『NieR:Automata』は受難のテーマを深く掘り下げた稀有な作品だ。アンドロイドたちの存在意義を問いかけながら、終末世界で繰り返される戦いの虚しさを描いている。2Bや9Sの苦悩は単なるキャラクターの背景ではなく、プレイヤー自身に「生きる意味」を考えさせる装置になっている。
特に印象的なのはエンディングEの選択肢だ。ここで他プレイヤーのセーブデータを犠牲にできるかという問いは、利己主義と自己犠牲のジレンマを突きつける。ゲームシステム自体が受難のメタファーとなっており、哲学的な余韻が何週間も頭から離れなかった。音楽の『Weight of the World』がこのテーマを完璧に昇華させている点も見逃せない。