暴力的な美学と複雑な倫理観を併せ持つキャラクターとして、『デッドプール』のウェイド・ウィルソンが思い浮かぶ。黒いユーモアと残忍さのバランスが絶妙で、道徳的グレーゾーンを行き来する点も共通している。特に敵対者への過剰な暴力シーンは、『ザ・ボーイズ』のブッチャーが持つ「手段を選ばない」スタンスと重なるところがある。
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第5部のディアボロも、目的のためには手段を選ばない冷酷さで通じるキャラクターだ。組織のボスとしての立場と、裏切りの連鎖を生み出す行動原理は、ブッチャーの「正義」の歪みと鏡写しのようになっている。ただしディアボロにはユーモアの要素がほぼないので、そこが大きく異なるポイントだろう。
ゲーム『The Last of Us Part II』のアビーは、復讐を原動力にしたキャラクター造形が秀逸で、感情の起伏と暴力性の描写がブッチャーを彷彿とさせる。筋トレに励む肉体美と、それと対照的な精神的な脆さのコントラストも印象的だ。アビーの物語が提示する「暴力の連鎖」というテーマは、ブッチャーの行動が引き起こす結果と重なる部分が多い。