参考として、'There Will Be Blood'の断片的で冷たい弦の扱いは学ぶところが多い。ただしジャンルを限定せず、アンビエント、ポストロック、インダストリアル、現代音楽などの素材を横断的に取り入れると独自性が出る。最終的には、余計な説明を避けて「何か終わったような感じ」を音で匂わせることが鍵だと感じている。
具体例を挙げると、'Requiem for a Dream'のような強烈な繰り返しは絶望感を直截に伝えるが、同じ手法をそのまま持ってくる必要はない。自分が作るニヒルさは、やや冷めた距離感を保ちつつ、時折鋭く刺す瞬間を設けることで成立する。ミックス段階で音をあえて完全に馴染ませず、レイヤーごとに別々の空間感を与えると、曖昧な不協和が生まれて理想の雰囲気に近づくはずだ。
サウンドトラックの世界で特に心に刺さる陰鬱な曲といえば、'ベルセルク'の『Guts' Theme』が真っ先に思い浮かぶ。あの重苦しいチェロの旋律は、主人公の苦悩と闘いの歴史をそのまま音にしたようで、聴くたびに胸が締め付けられる。
一方で、'Dark Souls'シリーズのボス戦音楽も深い哀愁をたたえている。特に『Gwyn, Lord of Cinder』のピアノ曲は、栄光から転落した王の悲哀がシンプルな旋律に込められていて、ゲームの世界観と見事に調和している。こうした曲は、単に暗いだけでなく、物語の重みを感じさせる点で特別だ。