感情の寄り添い方を重視するなら、インスト中心の現代的なアンビエントやポストロックがとても効く。個人的に『宇宙兄弟』の静かな対話や内省の場面に合わせたいのはM83の“Outro”、Explosions in the Skyの“Your Hand in Mine”、そしてÓlafur Arnaldsの“Near Light”だ。
“M83の“Outro”は徐々に広がるシンセとコーラスが感動を大きく育ててくれるし、Explosions in the Skyはギターの反復が緊張と解放を巧みに作る。Ólafur Arnaldsはピアノと細やかな電子音で瞬間の温度をそのまま保ってくれるから、兄弟が見せるちょっとした表情や沈黙にすごく寄り添ってくれる。こうした曲を間に置くだけで、場面の余韻が長く残るようになるから、個人的にはよく使う組み合わせだ。
曲を聴くとき、いつもまず人物像から音を想像する癖があって、クロエ=反骨心と寂しさが同居するキャラクター像が浮かぶ。だからおすすめの一つ目は、'Life is Strange'のオフィシャル・サウンドトラックに収録されているインディー寄りの楽曲たち。特にSyd Mattersの「To All of You」はクロエの切なさと希望の揺らぎをよく表現していて、何度聴いても胸が締め付けられる。
次にスコア面では、ゲーム内でクロエの出番に多用されるアコースティック主体の短いフレーズ群を追ってみてほしい。ジャンルで言えばフォーク寄りのギターや控えめなストリングスがクロエの繊細さを際立たせるので、シーンごとに流れる短いスコア曲を断片的に聴き比べるだけでも新しい発見がある。僕にとっては、この組み合わせがクロエ像を最も生き生きと感じさせてくれる。最後に、ゲーム外でのカバーやアレンジも侮れないので、ピアノやギターソロのインストアレンジもチェックしてみてほしい。