起きたら、芯が僕の胸に抱きついて眠っていた。薄ぼんやりと、手を繋いでベッドに入ったのは覚えている。何か話をした気がするが思い出せない。
朝食を用意しておこうと、そっとベッドを抜け出したが起こしてしまった。目を擦りながら、『腹減った····』と呟く芯。安定の可愛さだ。生まれたままの姿だった芯に、僕のシャツを着せる。 さっと朝食を用意し、寝惚け眼の芯を呼ぶ。ポケッとしたまま食卓に着かせ、袖口を捲ってあげた。 芯は、まだ開ききらない目を懸命に開き、バターをたっぷり塗ったトーストに小さな口で齧りつく。『美味ぇ』と一言漏らし、あっという間に平らげた。昨夜から何も食べていないから、お腹が空いていたのだろう。 片付けついでに、口の周りについたパン屑を舐めとったら怒られた。愛らしさにアテられ、本能が先走ってしまったのだから仕方がない。 僕達は、奏斗さんについて話をする。殆ど、芯が語る奏斗さんの愚痴を聞いているだけで、対策を練るなど無意味な話はしない。僕の失態についても、一切触れずにいてくれた。そんな優しさが、今は傷をぬるく抉る。 ただ、僕が奏斗さんを招き入れないよう努力はしろと言われてしまった。勿論そのつもりだが、自信はないと先に謝る。芯は、呆れた顔で『期待してねぇよ』と笑った。「芯は、身体大丈夫なの? お尻痛くない?」「身体はまぁ、普段からハードなセックスで慣れてっから? ヨユー。てかケツは昨日薬塗ってくれたじゃん。若干痛ぇけど、使えなくもないかなって感じ」
嫌味混じりに返される。使えなくもって····、これだから庇護欲が掻き立