バランス感覚を最優先にすると、
瓜実顔は前髪と眉でぐっと印象を変えやすい顔立ちだと感じる。まず顔の縦横比、髪質、髪の生え際、そしてお客様が目指す雰囲気(柔らかさ、シャープさ、若々しさ)をざっと確認する。サロンでよくやるのは鏡越しに横顔もチェックして、顔の“尖り”や額の広さを見極めること。ここで出た情報が前髪の厚みや長さ、眉のアーチ高さを決める大きな手がかりになる。
前髪の選択肢は主に〈重めのワイドバング〉〈シースルー/透け感のある前髪〉〈サイドに流すカーテンバング〉の三つに分けて考える。瓜実顔の尖った顎を和らげたいときは、顔の両側にボリュームを作るサイドに流す前髪やワイドバングが有効。これで目の高さあたりに視線を誘導して、縦長の印象を短くする効果が出る。一方で顔の縦の長さを残したい、洗練された印象にしたいときは、透け感のある短めの前髪で眉を見せるデザインにして、すっきりとした印象を強調するのがいい。髪質が細い場合は重い前髪はペタッとしやすいので、レイヤーやテクスチャーを入れて軽さを出すのがコツだ。
眉は前髪との“対話”が大事。前髪で眉が隠れるデザインなら眉は自然な太さと柔らかなアーチで顔全体のバランスを調整する程度で十分。反対に前髪を短くして眉が見えるデザインにするなら、眉の高さとアーチ位置を顔の黄金比に合わせて微調整する。具体的には眉頭は小鼻の延長線上、アーチは黒目の外側か瞳孔の延長線上あたりに置くとバランスが取りやすい。太さは前髪の存在感と合わせて決めると統一感が出る:重めの前髪にはしっかりした眉、透け感のある前髪には柔らかい眉が相性がいい。最後にスタイリングとメンテナンスの話を軽くすると、前髪は月に一回程度の微調整で形を保てるし、眉はほんの少しのカットやペンシルで印象を簡単に変えられる。こんな流れで毎回提案していると、瓜実顔のお客様でもかなり自由に雰囲気を作れるようになるよ。