Masuk主人公の朱里の表の職業は教師、しかし裏の職業は【殺し屋】だ。朱里の両親がある殺し屋に殺されたことをきっかけに、両親を殺した犯人に復讐をするために殺し屋になった朱里は、殺し屋として確実に成長していた。 そして朱里は職場で一人の男と出会う。それは朱里を殺した犯人と同じ名字を持つ男だったーーー。 その男が、朱里の人生を狂わせていく。その男は朱里の復讐相手の実の゙弟゙だった。 朱里はその男の恋人となり、ついに復讐相手に近付くことに成功する。 そして朱里の復讐の炎は、さらに燃え上がっていく。朱里は復讐を成し遂げるため、その男とも関係を持つようになるが、朱里にとある事態が訪れる。 この恋は復讐の恋にはずだったーー。
Lihat lebih banyak「そうなると、山藤にもなにか動きがあるかもしれないわね」「そっちは任せた」「OK。山藤のカバンの中に盗聴器を仕掛けてるから、なにか分かるかもしれない。 山藤のスマホにもバレないようにGPS仕掛けてるから、なにか動きがあればすぐに分かるようになってる」「さすが朱里。根回しが早いな」 「なにか分かったらすぐに連絡する。 ハルキ、アンタはとりあえずそのまま、ほのみに騙されたフリを続けてて」私がそう言うと、ハルキは「朱里、なにするつもりだ?」と聞いてくる。「きっと山藤とほのみ二人で詐欺を仕掛けてくるはず。 だから、二人一緒に捕まえる」「二人同時に抹殺するってことか?」 「そういうこと。 結婚詐欺のターゲットかハルキだとしたら、私たちで二人を捕まえたら、社会的に抹殺出来るでしょ?」二人の結婚詐欺の瞬間を動画にして世に流し、悪態を晒してやるのよ。 でもそれだけじゃ、すごくつまらない。「でもただ抹殺するだけじゃ、つまらないわね」「……朱里、お前今、何を考えてる?」「鍵谷正嗣を使えばいいんじゃない?」二人は「え?」という表情で私を見る。「鍵谷正嗣を使うって?」「一週間後、鍵谷建設が主催する懇親会のパーティーが、開かれるらしい。 場所は牧園リゾートホテル」「おい、まさか……」ハルキは私の言いたいことに気付いたようだ。「二人の悪態を晒(さら)すのに、ちょうどいい場所だと思わない?」「なるほど。父親の前で、娘の悪態を晒すってか。 最高じゃねえの」「でしょ? 父親の前で結婚詐欺の事実を突き付けてやれば、二人はきっと言い逃れはできない。何百人もの前で悪態を晒され、二人は結婚詐欺の容疑で警察に捕まるし、二人とも地獄行き。……最高じゃない?」これぞ社会的抹殺よ。殺されるよりも長ーい地獄を味わうことになるんだから。「ほう……それは最高だな」「でしょ?」ふふ、面白くなりそうね。✱ ✱ ✱「ハルキ、山藤とほのみが動き出した」「了解」数日後、ほのみと山藤はまたあのスイートルームにチェックインをした。私たちはその下の階のスイートルームの真下に部屋を借り、実行の時を待った。「雅人、部屋着いた」「了解」私とハルキはその部屋から、二人の会話を仕掛けた盗聴器を使って聞いた。「あのマナトって男、まんまと私のウソに騙されたわ」「ああ、あの声かけ
「そういや朱里、お前彼氏いるんだろ?」ハルキにそう聞かれたた私は、「ああ、千歳のこと?」と聞き返す。「だっけ? その彼氏のことはいいのかよ、ほっといて」「いいのよ。……多分、そろそろ潮時かもしれないから」私がそう言うと雅人が「潮時?」と聞き返してくる。「今会うのを控えてるの、彼とは」「なんでだよ?」「ウザくなってきたのよ。……束縛が」その言葉を聞いた雅人は「うわー。束縛する系?」と私に言う。「ちょっとね。 愛してるとか言われるけど、なんにも響かないんだよね。 最近私が浮気してるんじゃないかとか疑ってるし、マジでウザイ」「お前って、マジで恋愛には向かない女だな」「私もそう思う。セフレとかのが都合がいいし、楽だなって思う」 私は今後も誰かと恋愛をするつもりはない。疑似恋愛は出来るけど、本当の恋愛なんてきっと出来ない。今更人を好きになるなんて、私には出来ない。「ま、お前みたいな美人なら、セックスしたいと思う男はわんさかいるだろうからな」「身体だけ愛されれば、私はそれでいいからね」私って本当に変わってる。恋愛なんて人を狂わすものだって分かってるのに、それを利用しようとしているのだから。「まさかハルキもそうなの? 私としたい感じ?」私がそう聞くと、ハルキは即答で「はっ? そんな訳ねえだろ」と答える。「あら、残念」最低だって分かってるけど、それも私のやり方だ。 使えるものはなんだって使う。それは私たち殺し屋にとって武器になるから。「で、別れるのか?彼氏と」「そのうちね。……ていっても、もっと精神的にボロボロにしてから、別れるつもり」「うわー怖い女だね、お前」ハルキがそう言うから、私は思わず「私は殺し屋よ? 精神的にも肉体的にもボロボロにしてから捨ててやった方が、気分がいいでしょ?」と言ってやった。「絶対にお前だけは敵に回したくないな」「右に同じく」二人に共感してもらうことも出来ず、二人に拒否された。「私だって本当は今すぐアイツを殺したいわよ。でもやるなら徹底的にやらないと気が済まないの。 あの時の復讐は、まだ終わってないから」「……レッド・アイ、か」「千歳はレッド・アイの弟よ。こんな獲物、ここで逃したくないの。……二人とも地獄に落として、私の両親を殺したことを後悔させてやるんだから」「アイツは一筋縄じゃいかな
「すみません! 私ったら……」 私はカバンからニセの名刺を取り出し、自己紹介をした。「私、川田友紀乃と申します」「川田さん、俺は山藤啓一。よろしくね、川田さん」「山藤さんって……もしかして、奏出版の山藤啓一さんですか?」「え? 俺のこと知ってるの?」「はい。 実は私も、出版社で働いてるんです」「え? そうなの?」「と言っても……辞めようかどうか、悩んでるんですけどね」私がそう言うと、彼は「え……? 辞める?」と不思議そうな顔をする。「あ、すみません。私……会社の上司から、パワハラを受けていて……それで、精神的に苦しくなって、今は休職中なんです」私がそう話すと、彼は「パワハラ……? それはひどいですね」と共感をくれる。「はい。上司のパワハラに耐えられなくなって辞めた子が何人かいるんですけど……その子が辞めてから、私がターゲットなってしまって……。仕事でミスをすると、私に怒鳴り散らしてきて……」私のウソの話を信じたのか、山藤は「それは……ひどすぎますね」と言ってくれた。「あ……すみません、こんな話……。初対面の人にこんな話をするなんて、私どうかしてますね」その私に山藤は、「川田さん、辛いこと話させてしまって、すみません」と謝られた。「い、いえ! 私こそ、こんな暗い話……すみません」「川田さん、もし辞めるなら……うちに来ませんか?」「……え?」山藤はまんまと私の罠にハマり、私の引き抜きを始めた。「正直な話……うちも今人がギリギリで、もう一人雇いたいなって思ってる所なんです。 もし川田さんが良ければ、うちの出版社に来ませんか?」「え? でも……」「もちろん、今すぐにとは言いません。……なので、少し考えてみてもらえませんか?」「……はい。分かりました」まんまと引っかかって、案外バカな男なのね。……まあ、社会的に抹殺するにはちょうど良さそうね。 まあでも、これから面白くなりそうだわ。「おー二人とも、お疲れー」「おかえりハルキー。ほのみとのデートどうだった?」ほのみとの食事を終えて戻ってきたハルキに、私はプリンを食べながらそう聞いた。「あの女、俺に興味があるのか、俺のこと色々と聞いてきたよ。 仕事は何をしてるのかとか、好きな女性のタイプとか、色々とね」「へえ? ハルキに気があるんだ?」私がそう言うと、ハ
そして土曜日、私は雅人に用意してもらったニセの名刺を持って、奏出版の近くのカフェで山藤を待つことにした。 「……来た」私は山藤が出てきた瞬間を見計らい、山藤と接触することにした。 「きゃっ……!?」わざと山藤の前で転ぶように仕掛けた。「だ、大丈夫ですか!?」山藤は私の予想通り、私の前に来て「大丈夫ですか?」と声を掛けてきた。「す、すみません……大丈夫です」カバンの中身が散らばったのものを、山藤が拾ってくれる。「はい、どうぞ」「あ……ありがとうございます」山藤が私の手に触れてしまって所を、私は「あ、すみません……」と手を引く。「あ……ケガ、してるみたいだけど、大丈夫?」「あ、本当だ……」山藤は私に「俺の家、すぐ近くなんだ。家に来なよ。 ほら、手当しないと」と私に手を差し出す。「いえ、大丈夫です」と断ったが、山藤は「いいから、手当させてください。ね?」と言われて「……はい。ありがとうございます」とその手を取った。「歩けますか?」「はい」立ち上がった私に山藤は「ゆっくり行きますね」と、同じ速さで歩いてくれる。(へえ……。なかなかいい男ね。さすが鍵谷ほのみの婚約者だけあるわね)「本当にすみません」「いいえ。困った時はお互い様ですから」山藤の住むマンションは、奏出版から徒歩十分ほどの距離にあった。「さ、上がってください。今救急箱持ってきますから、適当に座っててください」「はい……ありがとうございます」リビングに通された私は、山藤の部屋をぐるっと見渡す。(シンプルな部屋だけど、きちんと整理されてる。 それに、余計なものは置いてないわね。あんまり生活感は……なさそうだけど)でも山藤がほのみと計画してもし結婚詐欺と共謀していたとしたら、どこかに必ず証拠を残しているはず。ソファに腰掛けて待っていると、山藤が救急箱を持ってリビングへとやってきた。「すみません、お待たせしました」「あ、いえ……」「うわ、結構擦りむいちゃってますね」「……本当だ」私の膝の怪我を見ながら、彼は「ちょっと滲みると思いますが、我慢してくださいね」と言いながらマキロンを付けてくれる。「いったあ……」「すみません、痛かったですよね」「いえ、大丈夫です」彼は私の膝の擦りむいた所に大きめの絆創膏を貼ってくれた。「はい、もう大丈夫ですよ」