序盤ではまず顔と立ち位置を押さえるのがいちばんです。登場人物の名前をただ丸暗記するより、誰が主人公で誰が周辺人物かを把握すると頭に残りやすい。私はいつも主人公→最も近い相棒や相愛関係の相手→主要な敵対者という順で覚え始めます。主人公には短いキャッチフレーズを付けておくと便利で、たとえば「冷静な剣士」「明るい発明家」のように性格や役割がすぐわかる言葉にしておくと、後であの場面の行動理由もつながりやすいです。
次に、組織や勢力図を整理します。作品世界での立ち位置は人物理解の鍵になるからです。私は地図や系図をざっくり作って、誰がどの
派閥に属しているか、師弟関係や家族関係はどうなっているかを線で結んでいきます。これにより「なぜこの人物があの場面であの決断をしたのか」が腑に落ちやすくなります。性格や見た目だけでなく、目的(復讐、理想、守るべきものなど)を一言でメモしておくと、物語が進むごとに人物が立ち上がって見えてきます。
中盤では会話パターンや口癖、決めゼリフで識別するのがおすすめです。私はメモ帳に台詞のサンプルを書き出して、話し方でキャラを判別できるようにしています。声のトーンやよく使う語尾、意外な一面を示す一言など、人物ごとの“音”を覚えると、登場人物が多くても誰が喋っているかすぐわかります。さらに、重要だけれど初見であまり目立たない脇役は、関係図の中で色を変えるなど視覚的に強調すると混乱しにくくなります。
最後に実践的な覚え方をいくつか。短いフラッシュカードを作る(表に顔、裏に一行の性格・目的)、エピソードごとに「この話で重要だった人物3人」を挙げる、読んだ・見た直後に要点を声に出して説明してみる――こうした反復が効きます。私は特に「誰かにその人物を簡単に説明する」練習が効果的だと感じていて、説明する過程で自分の理解が整理されます。焦らずに、まずは主要キャラを確実にしてから、徐々に脇役へ手を広げていくのが長続きする覚え方です。楽しく覚えていけば、物語も人物もより深く楽しめます。