手元にある'From Emperor to Citizen'は、自伝という形で溥儀の体験が語られており、少なくとも彼がどのように自己を位置づけたかがわかる。翻訳や版によってニュアンスが変わるので、注釈や編集方針を確認しながら読むのがコツだ。自伝はしばしば自己弁護や記憶の歪みを含むことを念頭に置き、他の一次資料と突き合わせると理解が進む。
具体的には'普氏の家庭教師による手記'に相当する作品である'Twilight in the Forbidden City'を読んで、私は溥儀の生活習慣や個人的関係の細部に驚かされた。家庭教師の視点は親しみやすく、かつ制限付きの情報しか得られない皇宮という空間の匿名性を埋める。西洋人目線の記述は文化的誤解を含むこともあるが、そのズレ自体が当時の国際関係や価値観を読み取る手がかりになる。
個人的には'The Last Emperor'の映像言語が好きで、皇宮の細部や時代の転換を劇的に描く手腕に惹かれた。史実のすべてを忠実に再現しているわけではないが、感情の起伏や国際的背景を視覚的に理解するには最高の導入になる。演出は過剰な部分もあるが、その分歴史の“事件”と“人間”が同時に立ち上がる。