思い入れの強い場面として挙げたいのは、テレビアニメとしての完成度と台詞の余韻が効いている『カウボーイビバップ』のラスト近くだ。終盤、ある短いやり取りと沈黙が視聴者に重い問いを投げかける。あの作品では派手なアクションの合間に、存在の空虚さや諦念を匂わせる短い台詞がぽつりと置かれることが多く、僕はそれがたまらなく好きだった。特に最後の場面、『You’re gonna carry that weight.』という言葉が繰り返されるところは、ニヒルでありながら深い共感を誘う。
Ryan Goslingの『Drive』での無口なドライバー役は、台詞が少ないのに存在感が圧倒的だった。あの沈黙の中に込められた感情の揺れは、ニヒルさの極致だと思う。
『デスノート』の夜神月も計算高いニヒリストとして描かれているが、彼は常に目的のために動く合理主義者という点で、また違った種類の冷たさを表現している。台詞回しの鋭さと微表情の使い分けが、あの役の深みを作り出していた。
リアルな俳優だと、『ブレードランナー2049』でのハリソン・フォードの演技も忘れがたい。長年の孤独を背負ったデッカードは、最低限の動きで最大の情感を伝えていた。