面倒くさがり屋の主人公が魅力的に描かれた作品といえば、まず思い浮かぶのは『The Big Lebowski』だろう。ジェフ・レボウスキー、通称“ダッド”は、何に対してもやる気ゼロのキャラクターながら、なぜか周囲を巻き込む不思議な魅力を持っている。ラグビーをこよなく愛し、ホワイト・ロシアンを片手にだらだら過ごす姿は、ある種の哲学さえ感じさせる。
日本の作品では『サマーウォーズ』の健二が印象的だ。数学の天才ながら極度の引っ込み思案で、夏休みのバイト先で起こった事件に巻き込まれる。彼の「面倒ごとに関わりたくない」という態度と、状況に引きずり込まれる様子は、現代の若者にも共感を呼ぶ。アニメーションならではのダイナミックな展開と、キャラクターの成長が絶妙に絡み合う。
意外なところでは『Shaun of the Dead』のショーンが挙げられる。ゾンビが街を襲っても、最初は気づかなかったり、対処を先延ばしにする様子は苦笑いを誘う。だらけた生活を送る平凡な男が、非常事態を通じて変わっていく過程は、コメディとホラーのバランスが絶妙だ。こういった作品の魅力は、主人公の怠惰さが単なる欠点ではなく、観客自身の日常と重ね合わせられる点にあるのかもしれない。