演出面ではショット構成や音楽、編集のリズムが宗教的表現を助長するか抑制するかを注視する。たとえば'The Last Temptation of Christ'を観たとき、カメラの寄りや宗教的イメージへの繋ぎ方が、単なる冒涜か深い問いかけかを左右していた。俳優の演技は、作品が侮辱を狙っているのか、対話を促しているのかを伝える重要な手がかりだ。
加えて、自分は歴史的背景に敏感である。ある時代や地域では問題とされない表現が、別の時代や文化では極端な反発を生むことがある。したがって公開当時の文化状況や宗教的緊張を考慮して批評を書かないと、表層的な断罪に終始してしまう。『The Name of the Rose』のように、歴史的文脈が解釈に決定的な影響を与える例を引くと説明がしやすい。