、現在では既読無返信が題材になる。コミュニケーション手段の変遷が、音楽の表現にも影響を与えている興味深い例だ。