紙は短く、情を尽くせず結婚して三年、新村紗綾(にいむら さや)は足の不自由な森田裕司(もりた ゆうじ)を献身的に支え続けてきた。
そしてついに、裕司の両脚が回復し、自力で立てるようになったその日――彼が真っ先に向かったのは、空港だった。迎えに行ったのは、かつての初恋の相手。
その様子を見た紗綾は、ただ静かに微笑んだだけだった。
裕司と結婚して三年。契約で決められた期間も、もう終わり。果たすべき役目は、すべて終わったのだ。だから、彼のもとを去ることに、迷いはなかった。
だが、紗綾がいなくなってから、裕司はようやく気づいた。
自分が本当に手放してはいけなかった存在が、誰だったのかを……