インタビューで引き出したいのは、舞花が“日常から非日常へ移るときの声の変化”についての短い語りだ。まずはシンプルに一シーンを取り上げて、「その一行の前後で意識をどう切り替えたか」を
訊いてみると面白い答えが返ってくることが多い。私は観察好きなので、細かい違いこそが役作りを語る鍵になると思っている。
技術的には、台詞の間合いや音量のコントロール、息の入れ方といった点を短く挙げておき、具体例を一つ二つ引き出すのが効果的だ。『鬼滅の刃』のような明確な感情の起伏がある作品を引き合いに出して、「こういう場面でどう振る舞ったか」の比較をしてもらうと、読者にも伝わりやすい。私はそのときの“
立て板に水のような説明”より、ぽつりとしたエピソードの方に心を掴まれる。
最後は必ず優しい終わり方で締めるのがコツだ。演者が安心して語れる空気を作れば、自然で味わい深い話が聞けるからだ。