背中についた爪の痕が、痛いのか熱いのか── 僕に溺れている君があまりにも愛おしい── 鬼畜サイコパス教師×強がりヤンキーの恋の馴れ初め 生きるのが下手くそな、先生と芯の物語。 知る所と知らない所のすれ違いが交差して、想いは交われない。 互いに分かり合えてきたはずなのに、肝心な所を知らない。 そこへ加わる過去の異物。 誰よりも自分を知らないから行き違う想い。 相手の機微には無意識で敏感なのに。 バカと天然と鈍感は横並びで、息衝く愛を蹴落としてゆく。 ※タイトルについて *:先生視点 #:芯視点 匿名での感想やメッセージなどはコチラへ https://ofuse.me/e/32936
View More愛らしくシーツに包まり、背中しか見せない僕の愛しい人。
「······やだ」
「やだって····、嫌いになった? 僕ともうシたくない?」
意地悪な問いも、答えが分かっているから聞ける。
「シたくない··わけじゃないけど、あんなに奥まで入ってこられたら····ちょっと怖い」
だよね、少し怯えた顔をしていたものね。知っているよ。快楽に溺れ、どこまでも堕ちていってしまう自分が怖かったんだよね。
トロントロンにふやけ、緩んで涎が溢れるだらしない口元も、涙を浮かべてハートが見えそうな瞳も、全てが僕の与える快楽に堕ちてしまった証。 口では『やめろ』だの『抜け』だの反抗的なのに、首筋まで赤くしているから、つい噛み千切りたくなってしまったのだ。君だって、本当にやめたら泣いて縋ってくるくせに。「ごめんね。今度はもう少しゆっくりするから。肩、大丈夫? 少し血が出てる····」
「怖いつってんのに強引に奥まで挿れられて、そのうえ流血するくらい噛まれて大丈夫だと思う? めちゃくちゃ痛いっつぅの」
「ごめんなさい」
「····で、なにニコニコしてんの? 全然反省してねぇじゃん」
「だって、芯の奥気持ちイイんだもん。それに、僕がつけた痕が綺麗で····」
「キモ。うわ····またデカくなってんじゃん」
「······ダメ?」
「うっ··、ダメじゃない····けど奥はダメ」
奥まで|挿《い》れないなんて約束、どれだけ頑張ってもすぐに破ってしまいそうだ。心の中で先に『ごめんね』と呟いた。芯に聞こえはしないけど、きっと僕の目を見て気づいたんだね。
ギュッと固く目を瞑った芯に、キスでフェイントをかける。油断して、少し力が抜けたところを狙う為に。 入った瞬間、芯の見開かれた瞳に僕が映る。あぁ、僕ってこんなにいやらしい表情《かお》をしていたんだね。芯といい勝負じゃないか。
涙ぐむ芯にまた欲情して、ぱくぱくしている口を塞ぐ。息ができない芯は、これでもかと締めつけてくる。芯の腸壁に抱き締められて、僕は芯のナカを白く汚した。その熱に顔を蕩けさせている芯が、限りのないエロスを感じさせる。
僕は抜かないまま、君の首筋を指先でなぞる。
「髪伸びたね」
そう言って、伸びた襟足を指で攫う。これは、僕なりのピロートークだと、赤面する君には伝わっているかな。
「や、めろよ。擽ったいだろ。んっ、ひゃぁ」
「ホント、首弱いよね」
芯の弱い所も良い所も知り尽くして、愛おしさが止まらない。眉を寄せるその顔を見る度、泣くまで虐めたくなる。
ほら、また締まりが良くなった。奥で掴んで離してくれない。気持ち良ければ良いほど、芯はぽろぽろと涙を流す。愛せば愛するだけ、芯は苦しそうに表情《かお》を歪める。辛いのだろうか。
「僕の事、愛してる?」
「愛して····ない」
「まだダメなんだね。僕はこんなに愛してるのに」
ピストンの速度を上げる。奥のさらに奥まで抉って、これ以外の何も考えられないように。
「やめろって! もっ··無理らってぇ·····ぉ゙あっ」
「やめられるわけないでしょ? こんなに僕を求めてるのに。分かる? 芯が僕のを離さないんだよ」
両腕を掴んで、後ろから力一杯挿し込む。何度も何度も、お尻が赤くなっても叩きつける。
獣のような声をあげ、涙を溢れさせながら『もう許して』と懇願する芯を、どうにも離してやれない。「やらっ、んっ····も、むり゙っ····んああっ」
「まだイけるでしょ。だってホラ、抜いたら物欲しそうにヒクついてるよ」
何度も抜き差しを繰り返し弄ぶ。こんなにも高揚するのは久しぶりだ。
「先生····はぁ··んっ、まだイかない? 」
「まだまだ、君が善がり狂ってくれるまでは」
「も····ひぁっ、じ、充分だろっ!?」
教え子を、ここまで執拗に虐めてしまうのには理由《わけ》がある。
僕達は生徒と教師だから。禁断の交合いだから。これが最後かもしれない。明日にでも、引き離されてしまうかもしれないのだから。 僕達は、そういう関係なのだ。 どうしようもない焦燥感から、芯を離してやれない。そんな僕を、芯もきっと解っているのだろう。 どんなに酷くしても、決して本気で拒んではこない。それがこの恋の煩慮の必定とでも言おうか。セックスを我慢した甲斐あって、翌朝には随分と熱が引いていた。 芯の額に触れると、芯は『ん··』と小さく愛らしい声を漏らして目を覚ます。 寝惚けた芯に唇を奪われ、そのまま犯してやろうかと思ったが、昨夜の苦悶を無駄にしてなるものかと必死に堪えた。 その夜、週末でもないのに夜も更けてから訪ねてきた奏斗さん。どうやら、芯の見舞いに来てくれたらしい。 看病などした事がないと言って、奏斗さんは芯と一緒に粥を食べているだけ。何をしに来たのかと思えば、本当に顔を見に来ただけなようだ。 けれど、臥せっている時の心細さを知っている芯は、珍しく穏やかに食卓を囲んでいる。生意気な口は減らないが、ギャーギャーと騒ぐことはない。「今日は大人しいのな。つかどういう風の吹き回しだよ」 静かながらも、悪態をつくように言葉を投げつける芯。それに対し、奏斗さんは冷静に大人らしい態度を返す。「俺さぁ、芯のことも大切にするって言わなかったっけ? 今日はホントにただのお見舞いだよ。あ、ハニー、その花は芯だけじゃなく君にもね」 ソファにふんぞり返って僕を見上げる奏斗さん。そのしたり顔がカッコイイだなんて、口が裂けても言えない。「あ、ありがとう····」 花とは、奏斗さんが持ってきた、僕が腕いっぱいに抱えるほど大きな花束の事だ。白薔薇を基調に、絢爛さが喧しいほど訴えられている。見舞いとは思えず、ましてや僕には不相応な花束。 花瓶もないのに、どうすればいいのだろう。纏わりつくような香りに包まれ、僕は立ち尽くす。 花束をこそっとキッチンに置き、僕は粥の器を片す。芯は、疑り深く奏斗さんをまじまじと見る。僕だって、信じられないのは同じだ。 けれど、奏斗さんのいじらしいまでの改心を、僕も芯も認めていないわけではない。あまり、意地悪な事は言わないつもりだ。「芯、来てくれて嬉しいなら素直に言えばいいでしょ」「べ、別に··&midd
奏斗さんが言葉を放つのを、僕は固唾を呑んで待つ。薄い唇がそっと開き、無意識にピクッと身体を強ばらせた。「一緒に住もうか」 静かに、まるで言い聞かせるように、ぽそっと置かれた突拍子もない提案。言葉の意味を理解するまで、数秒のラグが生じる。 身構えていただけに、理解した瞬間全身の力が抜け落ちた。額面通りに受け取れば、提案と言うよりも同居の誘いだ。いや、この流れだと同棲になるのだろうか。 怠そうな態度を隠そうともせず、テーブルに肘をつきカフェオレを飲む芯。僕よりも先にこの話を知っていたようだが、納得はしていないと言うところだろうか。 奏斗さんが言葉を続ける前に、カチャンと荒くカップを置く。それを見て、ふっと笑みを零してから続ける奏斗さん。飄々とした口振りで、身勝手な理由を語る 。「この家狭すぎ。風呂があんな狭いとか有り得ないでしょ。あと絶対声ダダ漏れてる。通報されると困るからさ、ここじゃ思う存分可愛がってあげられないんだよね。何より、毎回道具持ってくるのが面倒。俺ん家なら、望むままにしてあげられるよ」 自らの唇に指を這わせ、魅惑的な妖艶さを醸し出す奏斗さん。想像して身体を熱くしてしまう。 この人の一挙手一投足には、芯でさえ翻弄される。芯が少しもじもじしたのを、僕と奏斗さんは見逃さなかった。 それはそうと、僕と芯だけなら事足りている2LDKの部屋。 奏斗さんが押し掛けて来なければ、これと言って問題はない。風呂だって、広くはないが芯と2人なら難なく入れている。「奏斗が居なきゃ問題ねぇんだけどさ、ちょいちょい同感なわけよ。声漏れんのが俺的には1番キツい。奏斗ん家は完全防音なんだって。だから、そこに住んで声気にしないでヤろうってさ。んっとクズだよな、ありがたいけど」 それに乗ろうとしている芯も大概だと思う。なんて、よく回る舌でふてぶてしくも愛らしく悠々と話す芯に、ましてや同じ考えが巡っている僕に、到底言えた言葉ではないけれど。「あとこれマジで納得いかないんだけど、先生が寂しがるから俺も一緒にって言うんだよね。ついで感ムカつかねぇ? 俺のコトも気に入ってるとか言ったくせにさ
お尻から僕の体液を噴出したままの芯。そして、僕のナカに収まったままの奏斗さん。 僕は、芯のお尻の具合を確認し、奏斗さんのをそぅっと抜いて薬を塗る。「芯のケツ、大丈夫?」 バッと振り向くと、奏斗さんが寝転んだまま煙草に火をつけていた。伏せた目がいやに色っぽく、不覚にもときめいてしまう。「はい、もう血はでてません。お、おはようございます」「それさ、いつまでそんな畏まってんの? 芯ですらタメ口なのに。お前もいい加減タメ口でいいから。····なんか遠いんだよ」「え、でも····」 “遠い”事を気にするような人だったのか。けれど、僕はその距離を縮めるつもりはない。そもそも、奏斗さんへタメ口だなんて不可能だ。 けれど、奏斗さんがそれで良しとするはずはなかった。「じゃ、命令。敬語やめろ」「は····うん」 便利なものだ。命令だと言われれば、不可能だと思っていた事もできてしまう。 そう、命じればいいのだ。僕が奏斗さんを愛するように。名前を呼ぶのだってそうだ。きっと僕は、息絶えながらでも平気なフリをするだろう。 けれど、決してそれだけはしない。彼なりのプライドなのだろうか。「芯が起きたら話そうか。俺たちの結論、お前が決めるんだよ。覚悟しておきなね」 奏斗さんは答えを急ぐ。芯も、早くハッキリさせたいようだった。当然だろう。 しかし、僕にその決断ができるのだろうか。いや、心は決まっている。 夕べ、乱れ狂った思考に過ぎった、狡く浅ましい願望。それこそが僕の本心なのだろう。 それを伝えられるだろうか。伝えてしまって良いのだろうか。果たして、それが正解なのだろうか。 2人に、僕を委ねてしまっても良いのだろうか。 芯が目を覚まし、狭い風呂へギュウギュウ詰めで3人同時に入る。バカじ
「っはぁぁぁ~····あったま固ぇのな、めんどくせぇ。俺がいいつってんじゃん」 芯はよっこいせと起き上がり、僕の隣に座る。僕より低い位置から、僕に顎クイをして格好つける。「奏斗に突っ込まれて可愛くヨガってる先生に犯されんの、正直マジでゾクゾクすんの。奏斗の命令聞いてアヘってんのに、俺には酷くすんのもすげぇクるんだよ。俺、奏斗はただのディルドだと思ってるからなーんも問題ねぇし。俺がそうシてほしいつってんの。ダメ? なぁ、セーンセ♡」 格好をつけた割に、言っている事はただの淫乱だ。そんな可愛い芯に、脳髄を沸き立たせられたかのような欲情をする。 僕は、無意識のうちに芯を押し倒していた。「芯··、僕は芯を愛してる。どれだけ身体が奏斗さんを求めても、僕のコッチは芯だけのモノだよ」 クズなセリフを吐きながら、僕は芯のアナルにペニスを捩じ込ませる。「俺は完全にディルド扱いなのね。ま、今だけ大目に見てあげるよ。で、俺への気持ちは? 怒んないから、正直に言ってみな」 僕のお尻を鷲掴み、大きな亀頭をにちにちと押し当てながら言う奏斗さん。期待なのか恐怖なのか、アナルがきゅぅっと締まる。 けれど、奏斗さんはその締まったアナルを押し拡げ、くるくる撫で回すように亀頭を押し込んでくる。「僕は··奏斗さんの、お、おちんちんが好きです。ん、ふぅ··昔みたいに、酷く犯されたい。けど、僕の心は芯のも──ん゙ん゙っ」 奏斗さんは一息に奥まで突き挿れ、勇気を振り絞った僕の言葉を断ち切る。「やーっぱ聞きたくないなぁ~。俺のおちんちんが好き··ってのは可愛かったよ。昔みたいに、上手に愛情表現できたね」 そう言って、後ろから頭を撫でる。擽ったいようなこの感情は何だろう。心がザワついて落ち着かない。 僕の不細工な顔を見て、芯はムッとした表情を見せる。 奏斗さんのピストンに合わせ、僕も芯のナカを抉る。可愛い声を
僕が気持ちを受け入れられていない、と言う芯。その言葉の意味が分からない。僕は、芯の全てを受け入れているつもりなのに。「··っ、ねぇ芯、どういう意味? 僕は芯のこと──」 ガバッと起き上がり、問い詰めるように芯へ言葉をぶつける。が、それを奏斗さん遮った。「ハニー、そうじゃないよ。あのねぇ··ハニーは自分の事がそっちのけなんだよ。自分の気持ちに疎すぎる。芯はそう言いたいんじゃない? それは俺も同意見」「なんでアンタが言うんだよ。先生に自分で気づかせたかったのに」「自分で··ねぇ。コイツには難しいよ、そういうの。俺が全部ぶっ壊してきたんだから。····ごめんな」 奏斗さんの口から飛び出したその一言に、心臓が強く脈打った。名前を呼ばれた時のような、息苦しさと目眩が身体をフラつかせる。 奏斗さんが、力無く倒れかけた僕を支えてくれた。力強い腕に、鼓動がほんの少しだけ跳ねる。「大丈夫? ····なぁ、俺が名前呼んでみていい?」 どうして呼べると思ったのだろう。奏斗さんの思考が分からない。苦しむ僕を見たいのか、それとも、いっそ殺してしまいたいのか。「いいわけねぇだろ。それは俺がやるつってんじゃん。奏斗は危ない事すんなっつぅの」「なんで? 俺、優しくしてるしそろそろいけるかもじゃない?」 僕と芯は、心底ゲンナリした表情を見せてしまった。まさか、本気で言っているのだろうか。「アンタ、マジで頭悪いんじゃねぇ? 優しくって、どこがだよ」「えー? 気遣ったり、芯に構うのも邪魔しなかったり、最近意地悪してないでしょ?」 あぁ、この人は根本的に何かを知らないのだ。僕はそう確信した。きっと、芯も。そして、僕も。「もうアホは置いとこ。なんつぅんだろうな····。先生はさ、自分の気持ち&
何やら、芯が酷く落胆している。大きな溜め息を吐いて、両手で顔を覆ったまま停止してしまった。 まさか、本当に今の今まで自分がマゾだと気づいていなかったのだろうか。だとしたら可愛すぎる。「芯、顔見せて」「····やだ」「どうして?」「なんか恥ずい」 僕は、そっと芯の手を退けた。耳まで真っ赤にして、目にいっぱい涙を溜め、それが今にも溢れ出しそうだ。 小さく一息吐いて、芯の涙を啜る。なんて愛おしいのだろう。 奏斗さんは、芯のナカをゆっくり捏ねくり回す。きっと、自分がマゾであることを思い知らせるつもりなのだろう。 涙の引っ込んだ芯は、腕で再び顔を隠してしまった。余程、精神的にダメージを受けているらしい。「これ、気持ちい?」 ねっとりと絡みつくような声で尋ねる奏斗さん。トロッとふやけた顔に堕ちた芯は、素直に答える。「ん、気持ちぃ」「ホント?」「うん。····なに?」「もっと奥に欲しい?」「んぇ?」「もっとガツガツ突いてほしい?」「····欲しくない」 どう見ても強がっている。奏斗さんは、呆れたように溜め息を吐き、子供を宥めるように話し始めた。「芯さぁ、ハニーはどっちだと思う? M? S?」「え····S?」「それは芯にだけ」「は?」「例えばさぁ····、ハニーおいで」 おずおずと近づくと腰を抱き寄せられ、乳首を甘噛みされた。「やっ、はぅっ、あっ、んんっ」「な? ハニーが芯にする時、こんな顔しないでしょ。ハニーは俺にだけドMになんの」「·&mi
Comments